管理栄養士の過去問
第32回
栄養教育論 問113

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 栄養教育論 問113 (訂正依頼・報告はこちら)

高校の水泳部監督から、部員全員の体組成を毎年モニタリングしているが、体格がよくならないと相談され、部員の体作りを目的とする栄養教育に初めて取り組むことになった。栄養教育の評価デザインとして、実現可能性と精度から、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 平均体格の水泳部員1名をモデルケースとして栄養教育プログラムを実施し、教育前後の体組成を比較する。
  • 水泳部員全員に栄養教育プログラムを実施し、教育前後の体組成を比較する。
  • 水泳部員全員に栄養教育プログラムを実施し、教育前後の体組成の変化量を、前年同期間の部員全員の変化量と比較する。
  • 水泳部員全員を、栄養教育を行うグループと行わないグループにランダムに分け、教育後にグループ間で体組成の変化量を比較する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「3」

1.(誤)対象者が1名であり、対照群も設定していないので、栄養教育の評価デザインとしては評価が低く、適切ではありません。

2.(誤)部員全員に対して教育を行っていますが、対照群を設定していないので、栄養教育の評価デザインとしての評価は、(3)と比べると低くなります。

3.(正)部員全員に対して教育を行い、対照群との比較を行っています。ランダム化比較ではありませんが、効果を出すことと、教育の評価を行うということ両面において効果的な方法であり、最も適切であると考えられます。

4.(誤)ランダム化比較試験を行っています。
栄養教育を行う介入群となにもしない対照群でわけることによって、栄養教育の評価を行う上での精度は高くなります。
しかし、部員の体作りを目的としていることを考えると”栄養教育を行わないグループ”を作るということは、目的と合致していないと考えられます。
よって、適切ではありません。

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02

正解は【3】です。

1.(誤)対象者が1名のため、実施可能性は高いが、栄養教育の評価デザインとしての精度は低いです。

2.(誤)教育前後の体組成の比較は、栄養教育プログラムの効果を評価するのに適していますが、水泳部全員と対照群が幅広いため、精度としては低くなります。

3.(正)前年の変化量と比較することで、栄養教育によって得られた効果を評価することができ、実行可能性と精度の両方とも高いと言えます。

4.(誤)ランダムに振り分けることをランダム化比較試験といい、栄養教育を行う介入群となにもしない対照群でわけることによって栄養教育の評価を行う研究方法になります。栄養教育の評価精度は高いですが、手間がかかる研究方法のため、実行可能性は低いと考えられます。

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03

正解:「3」

1:対象者が1名に限られるため実現可能性は高いですが、対照群がないため信頼性が低く、精度が高いとはいえません。

2:1よりは対象者が多いため信頼性は高いですが、対照群をおかない「前後比較デザイン(非実験的デザイン)」であるため、対照群を置く「3」より精度は低いといえます。

3:正解です。
無作為(ランダム)抽出はしないが対照群をおく「準実験的デザイン」であり実行可能性と精度の双方のバランスがとれた方法であるといえます。

4:無作為(ランダム)抽出を行い、対照群をおく「実験的デザイン」であり最も精度が高いとされる方法ですが実施に手間や時間がかかるため、他の選択肢と比較すると、実現可能性は低いといえます。

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