運行管理者(貨物)の過去問
平成27年度 第1回
実務上の知識及び能力 問36
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問題
平成27年度 第1回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものを選びなさい。
- A営業所においては、運行管理者は、昼間のみの勤務体制となっている。このため、運行管理者が不在となる時間帯の点呼が当該営業所における点呼の総回数の7割を超えていることから、その時間帯における点呼については、事業者が選任した複数の運行管理者の補助者に実施させている。しかしながら、運行管理者は、点呼を実施した当該補助者に対し、当該点呼の実施内容の報告を求める等十分な指導及び監督を行っている。
- いわゆるGマークの認定を受けていないA営業所の運行管理者は、所属する運転者が遠隔地にある自社のB営業所から運行を開始する場合は、当該運転者が所属していないB営業所の運行管理者に点呼を実施させている。その際、当該B営業所に備えられたアルコール検知器( 国土交通大臣が告示で定めたもの。)を使用した酒気帯びの有無の確認など所定の事項をB営業所の運行管理者が実施し、その結果を、A営業所の運行管理者に連絡している。このため、連絡を受けたA営業所の運行管理者は、当該運転者から直接の報告をさせることなく点呼を実施したこととしている。
- 乗務前の点呼において運転者の健康状態を的確に確認することができるようにするため、健康診断の結果等から異常の所見がある運転者又は就業上の措置を講じた運転者が一目で分かるように、個人のプライバシーに配慮しながら点呼記録表の運転者の氏名の横にマークを付与するなどして、これを点呼において活用している。
- 以前に自社の運転者が自動車運転免許証の停止の処分を受けているにも拘わらず、業務中の事業用自動車を運転していた事案が発覚したことがあったため、運行管理規程に乗務前の点呼における実施事項として、自動車運転免許証の提示及び確認について明記した。運行管理者は、その後の乗務前の点呼の際は、法令によるもののほか、運転者全員に対し、事前に提出させた各自の自動車運転免許証のコピーによる確認を行い、その再発防止を図っている。
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この過去問の解説 (3件)
01
点呼は、その回数の3分の1以上を運行管理者が実施しなければなりません。
2不適
A営業所へのB営業所からの報告は点呼に該当しません。点呼は必ず乗務員から直接受けなければなりません。
3適
点呼では、乗務員の健康を把握することも大切です。
4不適
コピーの確認では停止処分を受けているかどうかはわかりませんので、不適切です。
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02
③が解答となります。
1 .A営業所においては、運行管理者は、昼間のみの勤務体制となっている。このため、運行管理者が不在となる時間帯の点呼が当該営業所における点呼の総回数の7割を超えていることから、その時間帯における点呼については、事業者が選任した複数の運行管理者の補助者に実施させている。しかしながら、運行管理者は、点呼を実施した当該補助者に対し、当該点呼の実施内容の報告を求める等十分な指導及び監督を行っている。
→青字部分に誤りがあります。
【点呼】については運行管理者と補助者で行うことができます。
ただし、回数には制限があります。
・運行管理者が行う点呼の回数は点呼の総回数の
「少なくとも3分の1以上」とされています。
運行管理者 = 最低3分の1以上(約30%)
補助者 = 3分の2まで(約60%)
これらにより「運行管理者が不在時における点呼が総回数の
7割を超えている」という状況では正しい点呼の管理とはいえません。
2 .いわゆるGマークの認定を受けていないA営業所の運行管理者は、所属する運転者が遠隔地にある自社のB営業所から運行を開始する場合は、当該運転者が所属していないB営業所の運行管理者に点呼を実施させている。その際、当該B営業所に備えられたアルコール検知器( 国土交通大臣が告示で定めたもの。)を使用した酒気帯びの有無の確認など所定の事項をB営業所の運行管理者が実施し、その結果を、A営業所の運行管理者に連絡している。このため、連絡を受けたA営業所の運行管理者は、当該運転者から直接の報告をさせることなく点呼を実施したこととしている。
→青字部分に誤りがあります。
点呼は原則として「所属する営業所において対面で行う」ことと
されています。
運行上の都合により「遠隔地で乗務の開始・終了」が行われる場合は、
所属する営業所が電話その他の方法により点呼を行います。
3 .乗務前の点呼において運転者の健康状態を的確に確認することができるようにするため、健康診断の結果等から異常の所見がある運転者又は就業上の措置を講じた運転者が一目で分かるように、個人のプライバシーに配慮しながら点呼記録表の運転者の氏名の横にマークを付与するなどして、これを点呼において活用している。
→正しいです。
運転者の健康状態を把握しておくことは運行管理者に求められる
重要なポイントとなります。
そのためには、健康診断であったりコミュニケーションの中で
得られた情報を共有しておく必要があります。
ただし、健康状態や身体的な事のためプライバシーに配慮したうえで
行うことも大切となります。
4 .以前に自社の運転者が自動車運転免許証の停止の処分を受けているにも拘わらず、業務中の事業用自動車を運転していた事案が発覚したことがあったため、運行管理規程に乗務前の点呼における実施事項として、自動車運転免許証の提示及び確認について明記した。運行管理者は、その後の乗務前の点呼の際は、法令によるもののほか、運転者全員に対し、事前に提出させた各自の自動車運転免許証のコピーによる確認を行い、その再発防止を図っている。
→青字部分に誤りがあります。
運転免許証の提示は法令としての定めではありませんので、
義務には含まれませんが
運行管理規定(いわゆる社内規定・社内ルール)の中で定めることは有効
とされています。
ただし、提示するのがコピーである場合に起こりうるトラブルとして
・コピーは持っているが原本を忘れて「免許不携帯」の状態で
運転してしまった。
・更新を忘れてしまい有効期限が切れていたが、
コピーを確認したため気づくことができなかった。
・運転者の何らかの事情により、免許証が使用できない状態であったが
コピーを会社に提出することで運行管理者側が実態を把握できなかった。
これらのようなことが考えられるため、確認する場合は原本の提示が
必要となります。
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03
点呼に関する問題は暗記ではなくストーリー立てて覚えておくとよいかと思います。
誤りです。
運行管理者は点呼総回数の3分の1を行わなければなりません。
選択肢の記述ですと総回数の7割とあることから3分の1を超えていることがわかります。
よって、この記述は不適切であるといえます。
誤りです。
Gマークの認定を受けていないことから、A営業所はIT点呼の認可を受けていないことがわかります。
A営業所に所属する運転者は遠隔地B営業所においてB営業所の点呼を受けるとともに
所属するA営業所の電話点呼を受けることが義務付けられています。
よって運転者から直接の報告を受けていないA営業所の運行管理者の行動は不適切といえます。
正しい。
健康起因による事故の増加への対応として適切といえます。
誤りです。
自動車運転免許証のコピーとある部分が不適切です。
なぜならば、コピーだと改竄される可能性もあるからです。
免許停止の記述を消したり、有効期限を改竄することもできます。
よって、提出させるのはコピーではなく実物である必要があります。
点呼の現場を想像しながら考えると
解答を暗記していなくともなんとかなりそうです。
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