管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問15

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

わが国の労働者のメンタルヘルス対策に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 労働安全衛生法では、事業者は、1か月間の時間外労働が80時間を超えた労働者に対して、その情報を通知しなければならない。
  • ラインケアとは、管理監督者が労働者のメンタル不調の早期発見等に努めることである。
  • 各都道府県の産業保健総合支援センターは、メンタルヘルスに関する相談事業を行っている。
  • 対策の基本として、労働者が自身のストレスに気づくことが重視されている。
  • 全ての事業所において、労働者のストレスチェックを定期的に行わなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

厚生労働省が提唱している「心の健康に関する3つの予防」に取り組み、従業員の健康レベルを引き上げることを意味します。

メンタルヘルス対策の取組は、目的や実施主体によって、次のように分類されます。

目的による分類(1次予防、2次予防、3次予防)

実施主体による分類(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケア)

それぞれの具体的な内容を押さえておきましょう。

選択肢1. 労働安全衛生法では、事業者は、1か月間の時間外労働が80時間を超えた労働者に対して、その情報を通知しなければならない。

正解です。

選択肢2. ラインケアとは、管理監督者が労働者のメンタル不調の早期発見等に努めることである。

正解です。

ラインケアは管理監督者による取組です。

選択肢3. 各都道府県の産業保健総合支援センターは、メンタルヘルスに関する相談事業を行っている。

正解です。

各都道府県の産業保健総合支援センターは、メンタルヘルスに関する相談事業を行っています。

メンタルヘルス対策では、「事業場によっては必ずしも産業医や保健師等の専門職がおらず、メンタルヘルス不調者への対応が難しい場合があります。そのような場合には、事業場外資源を有効に活用することが重要である」としています。

選択肢4. 対策の基本として、労働者が自身のストレスに気づくことが重視されている。

正解です。

対策の基本として、労働者が自身のストレスに気づくことが重視されています。

選択肢5. 全ての事業所において、労働者のストレスチェックを定期的に行わなければならない。

不正解です。

労働者数 50 人未満の事業場のストレスチェックは努力義務となっています。

 

労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するため、労働安全衛生法を改正し、心理的な負 担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」といいます。)及びその結果に基づく医師による面接指導等を内容とする制度(以下「ストレスチェック制度」といいます。) が創設され、平成27年12月から開始されています。

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02

メンタルヘルス対策については、労働安全衛生法第70条の2に基づき、事業場において事業者が講ずるように努めるべき労働者の心の健康の保持増進のための措置が適切かつ有効に実施されるよう「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が厚生労働大臣によって定められています。

 

選択肢1. 労働安全衛生法では、事業者は、1か月間の時間外労働が80時間を超えた労働者に対して、その情報を通知しなければならない。

正しい文章です。

 

労働安全衛生法(66条の8〜66条の4)

 事業者は、時間外・休日労働が1ヶ月あたり80時間を超えた労働者に対し、超えた時間に関する情報を通知しなければならない。

 

とされています。

選択肢2. ラインケアとは、管理監督者が労働者のメンタル不調の早期発見等に努めることである。

正しい文章です。

 

ラインケアとは、職場の管理監督者が部下のメンタルヘルス対策を行うことです。

具体的には、部下の様子に気づき、相談に対応する、職場環境を改善するなどに努めることです。

選択肢3. 各都道府県の産業保健総合支援センターは、メンタルヘルスに関する相談事業を行っている。

正しい文章です。

 

全国47箇所に設置する都道府県産業保険総合支援センターでは、事業者や産業保険スタッフ等を対象に、産業保険関係者からの専門的相談対応、産業保険スタッフへの研修、メンタルヘルス対策の普及促進のための個別訪問支援、管理監督者向けメンタルヘルス教育、産業保健に関する情報提供等を実施します。

選択肢4. 対策の基本として、労働者が自身のストレスに気づくことが重視されている。

正しい文章です。

 

メンタルヘルス指針では労働者自らによる対処であるセルフケアが重視されています。

選択肢5. 全ての事業所において、労働者のストレスチェックを定期的に行わなければならない。

誤りの文章です。

 

常時50人以上の労働者を使用する事業主にストレスチェックの実施義務があります。

常時50人未満の労働者を使用する事業場においては当分の間、実施は努力義務となっています。

まとめ

厚生労働省では、2006年に「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)」を定め、職場におけるメンタルヘルス対策を推進しています。

 

 

メンタルヘルス対策の3つの予防

 ⚪︎一次予防(未然防止)

 ⚪︎二次予防(早期発見)

 ⚪︎三次予防(職場復帰支援)

 

 

メンタルヘルス指針の4つのケア

 

 ⚪︎セルフケア(労働者自らによる対処)

  ・ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解

  ・ストレスチェックナトによるストレスへの気づき

 

 ⚪︎ライン(職場の管理監督者)によるケア

  ・労働者の労働時間管理

  ・職場環境の把握と改善

  ・労働者からの相談対応

 

 ⚪︎事業場内産業保健スタッフによるケア

  ・産業医のメンタルヘルス相談

 

 ⚪︎事業場外資源によるケア

  ・産業保健総合支援センターなどのサービス活用

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03

近年、労働者の受けるストレスが拡大しており、

メンタルヘルス対策が重要視されています。

ポイントをおさえておきましょう。

選択肢1. 労働安全衛生法では、事業者は、1か月間の時間外労働が80時間を超えた労働者に対して、その情報を通知しなければならない。

正しい文章です。

医師による面接指導が実施されることもあります。

選択肢2. ラインケアとは、管理監督者が労働者のメンタル不調の早期発見等に努めることである。

正しい文章です。

ストレスチェックや、職場環境の見直し、面談等を行います。

選択肢3. 各都道府県の産業保健総合支援センターは、メンタルヘルスに関する相談事業を行っている。

正しい文章です。

産業保健総合支援センターは、都道府県ごとに設置されています。

窓口相談や研修、情報提供などを行っています。

 

選択肢4. 対策の基本として、労働者が自身のストレスに気づくことが重視されている。

正しい文章です。

労働者が自身のストレスに気づき、対処していくことが重要です。

選択肢5. 全ての事業所において、労働者のストレスチェックを定期的に行わなければならない。

誤りの文章です。

誤っているものを選ぶ問題のため正解となります。

 

ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業所で義務づけられています。

50人未満の事業所では努力義務となっています。

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