管理栄養士の過去問
第34回
午後の部 問180
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問題
第34回 管理栄養士国家試験 午後の部 問180 (訂正依頼・報告はこちら)
K総合病院に勤務する管理栄養士である。外来患者の栄養食事指導を行っている。
患者は、70歳、男性。歩行時の呼吸困難感を主訴に来院した。精査の結果、中等度に進行したCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断された。食欲が低下し、この半年間で5 kgやせた。20歳から現在まで、40本/日の喫煙歴がある。
身長160 cm、標準体重56.3 kg、体重44 kg。空腹時血液検査値は、アルブミン3.7 g/dL、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL。基礎代謝量1,050 kcal/日、間接熱量計を用いて測定した安静時エネルギー消費量1,400 kcal/日。
患者の栄養アセスメントとして、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
患者は、70歳、男性。歩行時の呼吸困難感を主訴に来院した。精査の結果、中等度に進行したCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断された。食欲が低下し、この半年間で5 kgやせた。20歳から現在まで、40本/日の喫煙歴がある。
身長160 cm、標準体重56.3 kg、体重44 kg。空腹時血液検査値は、アルブミン3.7 g/dL、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL。基礎代謝量1,050 kcal/日、間接熱量計を用いて測定した安静時エネルギー消費量1,400 kcal/日。
患者の栄養アセスメントとして、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 上腕三頭筋皮下脂肪厚が高値である。
- 除脂肪体重が増加している。
- クワシオルコル型栄養障害である。
- マラスムス型栄養障害である。
- エネルギー代謝は亢進していない。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:誤
COPDでは呼吸時に多くのエネルギーを必要とするため、
痩せの症状がみられます。
上腕三頭筋皮下脂肪厚は体脂肪の評価に用いられますが、
患者の身長と体重を考慮すると高値であるとは考えにくいです。
したがって不適切です。
2:誤
筋肉量が減少するため、除脂肪体重は減少していると考えられます。
3:誤
クワシオルコルはたんぱく質の不足によって起こります。
血清Alb値が低下し、浮腫や腹部膨満、脂肪肝の症状がみられます。
小児の飢餓で起こる栄養障害であるため、不適切です。
4:正
COPDでは高頻度でマラスムス型栄養障害を認めます。
マラスムス型栄養障害ではエネルギー、たんぱく共に不足し、
著しい痩せがみられます。
血清Alb値は正常で、食欲も通常どおりみられます。
5:誤
COPDでは呼吸に要するエネルギー消費が増加するため、
エネルギー代謝は亢進しています。
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02
1.(誤)
上腕三頭筋皮下脂肪厚(体脂肪の評価)については、計測していないため不明ではあるが、患者の現在の栄養状態から高値であるとは考えにくいと判断されます。
2.(誤)
COPDでは、早期から除脂肪体重の減少がしばしば確認されます。
3.(誤)
クワシオルコル型栄養障害では、アルブミン値は低値を示します。
この患者のアルブミン値はクワシオルコル型栄養障害と判断されるほど低値を示していません。
4.(正)
COPDでは、慢性的な炎症によって筋肉組織が崩壊して、アミノ酸が血中に供給されるためアルブミン値が比較的保たれます。
この事から、身体に蓄積された実際のたんぱく質量は低下していると考えられます。
加えて、COPDによる呼吸時のエネルギー消費量の増加による、エネルギー不足も考えられます。
よって、マラスムス型栄養障害(タンパク質-エネルギー栄養障害)であると判断されます。
5.(誤)
COPDでは、エネルギー代謝は亢進します。
この患者の検査結果においても、エネルギー代謝の亢進が確認されています。
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03
2.安静時エネルギー消費量が増えているので、体重は減少します。
3番および4番
エネルギーの消費量が増えていること、食欲が低下していることから、体重は減少していて、エネルギーの欠乏であることが考えられます。
よって、クワシオルコル型ではなく、マラスムス型栄養障害です。
正しい答えは、4番です。
5.エネルギーの消費量は増えています。
つまり、代謝は亢進しています。
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