管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問83

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問83 (訂正依頼・報告はこちら)

栄養アセスメントに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 食事記録法による食事調査では、肥満度が高い者ほど過大申告しやすい。
  • 内臓脂肪面積は、肩甲骨下部皮下脂肪厚で評価する。
  • 上腕筋面積は、体重と上腕三頭筋皮下脂肪厚で算出する。
  • 尿中クレアチニン排泄量は、筋肉量を反映する。
  • 窒素出納が負の時は、体たんぱく質量が増加している。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 4 です

1:誤
食事記録法による食事調査では、肥満度が高いものほど過少申告しやすいです。

2:誤
内臓脂肪面積はウエスト周囲径で評価します。
メタボリックシンドロームの指標のひとつとして、
腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上という値が用いられています。
体脂肪率の算出に用いるのは肩甲骨下部皮下脂肪厚です。

3:誤
上腕筋面積は、上腕周囲長と上腕三頭筋皮下脂肪厚を用いて算出します。
上腕筋面積(cm2)={上腕周囲長(cm)-0.314×上腕三頭筋皮下脂肪厚(mm)}÷4π

4:正
クレアチニンは、骨格筋にあるクレアチンが代謝されることによって
尿中に排泄されたものです。
尿中クレアチニン排泄量は筋肉量を反映しています。

5:誤
窒素出納は一日の窒素摂取量と排泄量の収支を示し、
動的アセスメントのひとつとなっています。
健常な成人の場合は窒素平衡ですが、成長期や妊婦では正の窒素出納、
飢餓状態では負の窒素出納となります。

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02

正答は(4)

1.(誤)
食事記録法による食事調査では、肥満度が高い者ほど過大申告しやすい傾向にあります。
食事記録法とは、対象者が一定期間に摂取した食物、飲み物を食事ごとに記録用紙に記録する方法です。

2.(誤)
内臓脂肪面積は、CTで腹部(へそ回り)を撮影し評価する方法と、より簡便な腹囲の測定により推定する方法があります。

3.(誤)
上腕筋面積は、上腕周囲長と上腕三頭筋皮下脂肪厚より算出します。
計算式は以下の通りです。
上腕筋面積(cm2)={上腕周囲長(cm)-0.314×皮下脂肪厚(mm)}÷4π

4.(正)
尿中クレアチニン排泄量は、筋肉量を反映します。
尿中クレアチニン濃度と筋肉量は、相関関係にあると言われています。

5.(誤)
窒素出納が負の時は、体たんぱく質量が減少していると考えられます。
窒素出納とは、窒素の摂取量と排泄量の差を示したものです。
生体で利用される窒素のほとんどがたんぱく質に関連するものであるので、窒素出納を求める事によって、体たんぱく質の増減を推定する事が出来ます。

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03

1.食事記録法とは、一定期間に飲食したものを対象者自身に記録してもらう食事調査の方法です。他の食事調査と比較してより真の値に近い調査ができますが、対象者の負担が大きいというデメリットもあります。また、特に肥満者において過小申告をしやすい傾向にあります。


2.内臓脂肪面積はCT装置による断面写真から測定する方法が一番正確ですが、腹囲によって内臓脂肪がどの程度あるかを予想することができます。特定健康診査では、腹囲が男性で85㎝、女性で90㎝以上あると内臓脂肪の面積が100平方㎝以上に相当することからメタボリックシンドロームになりやすいとして、基準が定められています。

肩甲骨下部皮下脂肪厚は、上腕三頭筋皮下脂肪厚とともに身体密度を推定し、体脂肪率を算出する時に用いられます。


3.上腕筋面積は、上腕周囲長と上腕三頭筋皮下脂肪厚より算出します。まずは、上腕筋囲を以下の式により推定します。
上腕筋囲=上腕周囲長-(上腕三頭筋皮下脂肪厚×0.314)
推定した上腕筋囲を元に、上腕筋面積は以下の式で推定できます。
上腕筋面積=上腕筋囲÷4π


4.正解です。クレアチニンは筋肉の代謝産物であるため、腎機能に問題がなければ筋肉量が多い人ほど尿中に多く排泄されます。


5.窒素出納は摂取されたたんぱく質に含まれる窒素量から、排泄された窒素量を引いたものです。窒素出納が負の場合、摂取したたんぱく質よりも体内で分解され排出されたたんぱく質のほうが多いことを表すため、体たんぱく質量は減少していると考えられます。

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