管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問25

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

治療に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 自己血輸血は、緊急手術で行われる。
  • 自己血輸血では、GVHD(移植片対宿主病)がみられる。
  • 血液透析では、腹膜を用いる。
  • 白血球除去療法は、過敏性腸症候群の患者に行う。
  • LDL吸着療法(LDLアフェレーシス)は、家族性高コレステロール血症の患者に行う。

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この過去問の解説 (4件)

01

正答は【5】です。

1.×

自己血輸血は、手術の「前」に採血を行う必要があります。そのため、緊急手術では行われません。

2.×

GVHDは、自己血輸血ではみられません。移植されたドナー由来のリンパ球が、患者由来の臓器組織を異物として攻撃する反応のことなので、造血幹細胞の移植や、輸血の副作用として起こります。

3.×

腹膜を用いるのは、腹膜透析です。腹膜透析は、患者の腹腔内に透析液を注入し、腹膜を半透膜として用い体内で透析を行います。

4.×

白血球除去療法は、血液を特殊なカラムなどに通し、活性化した血球成分を除去した後に返血を行う方法です。「潰瘍性大腸炎やクローン病」の治療に用いられます。

5.

家族性高コレステロール血症の治療では、食事療法に加え、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)などによる薬物療法や、LDLが高値の場合は、LDL吸着療法が行われます。LDL吸着療法とは、体外装置を用いて血漿からLDLを除去し、浄化した血液を再度体内に戻す方法です。

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02

✕1 .自己血輸血は、緊急手術で行われる。

→誤りです。

自己血輸血は、緊急手術で行われません

自分の血液を保存しておき輸血する方法のため、

あらかじめ手術の予定がある患者に適用されます。

✕2 .自己血輸血では、GVHD(移植片対宿主病)がみられる。

→誤りです。

自己血輸血では、GVHD(移植片対宿主病)がみられません

  • GVHD(移植片対宿主病)とは、臓器提供した側のリンパ球が、
  • 移植を受ける側の体を他人と考えて攻撃する病気です。
  • 自己輸血の場合は起こりえません。

✕3 .血液透析では、腹膜を用いる。

→誤りです。

血液透析では、腹膜を用いません

血液透析では、血液を体内から外へ出して特殊な機械を通して

血液をきれいにし、再びきれいにした血液を体内に循環させます。

腹膜を使用し透析を行うのは腹膜透析です。

✕4 .白血球除去療法は、過敏性腸症候群の患者に行う。

→誤りです。

白血球除去療法は、過敏性腸症候群の患者に行われません

白血球除去療法は、炎症性腸疾患患者の治療として

認められている治療法ですが、過敏性腸症候群は炎症性疾患ではないため

白血球除去療法は適用されません。

〇5 .LDL吸着療法(LDLアフェレーシス)は、家族性高コレステロール血症の患者に行う。

→正解です。

LDL吸着療法(LDLアフェレーシス)は、家族性高コレステロール血症の患者に行います。

LDL吸着療法(LDLアフェレーシス)とは

血液透析のように血液を体の外に出し、

LDLのみを吸着するシステムを用いてLDL取り除く治療方法です。

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03

治療は、医師が患者の病気や怪我を治すことです。

問題をみていきましょう。

選択肢1. 自己血輸血は、緊急手術で行われる。

× 自己血輸血は、緊急手術で行われません。

自己血輸血は、手術前に自分の血液を採血、保存して、予定していた手術の出血時に使用する治療です。

選択肢2. 自己血輸血では、GVHD(移植片対宿主病)がみられる。

× 自己血輸血では、GVHD(移植片対宿主病)はみられません

【輸血後GVHD(移植片対宿主病)】

輸血用血液製剤が他人のものであるため、リンパ球が患者の組織を攻撃することによって起きる病態です。

選択肢3. 血液透析では、腹膜を用いる。

× 

透析には、血液透析と腹膜透析があります

血液透析は、ダイアライザーという血液透析の機械で血液をろ過します。

腹膜透析は、自分の腹膜を用いて血液をろ過します。 

血液透析は、腕の血管から血液を取り出しダイアライザーに通すことで、身体に溜まった余分な水分や老廃物などを取り除き、浄化された血液を再び血管に戻す治療法です。

選択肢4. 白血球除去療法は、過敏性腸症候群の患者に行う。

× 白血球除去療法は、過敏性腸症候群の患者に行いません

活動期の潰瘍性大腸炎の治療などに使われています。

白血球除去療法は、身体に悪さをしていた白血球を選択的に取り除く治療法です。

選択肢5. LDL吸着療法(LDLアフェレーシス)は、家族性高コレステロール血症の患者に行う。

〇 LDL吸着療法(LDLアフェレーシス)は、家族性高コレステロール血症の患者に行います。

「アフェレシス」は、ギリシア語で「分離」を意味します。

LDLアフェレーシスは、身体から血液を取り出し、細胞成分を分離して、吸着器でLDLコレステロールを取り除き、再び血液を元に戻す治療法です。

まとめ

問題中の治療法を復習しておきましょう。

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04

免疫システムと紐づけて確認するようにしましょう。

選択肢1. 自己血輸血は、緊急手術で行われる。

自己血輸血は、緊急手術では適応になりません。

選択肢2. 自己血輸血では、GVHD(移植片対宿主病)がみられる。

自己血輸血は、GVHD(移植片対宿主病)の予防策の一つです。

選択肢3. 血液透析では、腹膜を用いる。

腹膜透析では、腹膜を用います。

選択肢4. 白血球除去療法は、過敏性腸症候群の患者に行う。

白血球(顆粒球)除去療法は、潰瘍性大腸炎やクローン病の治療で行われています。

選択肢5. LDL吸着療法(LDLアフェレーシス)は、家族性高コレステロール血症の患者に行う。

正解です。

まとめ

免疫システムと紐づけて確認するようにしましょう。

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