ITパスポートの過去問 平成28年度 秋期 マネジメント系 問51

ITガバナンスとは、企業のIT戦略をあるべき姿に導くことです。よって、正解は1です。

他の選択肢も押さえておきましょう。

２．ITサービスを適切に管理することは、ITサービスマネジメントといいます。

３．情報システムを第三者が検証することは、システム監査といいます。

４．プロジェクトを適切に進めるために、必要な知識などを管理することは、プロジェクトマネジメントといいます。

ＩＴガバナンスとは、ＩＴを適切に活用して、企業をあるべき方向へ導く組織能力のことです。
用語の意味を知っていれば解ける問題ですので、それぞれの選択肢の意味する用語を示します。

1 . 【正解】
企業が競争優位性の構築を目的としてIT戦略の策定及び実行をコントロールし、あるべき方向へと導く組織能力
→ＩＴガバナンス

2 .
事業のニーズを満たす良質のITサービスを実施及び管理すること
→ＩＴサービスマネジメント

3 .
情報システムに関わるリスクのコントロールが適切に整備・運用されているかを、当事者及び管理者とは別の第三者が検証する活動
→システム監査

4 .
プロジェクトの要求事項を満たすために、必要な知識、スキル、ツール及び技法をプロジェクトの活動に適用すること
→プロジェクトマネジメント

正解は１です。

１は正解のITガバナンスの説明です。

２は、ITサービスマネジメントの説明です。

３は、システム監査の説明です。

４は、プロジェクトマネジメントの説明です。

ITガバナンスは、企業が競争優位性を構築するために、IT戦略の策定・実行をガイドし、あるべき方向へ導く組織能力であり、ITへの投資・効果・リスクを継続的に最適化する為の組織的な仕組みのことです。

出題文で求められているのは、「ITガバナンスの説明」として『適切なもの』です。


ここで言うガバナンスとは、アルファベットでは、Governanceと表記し、統治や管理を意味する言葉です。
ここから転じて、理想のあるべき状態に近づけることを意味する言葉として、最近ではガバナンスという言葉が使われるようになりました。


それでは、言葉の意味を考えながら、正解と呼べる説明文を探していきましょう。



4.の「プロジェクトの要求事項を満たすために、必要な知識、スキル、ツール及び技法をプロジェクトの活動に適用すること」は、『プロジェクトの要求事項』について示されており、プロジェクトマネジメントの定義についての説明と考えられます。

そのため、「ITガバナンスの説明」として『適切なもの』とは言えません。



3.の「情報システムに関わるリスクのコントロールが適切に整備・運用されているかを、当事者及び管理者とは別の第三者が検証する活動」は、『リスクのコントロール』について示されており、かつ、『第三者が検証する活動』は審査を意味します。

そのため、「ITガバナンスの説明」として『適切なもの』とは言えません。



2.の「事業のニーズを満たす良質のITサービスを実施及び管理すること」は、組織をあるべき理想の状態へと導くというガバナンスという側面よりも、『ITサービスをマネジメントする』説明として読めます。

そのため、「ITガバナンスの説明」として『適切なもの』とは言えません。



1.の「企業が競争優位性の構築を目的としてIT戦略の策定及び実行をコントロールし、あるべき方向へと導く組織能力」は、まさしく「ITガバナンスの説明」として『適切なもの』です。

そのため、1.が正解と考えられます。


順番に読み解くと、最初に正解が出題されているため、すぐに答えを選んでしまいがちになりますが、このような問題こそ、他の問題を解き終えた後に見直すことで、確実な得点としていきたい問題と言えます。