管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問42

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

食料需給表から算出された、わが国の食料自給率のうち、品目別自給率(重量ベース)の年次推移である(図)。図のa~dに該当する食品の組合せとして、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
  • a:野菜  b:鶏卵  c:小麦  d:果実
  • a:野菜  b:小麦  c:鶏卵  d:果実
  • a:果実  b:野菜  c:小麦  d:鶏卵
  • a:鶏卵  b:野菜  c:果実  d:小麦
  • a:鶏卵  b:果実  c:野菜  d:小麦

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この過去問の解説 (3件)

01

食料自給率についての設問です。

食品ごとの特徴から考えることがポイントになります。

選択肢4. a:鶏卵  b:野菜  c:果実  d:小麦

a:鶏卵

鮮度が落ちやすく、殻が割れやすい食品であり、国内生産・消費が基本となる食品です。

そのため食料自給率は100%近くになります。

b:野菜

こちらも鮮度が重要であることから、比較的高めの自給率になっています。

一方で海外でしか生産されない物や加工品は輸入に頼ることが増えており、自給率は低下傾向にあります。

c:果実

鶏卵や野菜と比べると、輸送が困難ではなく、海外でしか生産されない物もあるため、上記2点と比べると自給率は低くなります。

d:小麦

日本での栽培が難しく、生鮮食品よりも輸送がしやすい点から、この選択肢の中で自給率が一番低いのは小麦とわかります。

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それぞれの食料の特徴や、時代の移り変わりによって日本の自給率がどのように変化しているのか、確認しながら解答していきましょう。

選択肢4. a:鶏卵  b:野菜  c:果実  d:小麦

図のaは、自給率100%からほとんど変化がありません。

そのため、aは輸送が難しいもの早めに消費しなくてはならない生鮮品と推測されるので、「鶏卵」が当てはまります。

(ちなみに、「鶏卵」の自給率は重量ベースで97%(令和2年度)であり、ほとんどが国内生産です。残りの3パーセントは、乾燥粉末や冷凍液卵などで輸入されています。)

次に、図のbは自給率100%から少しずつ減少しています。

そのため、bは早めに消費する必要のある生鮮品であり、鶏卵ほど輸送困難ではなく、日本での供給も困難でないものと推測されるので、「野菜」が当てはまります。

続いて、図のcはこの60年で自給率が100%から40%に減少しています。

これは、輸送が困難ではなく、戦後海外から輸入が容易になったもの、海外からでしか手に入らないことが多いものであると推測されるので、「果実」が当てはまります。

(近年、みかんやりんごなどの国産果実の消費は減少しており、バナナやキウイフルーツ、パインアップルなどの輸入果実の消費が増加しています。)

最後に、図のdは自給率が低く、高低差もあります。

これは、輸送が容易で、日本で栽培の難しいものと推測されるので、「小麦」が当てはまります。

よって、正しい組み合わせは、

 a:鶏卵 b:野菜 c:果実 d:小麦

となります。

まとめ

「小麦」のグラフの高低差について

1945年の終戦後、日本は深刻な食糧不足のために米と小麦の増産を進め、1960年代には小麦の生産量が大幅に回復しました。

しかし、米と比較して収益性が低かったこと、生産が不安定だったことにより生産量は減少し、1970年代には自給率が4%ほどにまで落ち込むという状態になりました。

一方、同時期にオイルショックが起こったことにより、国内自給率についての危機感が高まりました。

その後、小麦は増産が進められ、現在では自給率15%(2020年度)まで回復しています。

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日本の食品自給率の特徴を理解しておきましょう。

鶏卵は輸入品であると鮮度が保たれず、輸送時に割れやすいため、ほぼ国内生産です。

野菜は農業者の高齢化や食の簡便化により近年加工品を中心に輸入品が増加傾向にあります。

果物は嗜好品として身近になってきており、果汁等の加工品の輸入が増加しています。

小麦は国内では安定に生産できない傾向にあり、輸入品が多くなっています。

よって、a:鶏卵  b:野菜  c:果実  d:小麦が適当です。

選択肢4. a:鶏卵  b:野菜  c:果実  d:小麦

こちらが正解です。

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