管理栄養士の過去問
第32回
食べ物と健康 問64

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問64 (訂正依頼・報告はこちら)

食品加工に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • ポリリン酸ナトリウムは、食肉のミオグロビンの色を固定化させる。
  • 水酸化カルシウムは、こんにゃくいものグルコマンナンを凝固させる。
  • 硫酸ナトリウムは、大豆のグリシニンを凝固させる。
  • 水酸化カリウムは、魚肉のアクトミオシンの調製に用いられる。
  • 塩化マグネシウムは、牛乳のκ-カゼインを部分分解する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(2)。

解説
(1) 食肉のミオグロビンの色は亜硝酸塩によって固定されます。
ポリリン酸ナトリウムは、変色防止、粘り気調整、変質防止などに使用されます。

(2) こんにゃくいものグルコマンナンは、水酸化カルシウムによって粘度の高いゾルになります。

(3) 大豆のグリシニンは、硫酸カルシウムや塩化マグネシウムが凝固剤として使用されます。
硫酸ナトリウムは、温泉の含有物として有名な物質です。

(4) 魚肉のアクトミオシンの調整は、塩や加熱によって行われます。
水酸化カルシウムは、こんにゃくいものグルコマンナンの凝固に用いられます。

(5) 牛乳のκ-カゼインを部分分解するのは、キモシン(レンニン)です。
塩化マグネシウムは、大豆たんぱく質の凝固剤として用いられます。

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02

食品加工に関する問題です。

選択肢1. ポリリン酸ナトリウムは、食肉のミオグロビンの色を固定化させる。

×

食品のミオグロビンの色を固定させるのはポリリン酸ナトリウムではなく、亜硝酸塩の作用です。

選択肢2. 水酸化カルシウムは、こんにゃくいものグルコマンナンを凝固させる。

水酸化カルシウムは、こんにゃくいものグルコマンナンを凝固させます。

選択肢3. 硫酸ナトリウムは、大豆のグリシニンを凝固させる。

×

大豆のグリシニンを凝固させるのは硫酸ナトリウムではなく、塩化マグネシウムの作用です。

選択肢4. 水酸化カリウムは、魚肉のアクトミオシンの調製に用いられる。

×

魚肉のアクトミオシンを調整するのは水酸化カルシウムではなく塩の作用です。

選択肢5. 塩化マグネシウムは、牛乳のκ-カゼインを部分分解する。

×

牛乳のカゼイン分解は塩化マグネシウムではなく、キモシンの作用です。

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03

正解は2

こんにゃくいもの塊茎の主成分であるグルコマンナンに石灰(水酸化カルシウム)などのアルカリを加えるとゲル化します。

1:× 食肉のミオグロビンの色を固定化させるためには亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)が用いられます。

3:× グリシニンは大豆に含まれるタンパク質のことです。グリシニンを凝固させるためには二価の金属イオン(塩化マグネシウムなど)が必要となるため、硫酸ナトリウムでは凝固させることはできません。他に凝固材としてグルコノデルタラクトンやすまし粉(硫酸カルシウムを含む)などがあります。

4:× 魚肉のアクトミオシンはアクチンとミオシンの重合体で、魚肉のpHが酸性になることで生成されます。

5:× κ-カゼインは牛乳に含まれるタンパク質であるため、塩化マグネシウムを加えても分解されません。タンパク質分解酵素のキモシン(レンニン)を牛乳に加えることでκ-カゼインが分解され、カゼインミセルが不安定になることで凝固する性質を用いてチーズが作られます。

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