運行管理者(貨物) 過去問
令和5年度 CBT
問25 (道路交通法関係 問7)

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問題

運行管理者(貨物)試験 令和5年度 CBT 問25(道路交通法関係 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

道路交通法に定める運転者の遵守事項等についての次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
  • 車両等の運転者は、児童、幼児等の乗降のため、道路運送車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけて停車している通学通園バス(専ら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認しなければならない。
  • 自動車の運転者は、故障その他の理由により高速自動車国道等の本線車道等において当該自動車を運転することができなくなったときは、道路交通法施行令で定めるところにより、夜間以外の時間にあっても当該自動車が停止している場所がトンネルの中その他視界が100メートル以下である場所の場合は、夜間用停止表示器材を後方から進行してくる自動車の運転者が見やすい位置に置いて、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。
  • 運転免許(仮運転免許を除く。)を受けた者が自動車等の運転に関し、当該自動車等の交通による人の死傷があった場合において、道路交通法第72条第1項前段の規定(交通事故があったときは、直ちに自動車等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。)に違反したときは、その者が当該違反をしたときにおけるその者の住所地を管轄する都道府県公安委員会は、その者の運転免許を取り消すことができる。
  • 停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度を急に変更しなければならないこととなる場合にあっても、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

ここの問題は、『道路交通法』第71条、第75条、第103条、第31条

からの出題です。

 

選択肢1. 車両等の運転者は、児童、幼児等の乗降のため、道路運送車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけて停車している通学通園バス(専ら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認しなければならない。

正しい内容です。『道路交通法』第71条

(運転者の遵守事項)(2)の3

 

選択肢2. 自動車の運転者は、故障その他の理由により高速自動車国道等の本線車道等において当該自動車を運転することができなくなったときは、道路交通法施行令で定めるところにより、夜間以外の時間にあっても当該自動車が停止している場所がトンネルの中その他視界が100メートル以下である場所の場合は、夜間用停止表示器材を後方から進行してくる自動車の運転者が見やすい位置に置いて、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。

誤った内容です。

×「100メートル」➡ 〇「200メートル」

 

 

『道路交通法』第75条の11

(故障等の場合の措置)第1項

自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線、又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなったときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。

 

『施行令』第27条の6

(自動車を運転することができなくなった場合における表示の方法)

法第75条の11第1項の規定による表示は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める停止表示器材を、後方から進行してくる自動車の運転者が見やすい位置に置いて行うものとする。

(1)夜間 内閣府令で定める基準に適合する夜間停止表示器材

(2)夜間以外の時間 内閣府令で定める基準に適合する昼間用停止表示器材(当該自動車が停止している場合がトンネルの中その他視界が200メートル以下である場所であるときは、前号に定める夜間用停止表示器材)

選択肢3. 運転免許(仮運転免許を除く。)を受けた者が自動車等の運転に関し、当該自動車等の交通による人の死傷があった場合において、道路交通法第72条第1項前段の規定(交通事故があったときは、直ちに自動車等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。)に違反したときは、その者が当該違反をしたときにおけるその者の住所地を管轄する都道府県公安委員会は、その者の運転免許を取り消すことができる。

正しい内容です。『道路交通法』第103条第2項

 

免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、

その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時における

その者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の免許を取り消すことができる。

(5)

道路外致死傷で故意によるもの又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の

処罰に関する法律第二条から第四条までの罪に当たるものをしたとき。

選択肢4. 停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度を急に変更しなければならないこととなる場合にあっても、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。

誤った内容です。

×「急に変更しなければならないこととなる場合にあっても」

 ➡ 〇「急に変更しなければならないこととなる場合を除き、」

 

『道路交通法』第31条の2

(乗合自動車の発信の保護)

 

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02

道路交通法に関する総合的な知識を問われる問題であり、難易度が高いと言えます。ただし、確実に正誤を判断できる選択肢を消去法で選ぶことができればそれほど時間を掛けずに正解にたどり着けます。選択肢の文章を落ち着いて読み、学習した知識をフル活用して丁寧に仕分けをすることを意識しましょう。

 

選択肢1. 車両等の運転者は、児童、幼児等の乗降のため、道路運送車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけて停車している通学通園バス(専ら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認しなければならない。

正解です。通学通園バスを乗降する子供はまだ幼く、周囲の交通状況を十分に把握できないため、通学通園バスの陰から急に道路に飛び出す可能性があります。

 

車両等の運転者は交通事故を防ぐため、通学通園バスの側方を通過するためには安全運転(具体的には徐行)を心がける必要があります。

選択肢2. 自動車の運転者は、故障その他の理由により高速自動車国道等の本線車道等において当該自動車を運転することができなくなったときは、道路交通法施行令で定めるところにより、夜間以外の時間にあっても当該自動車が停止している場所がトンネルの中その他視界が100メートル以下である場所の場合は、夜間用停止表示器材を後方から進行してくる自動車の運転者が見やすい位置に置いて、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。

誤りです。選択肢中の「100メートル」が間違いです(「200メートル」が正しい)。

 

停止表示器材(一般的には”三角表示板”とも言われる)に関する問題は数字に関する部分の正誤が問われます。道路運送車両法の保安基準に関する知識でも同様の内容が問われますので重要な知識だと言えます。

選択肢3. 運転免許(仮運転免許を除く。)を受けた者が自動車等の運転に関し、当該自動車等の交通による人の死傷があった場合において、道路交通法第72条第1項前段の規定(交通事故があったときは、直ちに自動車等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。)に違反したときは、その者が当該違反をしたときにおけるその者の住所地を管轄する都道府県公安委員会は、その者の運転免許を取り消すことができる。

正解です。死傷事故を起こし、なおかつ救護義務違反が発生した状況(いわゆる「ひき逃げ」に該当)は非常に深刻な事態と言えます。

 

そのため、公安委員会は政令で定める基準に従い、上記状況を引き起こした者の運転免許の取り消しや6か月以内の免許の効力の停止などができるとされます。

選択肢4. 停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度を急に変更しなければならないこととなる場合にあっても、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。

誤りです。「その速度を急に変更しなければならないこととなる場合にあっても」ではなく、「その速度を急に変更しなければならないこととなる場合を除き」が本来の規定です。

 

道路交通法では乗合自動車(路線バスなど)の発進が保護されており、その後方にある車両は進路の変更を妨害してはなりませんが、一方で交通事故の発生を防ぐために例外規定が設けられています。

まとめ

道路交通法は「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資すること」を目的としています(道路交通法第1条)。”交通秩序の維持”を図るためにどのようなことが求められるか?という観点から学習を進めると様々な規定の趣旨が理解しやすくなります。

 

単に知識を丸暗記するのではなく、立法や行政の視点に立ったときに自分ならどういう規定を設けるのが望ましいかという視点でこれまでに学習した知識を振り返ってみると理解が深まると思います。

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