管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問132

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問132 (訂正依頼・報告はこちら)

52歳、男性。10年来の菜食主義者で、下肢のしびれ、知覚鈍麻、舌乳頭の萎縮、平均赤血球容積(MCV)が110 fL を示した。この症例で欠乏しているビタミンである。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • ビタミンB12
  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンD
  • ビタミンC

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です。

臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。

菜食主義者で欠乏に特に注意が必要なビタミンは、ビタミンB12です。また平均赤血球容積(MCV)が110fLを示したことから、大球性正色素性貧血が考えられます。大球性正色素性を呈する貧血はビタミンB12や葉酸の欠乏によって起こります。

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02

平均赤血球容積(MCV)が通常は83~93fℓに対し、110fℓであることから、大球性の赤血球が出現するビタミン欠乏の悪性貧血(巨赤芽球性貧血)が考えられます。悪性貧血の症状は、一般的な貧血の全体倦怠感などの症状に加え、舌炎、末梢神経障害、萎縮性胃炎のための消化器症状がみられます。

悪性貧血はビタミンB12欠乏による骨髄造血細胞の核酸合成障害によって起こります。ビタミンB12は、菜食主義者にみられるような摂取不足や吸収障害(胃術後や慢性萎縮性胃炎)、利用障害が原因で欠乏が起こります。

ビタミンB12は、レバーや魚介類などの動物性食品に多く含まれているので、菜食主義者では、不足が懸念されるので栄養補助食品やサプリメントなどでの補給も考えられます。

よって正解は、1. となります。

2. ビタミンAの欠乏では、夜盲症、眼球乾燥症、皮膚乾燥症、毛孔性角化症などがみられます。

3. ビタミンB1の欠乏では、脚気、循環器症状、神経筋症状、浮腫などがみられます。

4. ビタミンDの欠乏では、乳幼児ではくる病、成人では骨軟化症などがみられます。

5. ビタミンCの欠乏では、壊血病、色素沈着などがみられます。

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03

正解は 1 です。

平均赤血球容積(MCV)が110 fLと高い数値を出しているということは、巨赤芽球性貧血(大球性高色素性貧血)の状態です。ビタミンB12や葉酸の欠乏により、赤芽球の合成が阻害されて起こります。
この貧血の場合、神経症状を伴うことが多いため、下肢のしびれや知覚鈍麻が起きたと考えられます。
ビタミンB12はあさりやレバーなどに多く含まれており、植物性食品にはあまり含まれません。

2:ビタミンAの主な欠乏症は、夜盲症や皮膚・粘膜の角化(乾燥)などです。

3:ビタミンB1の主な欠乏症は、疲労感や脚気、ウェルニッケ・コルサコフ症候群(眼球運動麻痺や歩行運動失調などを伴うウェルニッケ脳症から、慢性化により健忘などを伴うコルサコフ症に発展したもの。)などです。

4:ビタミンDの主な欠乏症は、骨粗鬆症や骨軟化症(小児に起きるものはくる病という)などです。

5:ビタミンCの主な欠乏症は、壊血病です。

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