管理栄養士の過去問
第24回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問28

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問題

第24回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問28 (訂正依頼・報告はこちら)

代謝とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。
  • ホスホジエステラーゼは、ATPを基質としてcAMP (環状AMP)を合成する。
  • 脱共役たんぱく質(UCP)は、電子伝達とATP合成を脱共役させる。
  • アクアポリン(水チャンネル)は、ATPを加水分解する酵素である。
  • クエン酸回路には、基質と酵素分子との反応過程がある。
  • アンギオテンシン変換酵素は、アンギオテンシン Ⅰ をアンギオテンシノーゲンに変換する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.× アデニル酸シクラーゼは、ATPを基質として、cAMP(環状AMP)を合成します。
 アドレナリン、ノルアドレナリン、グルカゴンなどがGたんぱく質共役型受容体に統合すると、細胞膜にあるアデニル酸シクラーゼが活性化され、ATPからcAMPを作ります。
 ホスホジエステラーゼは、cAMPやcGMPの環状リン酸ジエステルを加水分解する酵素です。

2.○
 脱共役たんぱく質とは、ミトコンドリア内膜に存在する膜たんぱく質です。
 電子伝達のエネルギーをATP合成に変換する機構を共役と呼び、この共役を解除して熱エネルギーに変え、ATP合成を低下させることを脱共役と呼びます。
 電子伝達系で電子が移動する間に、ミトコンドリアマトリクスの水素イオンが膜間腔に輸送され、この水素イオンがATP合成酵素を通ってマトリクスに流れ込むときに発生するエネルギーによってATPが合成されます。
 脱共役たんぱく質は、膜間腔にある水素イオンをATP合成酵素を通さずにマトリクスに戻します。
 この時に発生するエネルギーは熱として放出されます。

3.× アクアポリン(水チャンネル)は、水を選択的に透過させる輸送たんぱく質です。
 細胞膜の水を通す水チャンネルをアクアポリンといい、イオンやプロトンは通過させず、水だけを選択的に通します。
 アクアポリンは、膜内外の物質の濃度勾配によって物質を透過させるので、エネルギーは必要がなく、ATPを加水分解しません。
 赤血球膜や腎臓の集合管細胞など多くの細胞でアクアポリンの発現が確認されています。

4.× 電子伝達系には、基質と酸素分子との反応過程があります。
 クエン酸回路には、基質と酸素分子の反応過程はありません。
 電子伝達の主要な経路は、NADH→フラビン→CoQ→シトクロームb-c1→c→aa3→酸素であり、基質の水素はこれらの電子伝達物質を次々と移動し、最終的に酸化されて水となります。
 よって、電子伝達系には、基質と酸素分子との反応過程はあります。

5.× アンギオテンシン変換酵素は、アンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換します。
 アンギオテンシンⅠは、肺血管内皮細胞などに存在するアンギオテンシン変換酵素(ACE)によって、アンギオテンシンⅡに変換されます。
 アンギオテンシンⅡは、強力な血管収縮作用を持ち、これによって血圧が急激に上昇し、腎血流量が増加します。
 更にアンギオテンシンⅡは、副腎皮質にも作用し、アルドステロンの分泌を促進させ、集合管でのナトリウム再吸収を増加させて、血圧が上昇します。
 アンギオテンシノーゲンは肝臓で産生され、傍糸球体装置から分泌されたレニンによって、アンギオテンシンⅠに変換されます。

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02

1.アデニル酸シクラーゼは、ATPを基質としてcAMP(環状AMP)を合成します。

2.電子伝達系で水素イオンがミトコンドリア内膜を通過する際、脱共役たんぱく質を介する経路があります。この脱共役たんぱく質は、電子伝達系で生じたエネルギーをATPの合成に使用せずに、熱として放出します。これにより、酸化的リン酸化は脱共役たんぱく質に阻害され、結果として、ATPの合成も阻害します。
よって、正しい答えとなります。

3.アクアポリン(水チャンネル)は、水を選択的に透過させる輸送たんぱく質です。

4.電子伝達系(酸化的リン酸化)には、基質と酸素分子との反応過程があります。

5.アンギオテンシン変換酵素は、アンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換します。

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03

1.ホスホジエステラーゼは、cAMPを分解します。

3.アクアポリンは水を通す細胞膜たんぱく質です。

4.クエン酸回路には、そのような反応過程は存在していません。

5.アンギオテンシン変換酵素は、アンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換します。

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