管理栄養士の過去問
第32回
臨床栄養学 問130
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問題
第32回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問130 (訂正依頼・報告はこちら)
肝硬変の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 腹水がある場合には、エネルギーの摂取量を制限する。
- 食道静脈瘤がある場合には、亜鉛の摂取量を制限する。
- 高アンモニア血症がある場合には、脂質の摂取量を制限する。
- 低血糖がある場合には、ラクツロースを投与する。
- フィッシャー比低下がある場合には、分枝アミノ酸を投与する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は【フィッシャー比低下がある場合には、分枝アミノ酸を投与する。】です。
肝硬変とは、慢性肝炎が進み、肝臓の細胞が線維という組織に置き換わり、肝臓が小さく硬くなった状態をいいます。
(誤)腹水がある場合、食塩の摂取量を制限する必要があります。(7g未満)
(誤)食道静脈瘤がある場合は、食道を傷つけるような刺激物は控える必要があります。
(誤)高アンモニア血症がある場合は、アンモニアの発生源となるタンパク質の摂取量を制限する必要があります。
(誤)低血糖がある場合は、グルコース(ブドウ糖)投与や砂糖を摂取するなどし、しばらく安静にする必要があります。
(正)フィッシャー比低下がある場合は、分枝アミノ酸(フィッシャー比を高めたアミノ酸輸液)を投与します。
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02
正解は「フィッシャー比低下がある場合には、分枝アミノ酸を投与する。」です。
(誤)腹水が発生している時には『塩分制限』を行います。
(誤)食道静脈瘤がある場合には、食道の怒張部分からの出血を防ぐため、刺激物の摂取を控えます。
(誤)高アンモニア血症がある場合には、たんぱく質の摂取量を制限します。
(誤)低血糖がある場合には、グルコースを投与します。
(正)正解です。肝機能の低下によって芳香族アミノ酸(AAA)の血中濃度が上昇し、分岐鎖アミノ酸(BCAA)がその分使用されることで、フィッシャー比(BCAA/AAA比)の低下がみられます。
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03
正解:「フィッシャー比低下がある場合には、分枝アミノ酸を投与する。」
腹水が生じている場合、門脈圧の低下を図るため、塩分制限を行います。
食道静脈瘤がみられる場合、刺激物を避け、食道に損傷を与えないようにします。
出血した場合は経静脈栄養の適用となるのが一般的です。
高アンモニア血症の場合、通常タンパク質の摂取量を制限します。
肝機能が低下すると糖新生が起こりやすくなり、空腹時に低血糖状態となる場合があるため、間食や分割食を行います。
その際は吸収の早いグルコースを用いることが望ましいです。
正解です。
肝機能の低下により、肝で代謝される芳香族アミノ酸(AAA)の血中濃度が上昇し、肝で代謝されない分岐鎖アミノ酸(BCAA)の血中濃度が低下することで、フィッシャー比(BCAA/AAA比)の低下がみられます。
この場合、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の豊富な栄養製剤を利用します。
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