ITパスポートの過去問
平成28年度 秋期
ストラテジ系 問22

1.と3.
ASP (Application Service Provider)
SaaS (Software as a Service)
ともに自社ではソフトウェアを所有せずに、外部のサービス会社が提供するソフトウェアをインターネット経由で活用することです。
導入や更新にかかる費用を削減できる反面、データが事業者側のサーバに格納されることから、セキュリティ対策には注意が必要です。
ASPは１つのシステムを１つの企業が利用するシングルテナント形式であるのに対して、SaaSは１つのシステムを複数の企業が利用するマルチテナント形式をとっています。

2.
BPO (Business Process Outsorcing)
業務の一部を外部企業に委託する形態（アウトソーシング）のうち、その業務プロセスの設計から実行までを業務委託することを言います。アウトソーシングが一時的、短期期間に活用されるのに対して、継続的に活用されることが前提となっています。
コスト削減のほか、本来の業務に専念できるというメリットがあります。

4.
ハウジング
顧客のサーバや通信機器を設置するために、事業者が所有する高速回線や耐震設備が整った施設を提供するサービスです。ネットワークや施設に対する費用を低減できるメリットがあります。

正解は４です。

１のASPは、業務用のアプリケーションをインターネットを通じて、顧客にレンタルする事業者のことです。

２のBPOは、業務効率の向上、業務コストの削減を目的に、業務プロセス単位で外部委託を実施することです。

３のSaaSは、事業者が運用するサービスをネットワーク経由で利用するソフトウェアの提供形態のことです。

４は正解のハウジングです。

ハウジングは、顧客の通信機器や情報発信用のコンピュータを、回線設備の整った専門業者の施設に設置するサービスです。

出題文で求められているのは、外部業者のサービス名称です。

語句の意味を憶えているのであれば、4.のハウジングが正解だと即答できるかもしれません。


念の為、それぞれの語句の意味を表記します。


1.の『ASP』は、一般的にはApplication Service Providerの略で、カタカナでは、アプリケーション・サービス・プロパイダーと表記します。

意味は、インターネットを通じてアプリケーションをサービスとして提供する事業者の総称を現す言葉です。



2.の『BPO』は、Business Process Outsourcingの略で、カタカナでは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングと表記します。

意味は、自社内でしかできない仕事に集中するため、社外に依頼しても問題のない業務を外部へ業務委託することを現す言葉です。



3.の『SaaS』は、Software as a Serviceの略で、カタカナでは、サースまたは、サーズと表記されます。

意味は、いくつかに分類されるクラウドサービスの中から、「インターネットを介してサービスとして提供されるソフトウェア」の総称を現す言葉です。



最後に、4.の『ハウジング』は、英語では、Housingと表記し、それぞれの産業毎に意味合いが異なるものの、本設問における産業分野としては、サーバの設置先を提供するサービスを現す言葉です。


本設問では、別の地域にバックアップサーバを設置したい際に利用するサービスの名称を尋ねられていますから、4.の『ハウジング』が正解となります。

選択肢をひとつずつ見ていきましょう。

１．「ASP」とは、ネットワーク経由によってソフトウェアやソフトウェア稼働環境を提供する事業者です。
バックアップ環境とは関係ないため、誤りです。
また、「SaaS」と同義なため３も誤りです。

２．「BPO」とは、企業運営上の業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することです。
バックアップ環境とは関係ないため、誤りです。

４．「ハウジング」とは、高速な回線や耐震設備、安定した電源設備などを自前ですべて揃えるよりも安価に提供する事業者です。
バックアップ環境を用意するのに使えるため、正解です。