管理栄養士の過去問
第32回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

加齢・疾患に伴う変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 細胞分裂を繰り返すと、テロメアは長くなる。
  • プログラム化された細胞死を、ネクローシスという。
  • 加齢に伴い、細胞内水分量は増加する。
  • 加齢に伴う臓器の萎縮を、廃用性萎縮という。
  • 脳血管疾患は、認知症の原因になる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は(5)

(1)誤り。
テロメアは【短く】なります。
テロメアは染色体を安定させるために必須であり、細胞分裂のたびに短くなっていきますので、寿命のようなものと考えてください。

(2)誤り。
プログラム化された細胞死はネクローシスではなく、【アポトーシス】です。

(3)誤り。
加齢に伴い、細胞内水分量は、【減少】していきます。

(4)誤り。
加齢に伴う臓器の萎縮を【生理的萎縮】と言います。
廃用性萎縮は、骨折時の固定などによって骨格筋が萎縮してしまう場合など、臓器などの長期間抑制や停止してしまった時に起こる萎縮です。

(5)正解。
脳血管疾患は、認知症の原因になります。

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02

正解は5です。

1.細胞分裂を繰り返すと、テロメアは短くなります。
細胞分裂とは、細胞が分かれて2個以上の新しい細胞になることをいいます。細胞の大半は分裂できる回数に限りがあり、分裂すると染色体の末端に位置するテロメア配列が少しずつ失われていきます。従って、細胞分裂を繰り返すごとに末端は短くなっていきます。

2.細胞死には、ネクローシスとアポトーシスの2種類があります。
ネクローシスは、栄養不足、毒物、外傷などの外的要因により起こる受動的細胞死です。
アポトーシスは、増殖制御機構としてプログラム化された能動的細胞死です。遺伝子によって制御されています。

3.加齢に伴い、基礎代謝量が低下し、細胞内の水分が少なくなります。また、水分を豊富に含む筋肉の減少や腎機能の低下(再吸収能力が衰え、腎臓から戻る水分が少なくなる)も、水分量減少の一因といえます。

4.加齢に伴う臓器の萎縮のことを、生理的萎縮といいます。
廃用性萎縮とは、寝たきりなど安静状態が長期に渡って続く事によって起こる、さまざまな心身機能の低下のことをいいます。

5.脳血管疾患によって発症する認知症のことを脳血管性認知症といいます。
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などで脳の細胞に酸素や栄養が送られなくなり、細胞が破壊され、本来の細胞機能を失うことで認知症が発症します。
脳血管性認知症は、認知症の原因となる病気として、アルツハイマー病の次に多いです。
アルツハイマー病によるものは、アルツハイマー型認知症といいます。

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03

正解.5
脳梗塞や脳出血・くも膜下出血などで、本来の細胞機能を失うことで認知症が発症します。

1.誤りです。
テロメアは、染色体末端粒子です。染色体の複製に伴う損傷を防ぎ、安全性を維持する働きをするので、細胞分裂のたびに少しずつ短くなります。

2.誤りです。
プログラム化された細胞死は、アポトーシスといいます。

3.誤りです。
加齢に伴い、細胞内水分量は減少します。水分は、細胞外液から失われますが、失われた分は細胞内液から随時補充されるので、特に細胞内液が減少します。

4.誤りです。
加齢に伴う臓器の萎縮を生理的萎縮といいます。

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