管理栄養士の過去問
第24回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問29
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問題
第24回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問29 (訂正依頼・報告はこちら)
糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。
- ぺントースリン酸回路は、ミトコンドリアに存在する。
- アセチルCoAは、リンゴ酸と反応してクエン酸回路に入る。
- インスリンは、骨格筋でグルコース輸送体(GLUT4)に作用する。
- 骨格筋では、グリコーゲンがグルコースに変換される。
- アセチルCoAは、糖新生の基質となる。
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この過去問の解説 (3件)
01
ペントースリン酸回路は、ATP産生には関与しませんが、グルコース6-リン酸(ヘキソースリン酸)から脱水素、脱炭酸を経て、五炭糖リン酸(ペントースリン酸)を生成します。
脱水素反応により生成したNADPH2(還元型NADP)は、ステロイド合成や脂肪酸合成などに水素を供給します。
2.× アセチルCoAは、オキサロ酢酸と反応してクエン酸回路に入ります。
アセチルCoAは、オキサロ酢酸と縮合してクエン酸を生じ、クエン酸回路で脱水素、脱炭酸、加水、脱水などの反応を経て、オキサロ酢酸に戻り、回路を一巡します。
リンゴ酸は、クエン酸回路でリンゴ酸デヒドロゲナーゼの作用によりオキサロ酢酸になります。
3.○
インスリンによる速やかなグルコースの取り込み亢進に関与するのは、骨格筋や脂肪組織に限局しているGLUT4です。
インスリン感受性グルコース輸送体であるGLUT4は、インスリンがインスリン受容体に結合すると、GLUT4が存在する細胞内小胞から細胞膜上に移動し、グルコースの取り込みを促進させ、血糖値を低下させます。
4.× 肝臓では、グリコーゲンがグルコースに変換されます。
グリコーゲンは肝臓や筋肉に貯蔵されますが、肝臓のグリコーゲンは血中グルコース濃度が低下すると、加リン酸分解によりグルコース6-リン酸となり、更にグルコース6-ホスファターゼによって加水分解されてグルコースとなって血糖として利用されます。
骨格筋にはグルコース6-ホスファターゼが存在しないため、筋グリコーゲンはグルコースに分解されず、筋収縮のエネルギー源としてのみ利用されます。
5.× アセチルCoAは、糖新生の基質となりません。
糖新生とは乳酸、グリセロール、アミノ酸(糖原性アミノ酸)などの糖質以外の物質からグルコースを生成する(脂肪酸からはグルコースは合成されない)代謝経路で、アセチルCoAは基質となりません。
アセチルCoAからは脂肪酸、ケトン体、コレステロールなどが合成されます。
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02
2.アセチルCoAは、オキサロ酢酸と反応してクエン酸回路に入ります。
3.グルコース輸送体(GLUT4)はグルコースを促進拡散させ、インスリンなどのホルモンや増殖因子で活性の調節を受けます。つまり、インスリンはGLUT4を細胞膜に転送することで活性化を行うということです。
よって、正しい答えとなります。
4.肝臓では、グリコーゲンがグルコースに変換されます。
5.アセチルCoAは、糖新生の基質とはなりません。
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03
2.アセチルCoAは、オキサロ酢酸と反応してクエン酸回路に入ります。
4.筋肉にはグルコース-6-ホスファターゼが存在しないのでグルコースは生成されません。
5.アセチルCoAは、糖新生の基質となりません。
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