管理栄養士の過去問
第35回
午後の部 問178

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問題

第35回 管理栄養士国家試験 午後の部 問178 (訂正依頼・報告はこちら)

K介護老人保健施設に勤務する管理栄養士である。多職種で栄養管理を行い、栄養マネジメント加算を算定している。入所者は、85歳、男性。徐々に嚥下障害が進行し、誤嚥性肺炎も認められるようになり、3か月前から胃瘻で栄養管理が行われていた。「口から食べられるようになりたい」と本人の意向があり、医師の指示で言語聴覚士による嚥下訓練(間接訓練)が開始された。身長165cm、体重48kg、BMI17.6kg/m2、血圧90/48mmHg。空腹時血液検査値は、ヘモグロビン11.8g/dL、アルブミン3.7g/dL。
嚥下機能に合わせて、訓練用の食事形態の段階を上げてきた。3か月経った頃、少しむせるようになったので、言語聴覚士より、パン粥ぐらいの段階に戻してほしいと依頼があった。この依頼に合った料理である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • バナナペースト
  • 炒り卵
  • ふろふき大根
  • 茶碗蒸し(具無し)

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は1です。

日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013では、以下のように嚥下食が分類されています。

0j:均質で、付着性・凝集性・かたさに配慮したゼリーで、離水が少なく、スライス状にすくうことが可能なもの。

1j:均質で、付着性・凝集性・かたさ・離水に配慮したゼリー・プリン・ムース状のもの。

2-1:ピューレ・ペースト・ミキサー食など、均質でなめらかで、べたつかず、まとまりやすいもの スプーンですくって食べることが可能なもの。

2-2:ピューレ・ペースト・ミキサー食などで、べたつかず,まとまりやすいもので不均質なものも含む スプーンですくって食べることが可能なもの。

3:形はあるが,押しつぶしが容易,食塊 形成や移送が容易。咽頭でばらけず 嚥下しやすいように配慮されたもの。多量の離水がない。

4:かたさ・ばらけやすさ・貼りつきやすさなどのないもの。箸やスプーンで切れるやわらかさ。

パン粥は「2-2」に該当します。

1.(正)

バナナペーストも「2-2」に該当するので最も適しています。

2.(誤)

炒り卵は「3」に該当するので適していません。

3.(誤)

ふろふき大根は「4」に該当するので適していません。

4.(誤)

茶碗蒸しは「1j」に該当します。

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02

正答は(1)

日本摂食・嚥下リハビリテーション学会では、嚥下食を嚥下のレベルに分類しています。

0j:ゼリー
1j:ゼリー・プリン・ムース
2-1:ペーストやミキサー状で粒が全くなく、なめらかでさらさらしすぎないもの
2-2:ペーストやミキサー上でやわらかい粒を含むもの
3:やわらかく押しつぶして食べられ、口の中でまとまりやすいもの
4:箸で切れる柔らかさ

パン粥は「2-2」に該当します。

1.(正)
バナナペーストも「2-2」に該当します。

2.(誤)
炒り卵はボロボロしていてばらけやすいため、誤嚥の可能性が高まり危険なため、適していません。

3.(誤)
ふろふき大根は「4」に該当します。歯茎や舌ですりつぶす力のある方の食事です。

4.(誤)
茶碗蒸しは「1j」に該当します。

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03

正解は【1】です

嚥下調整食学会分類2021を、復習しましょう。

 0j 均質で、付着性・凝集性・かたさに配慮したゼリー

 0t 均質で、付着性・凝集性・かたさに配慮したとろみ水 

 1j 均質で、付着性・凝集性・かたさ、離水に配慮したゼリー、プリン、ムース状のもの

 2-1 ピューレ・ペースト・ミキサー食など、均質でなめらかで、べたつかず、まとまりやすいもの

 2-2 ピューレ・ペースト・ミキサー食など、均質でなめらかで、べたつかず、まとまりやすいもので不均質なものも含む

 3  形はあるが、押しつぶしが容易、咽頭でばらけず嚥下しやすいように配慮されたもの

 4  かたさ、ばらけやすさ、はりつきやすさなどのないもの 

1.

パン粥と同様なのは、ピューレ・ペースト・ミキサー食などの、均質でなめらかで、まとまりやすいものです。

2.×

炒り卵は、ぱさぱさしていて、パン粥よりも飲み込みにくいので不適切です。

3.×

ふろふき大根は、箸やスプーンで切れる柔らかさなので、パン粥くらいの段階ではありません。

4.×

茶碗蒸しなどは、パン粥よりも飲み込みやすいので、不適切です。

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