管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問2

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

放射線による人体への健康影響に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • シーベルト(Sv)は、放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位である。
  • ベクレル(Bq)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位である。
  • 白血病は、確定的影響の1つである。
  • 遺伝性の障害は、被ばく後短時間で発生する早発障害である。
  • 白内障は、被ばく後に長い時間を経過してから発生する晩発障害である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

放射線の単位、影響などについて理解しておく必要があります。

選択肢1. シーベルト(Sv)は、放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位である。

不正解です。

シーベルト(Sv)とは、人が受ける被ばく線量の単位です。

グレイ(Gy)、放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位となります。

選択肢2. ベクレル(Bq)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位である。

不正解です。

ベクレル(Bq)は、放射線の量を表す単位です。

シーベルト(Sv)が、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位となります。

選択肢3. 白血病は、確定的影響の1つである。

不正解です。

白血病は、確率的影響の1つです。

確定的影響とは放射能を浴びることにより組織や臓器の機能損失、

形態異常が起こることであり脱毛、白内障、皮膚障害等があります。

確率的影響とは細胞の突然変異により発生する影響であり、

がん、白血病、遺伝的影響等があります。

選択肢4. 遺伝性の障害は、被ばく後短時間で発生する早発障害である。

不正解です。

遺伝性の障害は被ばく後長い期間が経過してから発生する晩発障害で、

他に白内障、緑内障などがあります。

被ばく後短期間で発生する早期障害には皮膚の紅斑や脱毛、白血球減少などがあります。

選択肢5. 白内障は、被ばく後に長い時間を経過してから発生する晩発障害である。

正解です。

参考になった数39

02

放射線の単位(シーベルト、ベクレル)は覚えておく必要があります。

放射線の人体への影響は3つに分類されます。分類ごとの対象疾患を結び付けておくといいと思います。

選択肢1. シーベルト(Sv)は、放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位である。

不正解です。

シーベルト(Sv)は、人が受ける放射線被ばく線量の単位です。

 

選択肢2. ベクレル(Bq)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位である。

不正解です。

ベクレル(Bq)は、放射線の強さの単位です。

選択肢3. 白血病は、確定的影響の1つである。

不正解です。

白血病は、確率的影響の1つです。

 

「確定的影響」は、臓器や組織を構成する細胞が多数死亡したり、変性したりすることで起こる症状です。脱毛、白内障、皮膚障害があげられます。一方、「確率的影響」は、がんや遺伝性影響といった細胞の遺伝子が変異することで起こる影響です。がん、白血病、遺伝的影響等があげられます。


 

選択肢4. 遺伝性の障害は、被ばく後短時間で発生する早発障害である。

不正解です。

皮膚紅斑、脱毛等は、被ばく後短時間で発生する早発障害です。

 

放射線の人体影響は被ばく後、比較的早く症状が出る「急性影響(早発影響)」と、数か月後以降に現れる「晩発影響」に分けることができます。早発影響には皮膚紅斑、脱毛、不妊等があります。

選択肢5. 白内障は、被ばく後に長い時間を経過してから発生する晩発障害である。

正解です。

 

晩発影響には白内障や緑内障、白血病、がん等があります。

参考になった数8

03

放射性物質は、放射線を出す物質であり、放射性物質が放射線を出す力を放射能と呼びます。

 

放射線とは、原子が放出する高いエネルギーをもった粒子や電磁波であり、α線、β線、γ線など種類によってエネルギーや透過力が異なります。

 

放射性物質により、半減期や身体への影響は異なります。

選択肢1. シーベルト(Sv)は、放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位である。

不適です。

 

シーベルト(Sv)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位です。

放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位はグレイ(Gy)です。

選択肢2. ベクレル(Bq)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位である。

不適です。

 

ベクレル(Bq)は、放射性物質が持つ放射能の強さです。

人体に対する放射線の健康影響の大きさを表す単位はシーベルト(Sv)です。

選択肢3. 白血病は、確定的影響の1つである。

不適です。

 

白血病は、確率的影響の1つです。

確率的影響は少量の被ばくでも生体に影響が生じる可能性があるものを指します。

 

確定的影響には一定の閾値以下では生じない皮膚障害や脱毛、白内障などがあります。

選択肢4. 遺伝性の障害は、被ばく後短時間で発生する早発障害である。

不適です。

 

遺伝性の障害は、数ヶ月〜数十年の潜伏期間を経て現れる晩発障害です。

 

被ばく後短時間で発生する早発障害には、皮膚の紅斑や脱毛などがあります。

選択肢5. 白内障は、被ばく後に長い時間を経過してから発生する晩発障害である。

適切です。

 

晩発障害には他に、白血病、がん、胎児奇形などがあります。

まとめ

【ベクレル(Bq)】 放射能の強さの単位。

【グレイ(Gy)】  放射線のエネルギーが物質やヒトに吸収された量の単位。

【シーベルト(Sv)】ヒトが受けた放射線の影響の大きさの単位。

 

【確定的影響】

 放射線被ばくによる人体の影響のうち、人体に影響が現れる線量として「しきい線量」が存在するものを指します。

 「しきい線量」とは、同じ線量を多くの人が被ばくしたときに全体の1%のヒトに症状が現れる線量です。

 脱毛、白内障、皮膚障害など。

 

【確率的影響】

 放射線被ばくによる人体の影響のうち、一定の線量以下では他の要因の影響が大きすぎて症状が現れず、被ばくによる影響が蓄積したときに発言するものを指します。

 がんや白血病など。

参考になった数3