運行管理者(貨物)の過去問
令和2年度 第1回
実務上の知識及び能力 問33

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問題

令和2年度 第1回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
  • 車長が長い自動車は、①内輪差が大きく、左折時に左側方のバイクや歩行者を巻き込んでしまう、②狭い道路への左折時には、車体がふくらみ、センターラインをはみ出してしまう、③右折時には、車体後部のオーバーハング部が隣接する車線へはみ出して車体後部が後続車に接触する、などの事故の要因となり得る危険性を有していることを運転者に対し指導している。
  • 鉄道車両など関係法令の制限を超えた積載物を運搬する場合は、関係当局から発行された許可証を携行するとともに、許可の際に付された通行経路・通行時間等の条件を遵守し、運送するよう指導している。また、運行前には、必ず、通行経路の事前情報を入手し、許可された経路の道路状況を確認するよう指導している。
  • 国土交通大臣が認定する適性診断(以下「適性診断」という。)を受診した運転者の診断結果において、「感情の安定性」の項目で、「すぐかっとなるなどの衝動的な傾向」との判定が出た。適性診断は、性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転業務に適さない者を選任しないようにするためのものであるため、運行管理者は、当該運転者は運転業務に適さないと判断し、他の業務へ配置替えを行った。
  • 飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばチューハイ 350ミリリットル(アルコール 7 %)の場合、概ね 2 時間とされている。事業者は、これらを参考に、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導している。

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この過去問の解説 (3件)

01

①適切な指導です。

 トラックなどの車体が長い貨物は左折時の内輪差による巻き込み事故などが多く上げられます。車格が大きくなるほど、事故の危険が高まりますので、事故の回避にはミラーでの目視なども有効となりますので、運転時の危険性として教育をします。

②適切な指導です。

 分割できない貨物などが対象ですが、警察署長より許可が降りた範囲での制限・運転をすることができます。(制限外許可)

 この時に発行される制限外許可証は必ず携帯しなければなりません。

③誤りです。

 運転適性検査は運転に適さない運転手を探すものではありません。

 個人の性格や年齢による能力を認識させ、より安全の意識を高めてもらう為に行うものでもあります。

④誤りです。

 飲酒に伴う危険を周知することは大切ですが、チューハイ(アルコール7%)では体内で処理されるために概ね4時間程度かかります。

 これは男女差・お酒に対する耐性などでも個人差がありますが、飲酒に伴う罰則も非常に厳しくなっていることを伝えます。 

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02

正解は以下のとおりです。

選択肢1. 車長が長い自動車は、①内輪差が大きく、左折時に左側方のバイクや歩行者を巻き込んでしまう、②狭い道路への左折時には、車体がふくらみ、センターラインをはみ出してしまう、③右折時には、車体後部のオーバーハング部が隣接する車線へはみ出して車体後部が後続車に接触する、などの事故の要因となり得る危険性を有していることを運転者に対し指導している。

正しい

車体が長い車両は、重量も重く、事故の要因となり得る危険性をはらんでいます。

特に、内輪差や車両のふくらみ、車線はみ出しなどに注意が必要です

他にも、ブレーキから停車までの時間、車幅や車高にも通行する道路により指導すべき場合があります。

選択肢2. 鉄道車両など関係法令の制限を超えた積載物を運搬する場合は、関係当局から発行された許可証を携行するとともに、許可の際に付された通行経路・通行時間等の条件を遵守し、運送するよう指導している。また、運行前には、必ず、通行経路の事前情報を入手し、許可された経路の道路状況を確認するよう指導している。

正しい

分割することで強度や精度が保てなくなってしまう、基準を超えた大きさや重量のある物(新幹線や橋梁物)については、国や都道府県などの道路管理者や警察への制限外許可を受け、条件のもと、通行することができます。

選択肢3. 国土交通大臣が認定する適性診断(以下「適性診断」という。)を受診した運転者の診断結果において、「感情の安定性」の項目で、「すぐかっとなるなどの衝動的な傾向」との判定が出た。適性診断は、性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転業務に適さない者を選任しないようにするためのものであるため、運行管理者は、当該運転者は運転業務に適さないと判断し、他の業務へ配置替えを行った。

誤り

運転者への適性診断は、運転に対するクセや性格的判断、年齢による傾向を測定により見出し、今後の運転時の注意点やアドバイスをし、運転者自身がそれを自覚し安全意識を高めるためのものです。

選択肢4. 飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばチューハイ 350ミリリットル(アルコール 7 %)の場合、概ね 2 時間とされている。事業者は、これらを参考に、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導している。

誤り

飲酒のよる、体内のアルコール処理に必要な時間は、

チューハイ 350㎖(アルコール7%) 4時間とされています。

ただ、体質や体格、年齢などにより個人差があります。

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03

適切なものを「すべて」選ぶ問題ではありますが

ポイントを覚えておくことで選択肢を絞ることが出来ます。

選択肢1. 車長が長い自動車は、①内輪差が大きく、左折時に左側方のバイクや歩行者を巻き込んでしまう、②狭い道路への左折時には、車体がふくらみ、センターラインをはみ出してしまう、③右折時には、車体後部のオーバーハング部が隣接する車線へはみ出して車体後部が後続車に接触する、などの事故の要因となり得る危険性を有していることを運転者に対し指導している。

適切です。

大型自動車は内輪差により左側方のバイクや歩行者の巻き込み

左折時の車体のふくらみによるセンターラインのはみ出し

右左折時のオーバーハング(荷台後部が後輪を軸に回転運動すること)による横の車両との接触

などの危険性があります。

選択肢2. 鉄道車両など関係法令の制限を超えた積載物を運搬する場合は、関係当局から発行された許可証を携行するとともに、許可の際に付された通行経路・通行時間等の条件を遵守し、運送するよう指導している。また、運行前には、必ず、通行経路の事前情報を入手し、許可された経路の道路状況を確認するよう指導している。

適切です。

全長12メートル 全幅2.5メートル 全高3.8メートルを超える車両が道路を通行するには

道路管理者による特殊車両通行許可が必要となります。

許可証により通行経路・通行時間等の条件が付けられますのでそれに従わなければなりません。

選択肢3. 国土交通大臣が認定する適性診断(以下「適性診断」という。)を受診した運転者の診断結果において、「感情の安定性」の項目で、「すぐかっとなるなどの衝動的な傾向」との判定が出た。適性診断は、性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転業務に適さない者を選任しないようにするためのものであるため、運行管理者は、当該運転者は運転業務に適さないと判断し、他の業務へ配置替えを行った。

誤りです。

適性検査は運転業務に適さないものを選任しないようにするためのものではありません。

選択肢4. 飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばチューハイ 350ミリリットル(アルコール 7 %)の場合、概ね 2 時間とされている。事業者は、これらを参考に、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導している。

誤りです。

例えばチューハイ 350ミリリットル(アルコール 7 %)の場合、概ね 2 時間とされている。

正しくアルコールを処理するまでに要する時間は概ね4時間です。

まとめ

適性検査の活用方法やアルコールの分解時間。

さらっと読むと読み飛ばしてしまいそうになります。

要注意ですが慣れてしまえばサービス問題となるのではないでしょうか。

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