管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問79

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問79 (訂正依頼・報告はこちら)

体水分に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 成人の体重当たりの体水分量は、女性に比べ男性の方が少ない。
  • 低張性脱水では、血圧が低下する。
  • 浮腫では、細胞間液(間質液)量が変化しない。
  • 血漿アルブミン濃度が低下すると、膠質浸透圧が上昇する。
  • バソプレシンは、尿細管での水の再吸収を抑制する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 2 です

1:誤
体内水分量は、男性で約6割、女性で5割を占めています。
幼児は約7割、高齢者は約5割と筋肉や脂肪量によって変わります。

2:正
低調性脱水は細胞外液のナトリウムが減少した状態で、
水分が細胞外から細胞内へ移ります。
血圧低下や下痢の症状がみられます。

3:誤
浮腫は細胞間液が増加した状態です。

4:誤
膠質浸透圧は、血漿アルブミン濃度の影響を受ける浸透圧です。
アルブミンは血管内で水分保持の役割があり、血管内と血管外における
水分の移動に関与しています。
血漿アルブミン濃度が低下すると膠質浸透圧は低下して浮腫が生じます。
低栄養では低アルブミン血症による浮腫が生じます。

5:誤
バソプレシンは視床下部で合成されて脳下垂体後葉から分泌される
抗利尿ホルモンです。
腎臓の尿細管における水の再吸収を促進し、血液中の水分を増やします。

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02

1.体重当たりの体水分量は、成人男性で60%程度、成人女性で55%程度と言われています。これは、一般的に女性の方が筋肉量が少なく、脂肪が多いためです。

体重当たりの体水分量は新生児が最も多く80%程度で、加齢に伴い減少し、高齢者では50%程度になります。


2.正解です。低張性脱水とは体内のナトリウムが多く失われ、水分は十分でも塩分が足りていない状態のことを指します。症状としては、低血圧、倦怠感、頭痛、吐き気、痙攣、徐脈などが現れます。


3.浮腫とは、細胞間液(間質液)量が増加した状態をいいます。


4.血漿アルブミン濃度が低下すると、膠質浸透圧は低下します。膠質浸透圧の低下により血管外に出た水分を血管内に引き込むことができなくなるため、浮腫が生じます。


5.バソプレシンは抗利尿ホルモンと呼ばれ、視床下部で合成されて脳下垂体より分泌されます。血液量が減少した時に働き、尿細管での水の再吸収を促進して血液量を増加させます。

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03

正答は(2)

1.(誤)
成人の体重当たりの体水分量は、女性に比べ男性の方が多いとされています。
女性に比べ男性の方が、体脂肪分が少ない傾向にある為であると言われています。

2.(正)
低張性脱水(主にナトリウムの欠乏がみられます。)では、血圧が低下します。

3.(誤)
浮腫とは、細胞間液(間質液)量が増加した状態の事です。

4.(誤)
血漿アルブミン濃度が低下すると、膠質浸透圧(循環系において、主としてアルブミンの濃度によって生じる血漿や間質液の浸透圧の事です。)も低下します。

5.(誤)
バソプレシンは抗利尿ホルモンとも呼ばれ、尿細管での水の再吸収を促進し、利尿を妨げる働きがあります。
また、血管を収縮させ、血圧を上げる効果もあります。

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