保育士の過去問
令和4年(2022年)後期
保育原理 問16

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育原理 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

次のA~Jのうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の一部として、不適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A  健康な心と体
B  自立心
C  協同性
D  道徳性・規範意識の芽生え
E  探求心
F  思考力の芽生え
G  自然との関わり・生命尊重
H  数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
I  芸術に対する感覚
J  豊かな感性と表現
  • A,D
  • B,C
  • E,I
  • F,G
  • H,J

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この過去問の解説 (2件)

01

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は簡潔に「10の姿」と呼ばれることがあります。

小学校の入学までに育んでほしい能力や姿の目安となるものです。

幼稚園教育要領、保育所保育指針、

幼保連携型認定こども園教育・保育要領が2017年に改定された時に作られ、

2018年4月から施行されました。

この「10の姿」を意識しながら保育における活動内容やねらいを設定することが大切になってきます。

「10の姿」

①健康な心と体

②自立心

③協同性

④道徳性・規範意識の芽生え

⑤社会生活と関わり

⑥思考力の芽生え

⑦自然との関わり・生命尊重

⑧量・図形、文字等への関心・感覚

⑨言葉による伝え合い

⑩豊かな感性と表現

よって、E 探求心  I 芸術に対する感覚 が不適切なものとなり、正解です。

選択肢1. A,D

不適切です。

選択肢2. B,C

不適切です。

選択肢3. E,I

適切です。

選択肢4. F,G

不適切です。

選択肢5. H,J

不適切です。

まとめ

しかし、

探求心は物事に関心を寄せて自ら学ぼうとする姿、

芸術に対する感覚は絵や造形物、音楽などを見聞きした時に「素敵だな」「楽しいな」「かっこいいな」など、個々が様々なことを感じる姿だとすると、

「10の姿」に含まれてはいませんが、

どちらも保育の中では大切にしていきたいことの一つだと言えます。

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02

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は「10の姿」とも言われます。

5領域のねらいや内容に基づき、3歳児、4歳児の時期からふさわしい活動や指導を積み重ね、5歳児後半までに見られるようになる姿を言います。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」

ア:健康な心と体

イ:自立心

ウ:協同性

エ:道徳性・規範意識の芽生え

オ:社会生活と関わり

カ:思考力の芽生え

キ:自然との関わり・生命尊重

ク:量・図形、文字等への関心・感覚

ケ:言葉による伝え合い

コ:豊かな感性と表現

よって、「E:探求心」「I:芸術に対する感覚」が不適切です。

選択肢1. A,D

「ア:健康な心と体…保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。」

「エ:道徳性・規範意識の芽生え…友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。」

と保育所保育指針の幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に該当します。

選択肢2. B,C

「イ:自立心…身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。」

「ウ 協同性…友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。」

と保育所保育指針の幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に該当します。

選択肢3. E,I

保育所保育指針の幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に該当しないため、本肢が正解です。

選択肢4. F,G

「カ:思考力の芽生え…身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。」

「キ:自然との関わり・生命尊重…自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。」

と保育所保育指針の幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に該当します。

選択肢5. H,J

「ク:数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚…遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。」

「コ 豊かな感性と表現…心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。」

と保育所保育指針の幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に該当します。

まとめ

「10の姿」に捉われることなく、子どもの「気になる」という興味や「やってみたい」という気持ちに寄り添っていくことは保育の過程として大切です。

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