管理栄養士の過去問
第32回
食べ物と健康 問51
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問題
第32回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問51 (訂正依頼・報告はこちら)
ペクチンに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- こんぶの主な多糖類である。
- 主な構成糖は、グルクロン酸である。
- 果実の成熟とともに不溶化する。
- 低メトキシルペクチンは、カルシウムイオンの存在下でゲル化する。
- ペクチン分解酵素は、果汁の苦味除去に利用されている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.昆布には、海藻にしか存在しない特有の粘質多糖類(アルギン酸、フコイダン)が含まれています。アルギン酸は血圧降下作用、フコイダンは血栓やがんの予防に効果があるといわれています。その他に、不溶性の多糖類(セルロース)も含まれています。
2.ペクチンの主な構成糖は、ガラクツロン酸です。
グルクロン酸は、ムコ多糖類の主要な構成成分です。
3.ペクチンは果実の成熟とともに可溶化します。
4.低メトキシルペクチンは、糖度やpHに関係なくカルシウムイオンやマグネシウムイオンの存在でゲル化します。
5.ペクチン分解酵素は(ペクチナーゼ)は、果汁の清澄化に用いられます。果汁の苦味除去に用いられるのは、ナリンキナーゼです。
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02
ペクチンをゲル化させるためには、糖分と酸が必要な高メトキシルペクチンと、陽イオンを加えるとゲル化する低メトキシルペクチンとがあります。カルシウムイオンは陽イオンなのでゲル化します。
1.誤りです。
こんぶの主な多糖類は、アルギン酸やフコイダンです。アルギン酸とフコイダンは、ぬめり成分です。アルギン酸は、腸内環境を整え、美肌効果があり、フコイダンは、抗がん作用・高血圧の改善・アレルギーを抑制するなどの効果があります。
2.誤りです。
ペクチンの主な構成糖は、ガラクツロン酸です。ガラクツロン酸とは、ガラクトースが酸化してヒドロキシメチル基がカルボキシル基に置き換わったものです。
3.誤りです。
ペクチンは、水溶性と不溶性の2種類があり、未熟な果実の中では不溶性の状態で多く存在しています。成熟とともに、水溶性に変化します。食品添加物である増粘安定剤・ゲル化剤として使用されます。
5.誤りです。
ペクチンは、粘性があるので果汁の濁りの原因になります。ペクチン分解酵素により、果汁が清澄化し、搾汁率が向上し、濾過時間も短縮します。果汁の苦味除去に利用されるのはナリンギナーゼです。
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03
(1)誤り。
ペクチンはガラクツロン酸がαー1.4結合した多糖類です。
(2)誤り。
主な構成糖は、ガラクツロン酸です。
(3)誤り。
成熟とともに【可溶化】します。
(4)正解。
(5)誤り。
ペクチン分解酵素(ペクチナーゼ)は果汁の清澄化や果物をやわらかくする働きがあります。
果汁の苦み成分除去に使用されるのは、ナリンキナーゼと呼ばれる成分です。
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