ITパスポートの過去問 令和5年度 ストラテジ系 問4

両方式共に効果額は同じなため、期待利益を比較するには、それぞれ費用がどうなるかを比較することになります。

５年間のASP利用方式の費用は、 (300万円×5年間) = 1500万円となります。

自社センター利用方式の費用は、初期投資額が不明なため仮にx円とすると、（x + 100万円×5年間）万円となります。

両者を比較し、ASP利用方式の期待利益が大きくなるxの値、すなわちASPの費用の方が低くなる場合を検討することになります。

式で表すと、x＋100×5＞1500 すなわち x＞1000となります。

初期投資額が1000万円を超えたとき、ASP利用方式の期待利益（効果額−費用）が自社方式よりも大きくなります。

ASP利用時の期待利益は以下になります。

　初期費用０円、運用費用300万円、よって年間の期待利益は、

　500万円－300万円＝200万円

　５年での期待利益は、200万円×5年＝1,000万円

自社方式時の期待利益は以下になります。

　初期費用ｘ円、運用費用100万円、よって年間の期待利益は、

　500万円－100万円＝400万円

　５年での期待利益は、400万円×5年＝2,000万円

運用費用だけで比較すると、自社方式の方が期待利益が1,000万円高いです。

そのため、自社方式の初期費用が、1,000万円を超えてしまうと、

５年での期待利益が、2,000万円－1,000万円で1,000万円を下回ります。

両方式の効果額：500万円/年 x 5年 = 2,500万円

ASP利用方式の費用：

初期費用：0円

利用料：300万円/年 x 5年 = 1,500万円

ASP利用方式の5年間の合計費用 = 0円 + 1,500万円 = 1,500万円

自社方式の費用：

初期投資額：不明（これをX万円とする）

運用費：100万円/年 x 5年 = 500万円

自社方式の5年間の合計費用 = X + 500万円

ASP利用方式の期待利益：

= 効果額 - 費用

= 2,500万円 - 1,500万円

= 1,000万円

自社方式の期待利益：

= 効果額 - 費用

= 2,500万円 - (X + 500万円)

= 2,000万円 - X

自社方式の期待利益 ＜ ASP利用方式の期待利益とすると、

2,000万円 - X ＜ 1,000万円

この場合、 X ＞ 1,000万円

よって、自社方式の初期投資額が1,000万円を超えたとき、ASP利用方式の期待利益が自社方式よりも大きくなります。

答えは1,000です。