介護福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
認知症の理解 問80
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問題
介護福祉士国家試験 第30回(平成29年度) 認知症の理解 問80 (訂正依頼・報告はこちら)
Cさん(70歳、女性)は息子(35歳)と二人暮らしをしている。息子の話によると、1年前から時々夜中に、「知らない人が窓のそばに立っている」などと言うことがある。また、ここ3か月で歩くのが遅くなり、歩幅が狭くなった。家事は続けているが最近探し物が目立ち、料理の作り方がわからないことがある。病院で検査を受けたが、頭部MRIでは脳梗塞(cerebral infarction)や脳出血(cerebral hemorrhage)の指摘はなかった。
Cさんの状況から、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。
Cさんの状況から、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。
- 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)
- レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
- 慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)
- 血管性認知症(vascular dementia)
- うつ病(depression)
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この過去問の解説 (4件)
01
レビー小体型認知症の特徴は、はっきりとした脳の萎縮が見られず、「幻視」や異常行動などの症状が目立ちます。また、パーキンソンの症状に似た手足の震えや小刻み歩行などがあり、近年増えている認知症の症状なので、しっかり理解しておいた方がよいでしょう。
1,正常位水頭症は、歩行障害はありますが、幻聴などの症状はみられません。脳のCTなどで異常が見られます。
3,慢性硬膜下血腫は、歩行障害、精神障害といった障害はありますが、脳のCTなどで異常が見られます。幻視などの症状は、ほとんど見られません。
4,血管性認知症では、脳の異常があり、幻視などの症状が見られません。
5,うつ病では歩行障害は見られません。
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02
レビー小体病型認知の初期症状として
①幻覚(特に幻視)や妄想が出現
②物忘れなどの認知症の症状が現れる
③体が硬くなる、動作が遅くなる、小またで歩くなど、パーキンソン病に似た運動障害
が出てきます。
問題文から、
・知らない人が窓のそばに立っている
・歩くのが遅くなり、歩幅が狭くなった
・家事は続けているが最近探し物が目立ち、料理の作り方がわからないことがある。
と読み取れるので、レビー小体型認知症の症状が考えられます。
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03
「知らない人が窓のそばに立っている」という幻視の症状と「歩くのが遅くなり、歩幅が狭くなった」というパーキンソン症状により、レビー小体型認知症が疑われます。
1.正常圧水頭症の場合、MRI検査によって脳室の拡大が見られます。また、足を開いたすり足のような歩行や精神活動の低下、尿失禁などの症状が見られます。
3.脳出血の症状がないことや、症状が1年前からという点から除外されます。
4.脳梗塞・脳出血の所見がないことから除外されます。
5.うつ病で幻視や歩行障害が見られることはありません。
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04
1.3.4はMRIで分かります。うつ病では歩行障害は特徴的ではありません。
よって、2番が正解です。
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