保育士の過去問
平成29年(2017年)後期・地域限定
教育原理 問24
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問題
保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 教育原理 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文の著者として、正しいものを一つ選びなさい。
自分の生活に或系統をつけた時に、生活興味が起つて来ると云ふ大きな問題であります。其の意味からしまして、幼児をして断片の生活を或中心へ結び付けさせて行く事が出来るならば、幼児の興味を深からしめ、又幼児の生活を、一層生活として発展させて行く事が出来ます。すなはち此所に誘導の問題が起つて来るのであります。指導だけならば「ああそれかい。それを斯うしようとするのかい。ブランコを漕ぎ度いのかい。絵が書き度いのかい。」と言つてその時その子を指導して居ればいゝのですが、誘導はそれ以上のことです。
自分の生活に或系統をつけた時に、生活興味が起つて来ると云ふ大きな問題であります。其の意味からしまして、幼児をして断片の生活を或中心へ結び付けさせて行く事が出来るならば、幼児の興味を深からしめ、又幼児の生活を、一層生活として発展させて行く事が出来ます。すなはち此所に誘導の問題が起つて来るのであります。指導だけならば「ああそれかい。それを斯うしようとするのかい。ブランコを漕ぎ度いのかい。絵が書き度いのかい。」と言つてその時その子を指導して居ればいゝのですが、誘導はそれ以上のことです。
- 鈴木三重吉
- 城戸幡太郎
- 橋詰良一
- 倉橋惣三
- 福沢諭吉
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この過去問の解説 (4件)
01
1の鈴木三重吉は『赤い鳥』を創刊し、日本の児童文学の父とされています。
2の城戸幡太郎は、心理学者でもあり教育学者で『幼児教育論』を提唱しました。
3の橋詰良一は、戸外で保育を行う『家なき幼稚園』をつくったことで有名です。
4の倉橋惣三は、子どもの自発性を大切にする『誘導保育』を提唱し、「生活を生活で生活へ」というキーワードも重要です。
5の福沢諭吉は『学問のすすめ』の著者で幕末・明治の啓蒙思想家です。
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02
「誘導」というキーワード、文の内容から「生活を生活で生活へ」を提唱した倉橋惣三と判断します。
倉橋惣三は日本の児童心理学者です。
日本の幼児教育の先駆けとなった東京女子高等師範学校附属幼稚園で務めました。
日本のフレーベルとも呼ばれています。
1 鈴木三重吉は、日本の児童文化運動の父と言われ、「赤い鳥」を創刊しています。
2 城戸幡太郎は、『幼児教育論』『生活技術と教育文化』を著しています。
倉橋惣三の「児童中心主義」に対し、「社会中心主義」と言われます。
3 橋詰良一は、園舎を造らずに戸外で保育を行うのが特徴で、「家なき幼稚園」を開設しました。
露天保育を推奨しました。
5 福沢諭吉は、慶應義塾の創設者です。『学問のすすめ』『西洋事情』などを著しています。
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03
設問の中の『誘導』というキーワードから、④の倉橋惣三だと判断します。
倉橋惣三は、「誘導保育」を提唱し「生活を生活で生活へ」の理論のもと活動しました。
①鈴木三重吉
児童雑誌「赤い鳥」を刊行したことで有名な人です。
日本児童文学の父と呼ばれます。
②城戸幡太郎
倉橋惣三の楽観的な子ども観と児童中心主義を批判し、
大人が子どもを導くべきと主張しました。
また、集団生活の必要性も提唱しました。
③橋詰良一
園舎を構えず、戸外で保育を行う『家なき幼稚園』を設立したことで有名です。
⑤福沢諭吉
1868年に慶應義塾を設立した人物です。
代表作に「学問のすすめ」があります。
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04
問題文の文章は倉橋惣三の『誘導保育』の説明です。
倉橋惣三は、東京女子高等師範学校附属幼稚園に勤め、日本の幼児教育の先駆けとなりました。彼の有名な言葉が「生活を生活で生活へ」です。
以下は補足です。
1 鈴木三重吉は、「赤い鳥」を創刊した人物で、日本児童文学の父と呼ばれています。
2 城戸幡太郎は、『幼児教育論』『生活技術と教育文化』の著者です。倉橋惣三が「児童中心主義」と提唱する中、城戸は、大人が子どもを導くという「社会中心主義」を説きました。
3 橋詰良一は、園舎を作らず戸外で保育を行う「家なき幼稚園」を設立した人物です。
5 福沢諭吉は、「慶應義塾大学」の設立者であり、「学問のすゝめ」の著者として有名です。
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