保育士の過去問
令和2年(2020年)後期
保育の心理学 問93

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問題

保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育の心理学 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

次の1歳児の食事場面の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
担当保育士が食事用のエプロンに替え三角巾をしていると、Hちゃんは、ぴょんぴょんと身体を弾ませ「ンマ ンマ」と言い、喜んでいる。「待っててね」と言うとわかったかのように目を細めて笑った。保育室の戸が開いたので、Hちゃんはじっと見ていたが、訪問者が近づいてくると下を向いて指しゃぶりを始めた。顔を上げ訪問者と目が合ったとたん大泣きし、保育士に手を出して抱っこを求める。訪問者が退室すると安心して食事の席につく。
食事が始まると、「ンマ ンマ」と催促をする。保育士が「あー、んまね」と口に入れると、もぐもぐしながら保育士の顔を見て、両手を頬に当ておいしいというしぐさをする。「おいしいのね、よかったね」と言うと、おいしいということが伝わったと感じたのか目を細めて笑い、「あーあー」と声を出し、さらに両手で頭をたたいてみせた。

【設問】
次のA~Dのうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 見知らぬ人が近づくと、不安になり混乱して食べることが難しくなることも、人見知りの時期には生じる。
B 毎日同じ場所や一定の流れのなかで食べることは、子どもに安定をもたらし、スクリプトの形成を促す。
C 子どもが一定の時間内に一定の量を食べることのみに集中できるような生活リズムを確立することは重要である。
D 保育士との応答的なやりとりのなかで、「上手に食べたね」「おいしかったね」と共感されながら食べられるようになっていく。
  • A:○  B:○  C:○  D:○
  • A:○  B:○  C:×  D:○
  • A:○  B:×  C:×  D:○
  • A:×  B:○  C:○  D:×
  • A:×  B:×  C:×  D:×

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

A 〇 適切です。
生後8か月ころより、乳児が個人の違いを認識して見知らぬ人を怖がることがあります。
一般的に人見知りと呼ばれ、養育者と愛着関係ができた印といえます。

B 〇 適切です。
スクリプトとは出来事の行動順序に関する知識です。
規則正しい生活はスクリプトの形成に役立ちます。

C × 不適切です。
食事の適正な量は子どもによって違います。
決まった量を食べることにこだわらず、子供の様子を観察しながら、食事の援助をします。

D 〇 適切です。
養育者との応答的なやり取りの中で他者への共感が育ちます。

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02

解答. 2
A. ○です。 
乳児の人見知りは6ヶ月頃から始まり、
2歳ごろまで見られるケースもあります。
昼間に知らない人に会ったことにより、
夜泣きがひどくなるなど様々なケースがあります。
不安になり混乱して、
食が進まなくなることもあります。

B. ○です。
記述の通りです。
「スクリプト」は、日本語に訳すと
「脚本」という意味を持ちます。
生活の中で、食事をとる、お風呂に入る、
という行動のような一連の流れを、
見通しを持って行う行動を、
「生活スクリプト」と呼びます。

C. ×です。
子どもの食事の量や、食べる速度には
個人差があります。
生活リズムを確立することは大切ですが、
食事において、決まった量や時間を
押し付けるのは良くありません。

D. ○です。
記述の通りです。
保育者との応答的なやり取りの中で、
子どもの成長が促されると考えられます。

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03

正解は2です。

A ○
人見知りの反応は、
泣くことが多いですが、
指しゃぶりをして
気持ちを落ち着かせている場合もあります。

B ○
同じ場での規則正しい生活を繰り返すことで、
スクリプトの形成が促進されます。
また、子どもたちは、
見通しを持つことができるので、
安定、安心した生活を送ることにも
つながります。

C ×
食事は心身の発達や人間性の形成などに
欠かせないことです。
生活のリズムを整え、決まった時間に、
体に必要な量の食事をとることのほかにも
大切なポイントがあると考えられます。

D ○
保育士の応答的、共感的な関わりによって、
子どもたちの成長発達が支えられています。
そうした保育士のかかわりによって、
苦手な食べ物も食べられるようになる
場面もみられます。

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