運行管理者(貨物) 過去問
令和5年度 CBT
問8 (貨物自動車運送事業法関係 問8)

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問題

運行管理者(貨物)試験 令和5年度 CBT 問8(貨物自動車運送事業法関係 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

次の自動車事故に関する記述のうち、一般貨物自動車運送事業者が自動車事故報告規則に基づき運輸支局長等に速報を要するものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
  • 事業用自動車が交差点に停車していた自家用貨物自動車に気づくのが遅れ、当該事業用自動車がこの自家用貨物自動車に追突し、さらに後続の自家用乗用自動車が当該事業用自動車に追突する事故となり、この事故により当該事業用自動車の運転者1人が重傷、追突された自家用貨物自動車の運転者1人及び後続の自家用乗用自動車に乗車していた4人が軽傷を負った。
  • 事業用自動車が高速自動車国道法に定める高速自動車国道において、路肩に停車中の車両に追突したため、後続車6台が衝突する多重事故が発生し、この事故により6人が重傷、4人が軽傷を負った。
  • 事業用自動車の運転者が、ハンドル操作を誤り道路のガードレールに接触する事故を起こし、軽傷を負った。事故処理を担当した警察官が当該運転者への事情聴取中に酒臭さを感じたため呼気検査を実施したところ、道路交通法の規定に違反する酒気帯び運転をしていたことが発覚した。
  • 事業用自動車が走行中、鉄道施設である高架橋の下を通過しようとしたところ、積載していた建設用機械の側部が橋脚に衝突し、当該橋脚を損傷させた。鉄道施設の安全確認作業の影響で、3時間にわたり本線において鉄道車両の運転を休止させた。

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この過去問の解説 (2件)

01

正しいのは、

高速道路で停車車両に追突し、6人が重傷・4人が軽傷になった多重事故

ガードレール接触後に酒気帯び運転が発覚した事故
の2件です。
速報が必要になる基準は、主に「5人以上の重傷者」「10人以上の負傷者」「酒気帯び運転を伴う事故」などに該当するかどうかです。​
 

選択肢1. 事業用自動車が交差点に停車していた自家用貨物自動車に気づくのが遅れ、当該事業用自動車がこの自家用貨物自動車に追突し、さらに後続の自家用乗用自動車が当該事業用自動車に追突する事故となり、この事故により当該事業用自動車の運転者1人が重傷、追突された自家用貨物自動車の運転者1人及び後続の自家用乗用自動車に乗車していた4人が軽傷を負った。

重傷者は1人、負傷者総数は5人です。

速報基準の「5人以上の重傷者」や「10人以上の負傷者」に届きません。

速報は不要で、30日以内の事故報告書提出のみが必要になります。

選択肢2. 事業用自動車が高速自動車国道法に定める高速自動車国道において、路肩に停車中の車両に追突したため、後続車6台が衝突する多重事故が発生し、この事故により6人が重傷、4人が軽傷を負った。

重傷者が6人で、速報基準の「5人以上の重傷者」を超えています。

さらに負傷者は合計10人で「10人以上の負傷者」にも該当します。

速報対象です。発生から24時間以内に運輸支局長へ電話やFAXで概要を知らせ、その後に書面報告を行います。

選択肢3. 事業用自動車の運転者が、ハンドル操作を誤り道路のガードレールに接触する事故を起こし、軽傷を負った。事故処理を担当した警察官が当該運転者への事情聴取中に酒臭さを感じたため呼気検査を実施したところ、道路交通法の規定に違反する酒気帯び運転をしていたことが発覚した。

負傷者は運転者1人(軽傷)ですが、酒気帯び運転を伴う事故は速報基準に含まれます。

よって、この事故も速報対象です。​

選択肢4. 事業用自動車が走行中、鉄道施設である高架橋の下を通過しようとしたところ、積載していた建設用機械の側部が橋脚に衝突し、当該橋脚を損傷させた。鉄道施設の安全確認作業の影響で、3時間にわたり本線において鉄道車両の運転を休止させた。

