ITパスポートの過去問
平成28年度 秋期
ストラテジ系 問17

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問題

平成28年度 秋期 ITパスポート試験 ストラテジ系 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

在庫回転率は資本の効率を分析する指標の一つであり、その数値が高いほど、商品の仕入れから実際の販売までの期間が短く、在庫管理が効率よく行われていることを示している。在庫回転率の算出式として、適切なものはどれか。
  • (期首在庫高 + 期末在庫高)÷ 2
  • 売上高 ÷ 総資産
  • 売上高 ÷ 平均在庫高
  • 平均在庫高 ÷ 売上高

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この過去問の解説 (3件)

01

1.
(期首在庫高 + 期末在庫高) ÷ 2は、平均在庫高の計算式です。
年間で平均してどのくらいの在庫を抱えているかを意味します。
しかしこの計算方法では期間中の変動幅が反映しにくいため、より正確な値を求めるには毎月や毎週の平均在庫高を1年分合算して12ヶ月で割ったり、中間在庫高も考慮して
(期首在庫高 + 中間在庫高 + 期末在庫高)÷ 3
などの工夫が必要です。

2.
売上高 ÷ 総資産は、総資産回転率の計算式です。
事業につぎ込んだお金(純資産)の何倍売り上げたのかを意味します。

3.
売上高 ÷ 平均在庫高は、在庫回転率の計算式です。
金額でイメージしづらい場合は、個数に置き換えて「売上個数 ÷ 平均在庫数」と読みかえてもよいでしょう。1在庫に対していくら売り上げたか、すなわち在庫が何回転したかを意味します。

4.
平均在庫高 ÷ 売上高は、在庫回転期間の計算式です。
上の在庫回転率の逆数です。在庫が1回転するのに何日かかるかを意味します。
在庫回転率と在庫回転期間は、在庫管理の目安となります。

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02

 正解は、3の『売上高÷平均在庫高』です。
 算出式を暗記している場合は、即答できるかもしれません。

 1の『(期首在庫高+期末在庫高)÷2』は、平均在庫高を求める式です。

 2の『売上高÷総資産』は、総資産回転率を求める式です。

 3の『売上高÷平均在庫高』は、在庫回転率の算出式ですので、これが正解となります。

 4の『平均在庫高÷売上高』は、売上高在庫比率を求める式です。


 暗記したはずの算出式がうまく思い出せなかった場合でも、出題文に使われている言葉の意味を読み解きやすくするためのテクニックを使い、消去法で答えを導くテクニックを交えながら解説します。


 第一のテクニックはキーワードです。
 特に重要なキーワードは、率と高です。

 わかりやすく伝えるために、売上高を使って説明します。

 売上高という言葉は、事業の実態把握を目的とする算出式の問題では、頻繁に登場する言葉です。
 実際、この出題においても、2.と3.と4.の選択肢に売上高という言葉が使われています。 

 理解を深めるため、売上高を『売上・高』として表記します。

 なぜかと言うと、売上高と言う言葉は、『売上』と『高』という二つの言葉から組み立てられているからです。

 『売上』とは、代金のことです。言い換えるなら、売上金額と憶えると良いでしょう。

 そして、『高』とは、値を金額(貨幣の単位)で示す言葉であると同時に、商品(または、サービス)が顧客(お客)に引き渡されたことを示す言葉として使われます。

 この二つの意味が合わさった言葉が、『売上・高』です。

 つまり、『売上・高』とは、『高』という言葉が示す通り、貨幣の単位(日本であれば、円)で表記される、すでに確定された売上金額であることを意味する言葉と言えます。




 もう一つのキーワードは、『率』という言葉です。


 『率』とは、パーセント(%)のことです。

 一般的に、小数点以下を含む数値で示され、単位は、回転数やパーセントで表記されます。

 そのため、先ほどの『高』との大きな違いとして、1,000を超える数値で示されることは、ほとんどありません。

 逆に、0.01以下の数値が答えとして導き出されたとしても、不思議ではないのです。

 この設問では、「在庫回転率の算出式として、適切なものはどれか。」と質問されていますので、『在庫回転・率』と認識しなおすと、選択肢の中から正解を見つけやすくなります。



 二つのキーワードを思い出しながら、設問の1の選択肢の内容を読み解いてみます。

 1は『(期首在庫高+期末在庫高)÷2』です。

 わかりやすくするために、言葉の表記方法を変えて見てみましょう。

 1の選択肢は『(期首在庫・高+期末在庫・高)÷2』です。

 選択肢の両方の言葉に『高』が使われています。

 したがって、この算出式を言葉の通りに理解すると、『期首在庫・高(単位は円)+「期末在庫・高(単位は円)」÷2』となります。

 具体的な金額は示されていませんが、答えは必ず貨幣の単位(日本であれば、円)で表記される、大きな数値が導き出されることになります。

 設問が求めているのは、「在庫回転率の算出式として、適切なものはどれか。」とのことですので、必ず貨幣の単位(日本であれば、円)で表記される算出式は、不正解なのだと自信を持って答えることができるでしょう。



 第二のテクニックは、数式の前後の意味を知ることです。

 算数の話になります。


 割り算は、分数で表記することができます。


 割り算の前の数値は、割り算の後ろの数値の上に横棒を引いて、その上に乗せることで、分数として表記することができます。


 算出式では、それが数字を表す言葉でも同じように分数として表記し、計算することができます。

 そして、割り算の後ろに書かれている言葉が、導き出される答えの割合(率)を示す言葉として使われるのが一般的です。

 つまり、割り算の後ろの言葉が、設問が求めている「在庫回転率の算出式として、適切なものはどれか。」に重なる選択肢を見つければ良いということになります。

 すると、割り算の後ろに『在庫』という文字が使われているのは、3のみとなります。

 そのため、この設問では、3が正解と考えることができます。

 今回の設問は算出式ですので、暗記して答えられるように励むのが良いと思いますが、どうしても暗記した算出式が正確に思い出せない時には、設問の言葉の意味から答えを探ることで、間違いを減らすことができるでしょう。

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03

在庫回転率は商品の仕入れから実際の販売までの効率を示すとあるので、指標値に必要なのは「売上高」と「平均在庫高」です。
「平均在庫高」が少なく「売上高」が多いほど在庫回転率があがると考えると、正解は「3.売上高÷平均在庫高」です。

1.平均在庫高を求める式です。

2.総資産回転率を求める式です。

4.在庫回転期間を求める式です。

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