管理栄養士の過去問
第24回
公衆栄養学 問161
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問題
第24回 管理栄養士国家試験 公衆栄養学 問161 (訂正依頼・報告はこちら)
疫学研究における食事摂取量の測定方法に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 膵臓がんの症例対照研究に、24時間思い出し法を用いた。
b 地域住民対象の前向きコホート研究に、半定量食物摂取頻度調査法を用いた。
c 若年女性を対象に野菜摂取を勧奨する介入研究で、秤量食事記録法を用いた。
d 成人の食塩摂取量を把握する横断研究で、血液中のナトリウム測定値を用いた。
a 膵臓がんの症例対照研究に、24時間思い出し法を用いた。
b 地域住民対象の前向きコホート研究に、半定量食物摂取頻度調査法を用いた。
c 若年女性を対象に野菜摂取を勧奨する介入研究で、秤量食事記録法を用いた。
d 成人の食塩摂取量を把握する横断研究で、血液中のナトリウム測定値を用いた。
- aとc
- aとb
- bとc
- aとd
- cとd
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この過去問の解説 (5件)
01
食事調査法には複数種類があります。
・食事記録法(秤量法、目安量法)
摂取した本人が自分で記入し、これを元に専門家が栄養素摂取量を計算します。
秤量法は重量を測定し記入、目安量法は目安量を記入します。
・24時間思い出し法
調査員が摂取した本人に遡って質問をします。これを元に専門家が栄養素摂取量を計算します。本人の負担は少ないですが、記憶に依存しやすいことがデメリットです。
・陰膳法
摂取した本人が実際に摂取した食事と同じものを準備し、科学分析する方法。
多くの手間と経費がかかるのがデメリットとなります。
・食物摂取頻度調査法
定めた食品の摂取頻度を、調査員が調査票を用いて質問し、これを元に専門家が栄養素摂取量を計算します。調査が簡単で、データ処理に要する時間と労力が少ないのがメリットです。
1.症例対象研究とは、疾病に罹患した集団と罹患していない集団を、特定の要因への曝露状況を調査する方法です。2つの集団を比較し、要因と疾病の関連を評価する研究手法です。
症例対象研究には後ろ向き研究ですので、記憶に依存しやすい24時間思い出し法は不向きです。
2.正しいです。地域住民と言う大きな集団が対象ですので、食物摂取頻度調査法が向いています。
3.正しいです。介入研究には、実際に食べた内容そのものの情報が得られやすい食事記録法が向いています。
4.食塩摂取量の把握には、尿中ナトリウムを測定する必要があります。
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02
・24時間思い出し法
長所‐ローコスト、比較的早く結果が出ます。
短所‐1日のみのデータであるため日間変動や個人内変動を評価できません。日常の食事摂取量の把握には向きません。
・食物摂取頻度調査
ある一定の期間に食品、料理を何回摂取したかを調査します。この摂取頻度のみ質問するのは定性的食物摂取頻度調査です。半定量食物摂取頻度調査というものもあり、目安量が設定されています。
長所‐対象者の記録が簡単で、数日間の食事記録法よりも日々の平均的な食事摂取量を知ることができます。
短所‐食品リストにない食品は結果に反映されない。
・秤量食事記録法
長所‐複数日の調査ができ、実施に秤量するので記入漏れが少ないです。
短所‐対象者の負担が大きく、対象者が限定されます。
【詳細説明】
a 24時間思い出し法は過去にさかのぼって調査する症例対照研究には使われません。
b ○
c ○
d 成人の食塩摂取量を把握する横断研究では、尿中のナトリウム測定値が使われます。
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03
・24時間思い出し法
前日の食事を思い出してもらって聞き取りをおこない、聞き取り内容から摂取量を推定する方法です。
・食物摂取頻度調査法
ある期間内にどれぐらいの量をどれくらいの頻度で食べたかを、面接か自記式で調査します。
代表的な食品ごとに、「牛乳は200mlの量を毎日の頻度で飲んでいる」といったように回答していくことになります。
