管理栄養士の過去問 第36回 午前の部 問24
この過去問の解説 (4件)
正答は【5】です。
1.×
ショックとは、臓器への酸素の供給量が低下し、生命を脅かす状態のことで、通常、血圧は「低下」します。
2.×
JCSは、「意識障害の指標」です。国際的に使用されている意識障害の指標は、開眼、言語反応、運動機能から意識障害の重症度を判定し、スコア化されたグラスゴー-コーマスケール(GCS)です。
3.×
チアノーゼは、皮膚が暗紫色に無得る状態で、口唇や口腔粘膜でよく確認されます。脱酸素化(デオキシ)ヘモグロビンの絶対量が「5g/100mL以上」になると出現します。
4.×
吐血は上部消化管(食道、胃、十二指腸)で起きた「消化管内」の出血が、口から吐き出されたものです。喀血が、呼吸器の損傷または疾患による口腔からの出血のことです。
5.〇
黄疸は、血液中のビリルビン濃度が「上昇」すると、皮膚が黄色くなることをいいます。吐血が亢進した場合も、血中遊離ビリルビン濃度が上昇し、黄疸となります。
✕1 .ショックでは、血圧が上昇している。
→誤りです。
ショックでは、血圧が低下しています。
一般的には収縮期血圧が90mmHg未満、または平均血圧
((収縮期血圧-拡張期血圧)÷3+拡張期血圧)が
60~65mmHg未満の場合にショック状態と診断します。
✕2 .JCS(Japan Coma Scale)は、呼吸機能の指標である。
→誤りです。
JCS(Japan Coma Scale)とは、
日本で主に使用される意識障害の深度分類です。
病院だけではなく、消防庁の救急隊もプレホスピタルケア(病院前救護)において
急病者の意識レベル評価に用いています。
✕3 .チアノーゼは、血中還元ヘモグロビン濃度が低下した時にみられる。
→誤りです。
チアノーゼは、血中還元ヘモグロビン濃度が上昇した時にみられます。
酸素と結合していない還元型ヘモグロビンの量が、
3〜5g/dL以上になるとチアノーゼが現れます。
✕4 .吐血は、気道からの出血である。
→誤りです。
吐血は、気道からの出血ではなく、消化管からの出血です。
吐血とは口から血を吐くことをいい、
食道・胃・十二指腸などの上部消化管から出血した場合に起こります。
〇5 .黄疸は、血中ビリルビン濃度の上昇による。
→正解です。
黄疸は、血中ビリルビン濃度の上昇によるものです。
黄疸(おうだん)とは、血液中のビリルビンという色素が増えて外見上、
黄色くなる状態です。
症候とは、病気による身体的精神的変化のことです。
各症候に関する問題をみていきましょう。
× ショックでは、血圧が低下します。
【ショック】
・臓器に向かう血流が減少して、酸素が行き届かなくなり、臓器不全になります。
・血圧が極度に低下し、臓器に損傷がおきます。
× JCS (Japan Coma Scale)とは、意識障害の指標です。
Japan:日本
Coma:昏睡、意識障害
Scale:尺度、医療現場では「指標」という意味合いが強い
JCSは、脳血管障害や頭部外傷の急性期に、誰でも同じように意識レベルを評価できることを目的に開発された指標です。
※二次性意識障害(肝性脳症、アルコール中毒など)遅延性意識障害は正確に評価することは難しいです。
× チアノーゼは、血中の酸素濃度が低下し、還元ヘモグロビンが増加した時にみられます。
還元ヘモグロビンとは、酸素と結合していないヘモグロビンのことです。
×
吐血は、上部消化管からの出血です。
嘔吐反射により血液を吐き出します。
喀血は、気管や気管支、肺など呼吸器系からの出血です。
咳などで血液を吐き出します。
〇 黄疸は、血中ビリルビン濃度が上昇することによる。
黄疸は、ビリルビンという黄色い色素が血液に増え皮膚や粘膜に沈着し、黄色くなることです。
ビリルビンは、赤血球が壊されて処理するときにできるものです。
ショック、チアノーゼ、吐血、黄疸などは、医療現場に勤務すると頻繁に聞く言葉です。
復習しておきましょう。
病気による身体的精神的変化のことを症候といいます。
それぞれの特徴について確認しておきましょう。
ショックでは、血圧が低下しています。
JCS(Japan Coma Scale)は、意識障害の指標です。
チアノーゼは、血中還元ヘモグロビン濃度が上昇(5 g/dl以上)した時にみられます。
吐血は、消化管からの出血です。
正解です。
病気による身体的精神的変化のことを症候といいます。
それぞれの特徴について確認しておきましょう。
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