介護福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
介護過程 問67

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問題

介護福祉士国家試験 第32回(令和元年度) 介護過程 問67 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、以下の問いに答えなさい。
〔事例〕
Dさん(77歳、男性、要介護2)は、妻と二人で暮らしている。定年まで、高校の体育の教師で野球部の監督をしていた。起居動作に問題はないが、認知症( dementia )と診断されたため、現在、通所介護(デイサービス)を週3回利用している。通所介護(デイサービス)では、短期目標を「役割を持ち意欲的に生活する(3か月)」と設定し、体操を指導する役割をお願いしていた。
実施1か月が経過した頃、テレビで高校野球を見たDさんは暗い表情で、「生徒を全国大会に連れて行けなかったのは私の責任だ」と嘆いていた。この日は、担当の介護福祉職が体操の指導をお願いしても、「今すぐ行かなければ」と断った。

その後も体操の指導を継続していたDさんは、参加者から体操の順番が違うと指摘されて指導の意欲を失い、一人でいることが多くなった。しかし、体操の時間になると遠くからその様子を眺めていた。
Dさんが今後も現在の役割を継続するために、優先して取り組むべき課題として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 体操に対する関心を取り戻すこと。
  • 体操の内容を変更すること。
  • 体操を指導する自信を回復すること。
  • 体操の正しい順番を学び直すこと。
  • 指摘した参加者に謝ること。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も適切なものは3です。
「体操の順番が違うと指摘されて指導の意欲を失い」とあります。
体操の様子を眺めていることから体操自体に関心がなくなっているわけではありません。
よって3が適切です。

他の選択肢については以下のとおりです。

1.不適切です。
「体操の時間になると特からその様子を眺めていた」とあります。関心はうかがえます。

2.不適切です。
通所介護で全員で行っている体操なので、他の利用者様にも影響のあることです。よって不適切です。

4、5 不適切です。
指摘されて指導の意欲を失っており、長年体育教師をしていた人のプライドもあります。
プライドが傷つけられるような気持ちになることは避けるべきです。

参考になった数37

02

1.体操に対する関心を取り戻すことは、体操の時間になると遠くからその様子を眺めている様子から関心は失っていないと考えられます。よって、間違いです。

2. 参加者から体操の順番が違うと指摘されて指導の意欲を失い、一人でいることが多くなった。とケースでの記載があり、体操の内容によって、指導の意欲を失ったわけで発言ありません。内容を変更することがDさんの役割継続に繋がるとは考えにくいです。よって、間違いです。

3.体操を指導する自信を回復することは役割を継続するためには大切です。よって、3が正解です。

4.体操の正しい順番を学び直すことよりも、自信の回復が役割を継続するためには大切です。よって、間違いです。

5.ケースの状況によっては、指摘した参加者に謝ることも必要になるかもしれませんが、優先して取り組むこととしては適していません。

参考になった数15

03

1.×
体操の様子を遠くから眺めているとの記述から、体操に対する関心は持ち続けていることがわかります。

2.×
体操の内容を変更することで指導に対する意欲が取り戻せるとは言えません。

3.○
体操の指導に対する意欲を失ってしまったことから一人で過ごす時間が多くなり役割を見出せなくなっているようです。
体操の指導に対する自信を回復することで、役割を継続することが可能になると考えられます。

4.×
体操の正しい順番を学び直すよりも、まずは「また体操の指導がしたい」と思えるような支援が必要です。

5.×
状況によっては指摘した利用者に謝る必要があるかもしれませんが、問題文からは謝る必要性は感じられません。
また、謝ることで自尊心を傷つけたり、さらに意欲を失ってしまう可能性が考えられます。

参考になった数13