運行管理者（貨物）の過去問
令和2年度 第2回
労働基準法関係 問33

④が解答となります。

☆拘束時間の定義

　１日　＝　13時間以内（原則）

　　　　　　16時間（延長した最大限）

　　　　　　15時間（１週間に２回まで）　となります。　

★拘束時間の計算

　始業開始から24時間までを１日とします。

　また、翌日の勤務開始が前日の勤務開始より24時間以内に始まっている

　場合は、その分の時間も拘束時間と含めます。

　つまり…

　・月曜日の拘束時間

　　→21：00 - 7：00　＝　14時間

　・火曜日の5：00 -7：00　＝　２時間

　　※前日は７時から始まっているため、火曜日の５時～７時までの

　　　２時間は月曜日の拘束時間に含めます。　

　　合計　＝　16時間（月曜日の拘束時間）となります。　

上記の考え方を基に、各曜日の拘束時間をまとめます。

月曜日　＝　16時間

火曜日　＝　15時間（20時-５時）

水曜日　＝　17時間（22時 -８時）+（木曜：５時 -８時）

木曜日　＝　16時間（21時 -５時）

金曜日　＝　15時間（21時 -６時）

☆休息時間の定義

　勤務終了から次の勤務までの時間

　睡眠や私生活など、自由に使うことができる時間となります。

　休息時間は連続８時間以上必要となります。　

　各日の休息時間をまとめます

月曜日　＝　８時間

火曜日　＝　12時間

水曜日　＝　７時間

木曜日　＝　９時間

金曜日　＝　土曜日は休日の為、省略

以上より、各選択肢を見ていきます。

1 .1日についての拘束時間が改善基準告示に定める最大拘束時間に違反する勤務がある。

→正しいです。

　水曜日の拘束時間が17時間となっているため、改善基準告知に違反します。　

2 .勤務終了後の休息期間が改善基準告示に違反するものがある。

→正しいです。

　水曜日の休息時間が７時間である為、改善基準告示に違反します。　

3 .1日についての拘束時間が15時間を超えることができる1週間についての回数は、改善基準告示に違反している。

→正しいです。

　15時間を超える日が３日ありますので、改善基準告示に違反しています。

4 .木曜日に始まる勤務の1日についての拘束時間は、この1週間の勤務の中で1日についての拘束時間が最も長い。

→誤りです。

　木曜日の拘束時間　＝16時間

　水曜日の拘束時間　＝17時間　　の為、誤りとなります。　

1.正

　水曜日の拘束時間が17時間のため、改善基準告示違反となります。

2.正

　水曜日の休息時間が7時間のため、改善基準告示違反となります。

3.正

　月曜日が16時間、水曜日が17時間、木曜日が16時間と1週間に3回15時間を超えているため、改善基準告示違反となります。

4.誤

　水曜日が17時間が最も長い拘束時間です。

《詳細解説》

　拘束時間とは、始業から終業までの時間で、労働時間と休憩時間の合計時間であり、休息時間とは、勤務と次の勤務の間で睡眠時間を含む労働者の労働者の生活時間としての自由な時間です。

　1日(始業時間から起算した24時間)の拘束時間は13時間以内を原則ですが、延長する場合は、最大16時間が限度(15時間を超える回数は1週間につき2回が限度)となります。また、1日の休息期間は継続8時間以上が必要です。

　つまり、1日(24時間)=拘束時間(16時間以内)+休息期間(8時間以上)となります。これらの内容を、問題文と照らし合わせると、

月→拘束時間:16時間=14時間(7時～21時)+2時間(翌5時～7時⇒火とダブルカウント)

　　休息時間:8時間(21時～翌5時)

火→拘束時間:15時間(5時～20時)

　　休息時間:12時間(20時～翌8時)　

水→拘束時間:17時間=14時間(8時～22時)+3時間(翌5時～8時⇒木とダブルカウント)

　　休息時間:7時間(22時～翌5時)

木→拘束時間:16時間(5時～21時)

　　休息時間:9時間(21時～翌6時)

金→拘束時間:15時間(6時～21時)

と、なります。

「木曜日に始まる勤務の1日についての拘束時間は、この1週間の勤務の中で1日についての拘束時間が最も長い。」が誤りです。