・秤量食事記録法
対象者自身が、食品の量をはかって記録していきます。
国民健康・栄養調査でもこちらの方法が使われています。
a:症例対照研究とは、過去の曝露(例えばお酒を一定以上飲んでいるかどう)が今の疾病(すい臓がん)に影響しているか?といった研究のことです。
今すい臓がんにかかっている群(症例群)、そうでない群(対照群)についての過去の曝露(例えば飲酒)量を調査して因果関係があるかを研究することになります。
1日の食事内容で研究できる内容ではないため、前日に何を食べたか調査する24時間思い出し法は適切ではありません。
正解◎b:・コホート研究とは仮説として立てた因子の曝露群と非曝露群に集団を分けて追跡する研究のことです。
「地域住民対象」とあり、大人数の対象がいるため一人ひとりに食事を細かく聞き取るなどの方法は向いておらず、摂取頻度を記録してもらうこちらの方法が適切です。
正解◎c:介入研究とは、この問題で言えば野菜の摂取を推奨して介入することで、介入しなかったグループとくらべて野菜の摂取が有効であるということを検証する研究のことです。
このような場合には自身で食品の量をはかって記録していく秤量食事記録法が適しています。
d:横断研究は、コホート研究などのように追跡した研究ではなくある一定時点での関連を調べるものになります。
食塩摂取量を把握するときには血液中のナトリウム値では測ることはできず、尿中ナトリウム値で見る必要があります。
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04
食事調査にはいくつか種類があります。
・24時間思い出し法:
対象者に前日の食事内容を思い出してもらい、栄養士が摂取量を推定し、1日の摂取栄養量を算出する方法です。
・半定量食物摂取頻度調査法:
代表的な食品や食物をある一定期間内にどのくらいの量をどのくらいの頻度で食べたかを面接や自記式で調査し、食習慣や栄養素などの摂取状況を調査する方法です。一方、摂取量は調査せず、摂取頻度のみ質問しているものを定性的食物摂取頻度調査といいます。
・秤量食事記録法:
対象者が調理前もしくは喫食前の食品を秤や計量カップ・計量スプーンを用いて正確に計測し、食品成分表を用いて摂取栄養量を算出方法です。
a…症例対照研究は、対象とする疾病に罹患した人(症例群)としていない人(対象群)の両集団に対して、発症に関連しそうな要因の曝露状況を後ろ向きに調査し、比較する方法です。過去24時間の食事内容だけではデータが不足するため適切ではありません。
b…前向きコホート研究は、目的とする疾患に罹患していない対象に、仮説の因子に曝露した群と曝露しなかった群を設定して、両群を追跡調査し、疾病の発生状況を比較する研究です。半定量食物摂取頻度調査法は、大規模な調査で利用しやすく、前向きコホート研究に適します。
c…介入研究は、誰かが対象者に何らかの介入をし、その効果を介入群・非介入群に分けてみる研究のことです。若年女性を対象に野菜摂取を勧奨する介入研究においては、対象者自身が野菜の摂取量を正確に秤量できるため、適しています。
d…横断研究は、ある集団の個人を対象に、原因と結果を同時に測定し両者の関係性を検討する研究です。成人の食塩摂取量を把握するには、血液中ではなく尿中のナトリウム濃度を測定するため、間違いです。
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05
24時間思い出し法は、前日の食事を思い出し、栄養摂取量を推定する方法です。
過去に遡って考える症例対照研究には不向きです。
b. 前向きコホート研究では、ある現象が起こる可能性を持つ群と持たない群にわけ、今後、現象が起こる頻度を調査し、原因を考えようとする方法です。
食事摂取頻度調査法は、主要な食品や料理に関する摂取頻度を回答させ、栄養摂取量を推定する方法です。
この方法は、前向きコホート研究に向いています。
c. 介入研究とは、集団を2群以上にわけ、ある項目に対して積極的に介入し、従来の方法との比較を行います。
秤量食事記録法は、対象者自らが摂取した重量を測定し、記録する方法です。この方法は介入研究に向いています。
d. 食塩摂取量の推定には、尿中ナトリウム値を用います。
よって正解は、3.です。
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