管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問52
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の三次機能により期待される作用に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 食品の胃内滞留時間の短縮により、食後血糖値の上昇を緩やかにする。
- α-グルコシダーゼの阻害により、インスリンの分泌を促進する。
- アンジオテンシン変換酵素の阻害により、アレルギー症状を緩和する。
- カルシウムの可溶化により、カルシウムの体内への吸収を促進する。
- エストロゲン様作用により、う歯の発生を抑制する。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
1.(誤)
食品の胃内滞留時間が延長される事によって、食後血糖値の上昇が緩やかになります。
2.(誤)
α-グルコシダーゼの阻害によって、二糖類が単糖類に分解され、吸収される事を阻害する事により血糖値の上昇を防ぎます。
α-グルコシダーゼの阻害によって、インスリンの分泌が促進される事は確認されていません。
3.(誤)
アンジオテンシン変換酵素の阻害によって、血圧を低下させます。
4.(正)
カルシウムの可溶化によって、カルシウムの体内への吸収を促進します。
5.(誤)
エストロゲン様作用(女性ホルモンに似た作用)によって、もたらされる代表的なものは、更年期症状の改善、抗酸化作用、骨粗鬆症の予防等が挙げられます。
参考になった数22
この解説の修正を提案する
02
2.α-グルコシダーゼはでんぷんなどの炭水化物を単糖であるグルコースに分解するときに働く酵素の一つです。よってα-グルコシダーゼを阻害するとグルコースへの分解が妨げられ糖の吸収を遅らせることができます。問題文のように、α-グルコシダーゼの阻害が直接インスリンの分泌に作用する訳ではありません。
3.アンギオテンシン変換酵素は、体内でアンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換する働きを持っています。酵素により変換されてできるアンギオテンシンⅡは、血管収縮作用や副腎皮質ホルモンであるアルドステロンの分泌を促進する作用をもっており、血圧の上昇に関わっています。よってアンギオテンシン変換酵素を阻害することにより、アンギオテンシンⅡの生成が抑制され、血圧の上昇を抑える効果が期待できます。
4.正解です。
5.エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、女性らしさを作るホルモンと言われています。このエストロゲンと同じような働きをすることをエストロゲン様作用といいます。エストロゲン様作用を示す代表的な成分として大豆などに含まれるイソフラボンが挙げられます。このエストロゲン様作用により、更年期の症状が軽減したり、骨形成の促進と骨吸収の抑制をすることが知られています。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
03
1:誤
食品は口に入ってから消化の過程で食道・胃・小腸・大腸・肛門を
通ります。胃では胃液によってたんぱく質や脂質が消化吸収され、
十二指腸・空腸・回腸で糖質・たんぱく質・脂質が消化分解されます。
食後の血糖値は食品の胃内滞留時間の影響を受けやすくなっています。
たんぱく質は糖質よりも胃内滞留時間が長く、脂質も胃の働きを抑制し
胃内滞留時間を長くします。
2:誤
α-グルコシダーゼは二糖類を単糖類に分解する酵素です。
この吸収を阻害することによって血糖値の上昇を抑えます。
3:誤
アンギオテンシン変換酵素の阻害により血圧の上昇が抑えられます。
「レニン・アンギオテンシン系」は血圧を調整する仕組みのひとつです。
血圧が低下すると腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるレニンによって
アンギオテンシノーゲンがアンギオテンシンⅠへと変化します。
アンギオテンシンⅠはアンギオテンシン変換酵素(ACE)によって
アンギオテンシンⅡへ変化します。
このアンギオテンシンⅡによって副腎皮質からアルドステロンが分泌され
尿細管でのナトリウム再吸収を促進し、水の再吸収が促進されることで
血圧が上昇します。
4:正
カルシウムは胃で可溶化されカルシウムイオンとなります。
イオン化されたカルシウムは腸管から吸収され、血液で運ばれます。
5:誤
エストロゲン(卵胞ホルモン)は卵巣から分泌されるホルモンで、
排卵を誘発する作用があります。
エストロゲンと似た働きをするエストロゲン様作用をもつものとして
イソフラボンが挙げられます。
イソフラボンは更年期症状を穏やかにしたり、
骨吸収を防いで骨形成を促進することによって骨の健康を維持したりする
働きがあります。
参考になった数3
この解説の修正を提案する
前の問題(問51)へ
第34回問題一覧
次の問題(問53)へ