管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問23
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
炎症と腫瘍に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 肥大は、炎症の徴候に含まれる。
- 線維化は、炎症の慢性期より急性期で著しい。
- 肉芽腫は、良性腫瘍である。
- 肉腫は、上皮性腫瘍である。
- 悪性腫瘍は、浸潤性に増殖する。
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この過去問の解説 (4件)
01
✕1 .肥大は、炎症の徴候に含まれる。
→誤りです。
肥大は、炎症の徴候に含まれません。
炎症の4兆候は発赤、熱感、腫脹、疼痛です。
炎症は、物理的刺激(火傷や凍傷など)や化学的な刺激(化学薬品接触など)や、
ウイルスなどの微生物の感染に対して起こす生体の防御反応の1つです。
✕2 .線維化は、炎症の慢性期より急性期で著しい。
→誤りです。
線維化は、炎症の急性期より慢性期で著しい症状です。
線維化とは、組織中の結合組織が異常に増殖してしまう現象のことです。
心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓など、脳以外のほぼ全身の主要な臓器で
線維化がおこる可能性があります。
✕3 .肉芽腫は、良性腫瘍である。
→誤りです。
肉芽腫は、腫瘍とは区別されています。
肉芽腫とはマクロファージ系の細胞を中心とし、
他の炎症細胞も集積して形成される境界が明らかな慢性炎症病巣です。
✕4 .肉腫は、上皮性腫瘍である。
→誤りです。
肉腫は、上皮性腫瘍ではなく、非上皮性腫瘍です。
肉腫は非上皮性間葉組織(中胚葉由来の脂肪組織、線維組織、血管、リンパ管、筋、腱、滑膜、骨、軟骨)および
外胚葉由来の末梢神経組織の性質を具えた腫瘍のことを指します。
〇5 .悪性腫瘍は、浸潤性に増殖する。
→正解です。
悪性腫瘍は、浸潤性に増殖します。
湿潤性は、悪性腫瘍の特徴の1つです。
その他にも悪性腫瘍の特徴として、細胞の異常増殖、
遠隔転移、再発を起こすことがあげられます。
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02
炎症と腫瘍についてです。それぞれの特徴について確認しましょう。
肥大は、炎症の徴候に含まれません。炎症の徴候には、発赤、熱感、疼痛、機能障害、腫脹が含まれます。
線維化は、炎症の急性期より慢性期で著しくなります。
肉芽腫は、慢性炎症反応によって毛細血管や線維芽細胞などにより生じる組織で、腫瘍ではありません。
肉腫は、非上皮性腫瘍です。
正解です。
炎症と腫瘍についてです。それぞれの特徴について確認しましょう。
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03
正答は【5】です。
1.×
炎症の五徴候は、「腫脹、疼痛、発赤、発熱、機能障害」のことを指します。
2.×
線維化は、炎症の急性期よりも「慢性期」で著しいです。
3.×
肉芽腫は、良性腫瘍ではなく、「悪性の腫瘍」です。
4.×
肉腫は上皮以外の細胞群である、「非上皮性腫瘍」です。がん腫が上皮性腫瘍です。
5.〇
悪性腫瘍は、浸潤性に増殖し、良性腫瘍は、膨張性に増殖します。
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04
炎症と腫瘍に関する記述です。
似たような言葉があるので、落ち着いて問題をみていきましょう。
× 肥大は炎症の徴候に含まれません。
【炎症の5徴候】
腫脹、疼痛、機能障害、発熱、発赤
【肥大とは】
通常の容積より大きくなった状態のことです。
× 線維化は、炎症の急性期より慢性期で著しい。
線維化は、ゆるやかに腺維組織が増えることで、組織が腺維成分に置き換わり、硬くなることです。
× 肉芽腫は、腫瘍性病変ではなく、刺激物質に対しておこる慢性的な炎症によって生じる腫瘤です。
× 肉腫は、上皮性腫瘍ではありません。
【がんと肉腫】
・がんは、皮膚、胃や腸の粘膜(上皮性の細胞)から発生した悪性腫瘍のことです。
・肉腫は、筋肉、骨、血管、神経など(非上皮性の細胞)から発生した悪性腫瘍のことです。
〇 悪性腫瘍は、浸潤性に増殖します。
浸潤とは、周囲にしみ込むように広がることです。
肉腫と肉芽腫、腫瘍と腫瘤など似たような言葉に注意して復習しましょう。
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