鉄道施設を損傷し3時間以上運転を止めた場合は、事故報告(30日以内)の対象ですが、速報基準には入っていません。

速報は不要で、所定の事故報告書を提出します。​

 

まとめ

速報が求められるかどうかは、けが人の人数や酒気帯びの有無といった「重大性の指標」で判断します。

今回は 5人以上の重傷者10人以上の負傷者酒気帯び運転 のいずれかに該当する2件だけが対象でした。

事故を起こしたときは、まず負傷者の状況と運転者の状態を確認し、基準に当てはまるかをすぐ判断できるようにしておくことが大切です。

 

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02

正解は以下の各選択肢の解説に記載した、

2つです。

 

『自動車事故報告規則』第4条(速報)

をまとめると、次のようになります。

 

【速報を要する事故】

①2人以上の死者を生じたもの

➁5人以上の重傷者を生じたもの

③10人以上の負傷者を生じたもの

④自動車に積載された危険物などの全部

若しくは一部が飛散し、または漏洩したもの

(転覆、転落、火災、又は鉄道車両、自動車等との

衝突・接触により生じたものに限る)

⑤酒気帯び運転によるもの

 

これらを踏まえて、各選択肢を見ていきます。

選択肢1. 事業用自動車が交差点に停車していた自家用貨物自動車に気づくのが遅れ、当該事業用自動車がこの自家用貨物自動車に追突し、さらに後続の自家用乗用自動車が当該事業用自動車に追突する事故となり、この事故により当該事業用自動車の運転者1人が重傷、追突された自家用貨物自動車の運転者1人及び後続の自家用乗用自動車に乗車していた4人が軽傷を負った。

誤った内容です。

 

本選択肢は、・重傷者1名・軽症者5名の事故です。

 

冒頭の解説➁より、重傷者は5名以上、

解説③より、軽症者は10名以上が、

速報の対象ですが、本選択肢の事故は

そのいずれにも該当しません。

選択肢2. 事業用自動車が高速自動車国道法に定める高速自動車国道において、路肩に停車中の車両に追突したため、後続車6台が衝突する多重事故が発生し、この事故により6人が重傷、4人が軽傷を負った。

正しい内容です。

 

本選択肢は、・車6台・重傷者6名・軽症者4名の事故です。

 

事故による車の台数は、速報には関係ありません。

冒頭の解説➁より、重傷者は5名以上が

速報対象なので、本選択肢の事故は

速報の対象となります。

 

※報告対象となる事故での車の台数は10台以上の衝突または接触です。

『自動車事故報告規則』第2条(定義)2項

 

選択肢3. 事業用自動車の運転者が、ハンドル操作を誤り道路のガードレールに接触する事故を起こし、軽傷を負った。事故処理を担当した警察官が当該運転者への事情聴取中に酒臭さを感じたため呼気検査を実施したところ、道路交通法の規定に違反する酒気帯び運転をしていたことが発覚した。

正しい内容です。

 

本選択肢の事故は、・酒気帯び運転が発覚しました。

 

冒頭の解説⑤より、本選択肢の事故は速報の対象となります。

 

選択肢4. 事業用自動車が走行中、鉄道施設である高架橋の下を通過しようとしたところ、積載していた建設用機械の側部が橋脚に衝突し、当該橋脚を損傷させた。鉄道施設の安全確認作業の影響で、3時間にわたり本線において鉄道車両の運転を休止させた。

誤った内容です。

 

本選択肢は、・積載していた機械が橋脚に衝突し、橋脚損傷、

・鉄道車両が3時間運休となった事故です。

 

これらは冒頭の解説のいずれにも該当しませんので、

本選択肢の事故は、速報対象ではありません。

まとめ

上記速報対象の事故が発生した場合、

①事故があった日から24時間以内に事故の概要を運輸監理部長又は運輸支局長に速報『自動車事故報告規則』第4条(速報)

➁事故があった日から30日以内に自動車事故報告書を3通提出『自動車事故報告規則』第3条(報告書の提出)

が必要となります。

 

これら時間や日数についても覚えておけるといいですね。

 

 

 

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