管理栄養士の過去問
第32回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問41

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

血液系疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 血友病は、ビタミンK欠乏により起きる。
  • 特発性血小板減少性紫斑病( ITP )では、骨髄の低形成がみられる。
  • 鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値は低下する。
  • 溶血性貧血では、血清ハプトグロビン値は上昇する。
  • 再生不良性貧血は、葉酸欠乏により起きる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は(3)

(1)誤り。
血友病は凝固因子の異常や欠乏により起こります。
ビタミンK欠乏によって起こるのは、新生児メレナなどです。

(2)誤り。
特発性血小板減少性紫斑症(ITP)は自己免疫疾患です。

(3)正解

(4)誤り。
溶血性貧血ではハクトグロビン値は【低値】を示します。

(5)誤り。
再生不良性貧血は造血幹細胞の減少により、赤血球、白血球、血小板が減少します。
なお、葉酸欠乏により起こるのは、巨赤芽球性貧血です。

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02

正解.3
フェリチンは、全ての細胞に存在する蛋白で、鉄を細胞内に貯蔵し、必要な場合に利用できるように調節されています。鉄が不足すると、貯蔵されたフェリチンが利用され、血清フェリチン値が低下します。体内は、鉄欠乏状態になるので、鉄欠乏性貧血になります。

1.誤りです。
血友病は、遺伝子の変異により血液凝固因子が不足する為、血が止まりにくくなる病気です。
2.誤りです。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、血小板に自己抗体ができた事で、血小板が破壊されて数が減少します。出血しやすくなり、皮膚に紫斑ができる病気です。
4.誤りです。
溶血性貧血は、赤血球が破壊される事で起こる貧血です。赤血球は、破壊されるとヘモグロビンが放出します。そして、ハプトグロビンはヘモグロビンと結びつく能力があります。溶血性貧血で、ハプトグロビンのヘモグロビン結合が多くなると、結合体が細胞内に取り込まれてしまい、ハプトグロビンは血管内から消失するので、血清ハプトグロビン値は低下します。
5.誤りです。
再生不良性貧血は、造血幹細胞がなんらかの原因で傷害されて発症します。血液中の白血球・赤血球・血小板など全てが十分産生されない為、息切れやめまいを起こしたり、感染症にかかりやすくなったり、止血作用も低下したりします。

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03

正解は3です。

1.血友病は、先天性血液凝固因子第Ⅷと先天性血液凝固因子第Ⅳの障害により起きます。
血液凝固因子の大半は肝臓で産生され、その時にビタミンKが必要です。

2.骨髄の低形成がみられるのは、再生不良性貧血です。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とは、血小板が減少し、出血症状を引き起こす国が指定する難病のひとつです。

3.フェリチンとは、すべての細胞に存在するたんぱく質のことで、主に肝臓の細胞の中に貯蔵しています。体内の鉄の約70%は赤血球中のヘモグロビン、約30%がフェリチン(貯蔵鉄)です。ヘモグロビンが不足するとフェリチンが代役として使われます。

4.溶血性貧血では、血清ハプトグロビン値は低下します。同時にビリルビン高値、LDH高値となります。

5.葉酸欠乏により起きる貧血は、悪性貧血です。
葉酸の他に、ビタミンB12の欠乏も引き起こす要因のひとつです。
赤血球に成熟する前段階の赤芽球が増殖障害により巨大化した巨赤芽球が骨髄に認められるため、巨赤芽球性貧血とも呼ばれます。

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