管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問14

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

医療計画に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 地域保健法が根拠法である。
  • 治療または予防に係る事業の5疾病の1つに、高血圧症がある。
  • 医療の確保に必要な5事業の1つに、災害時における医療がある。
  • 国が策定する。
  • 一次医療圏を設定する。

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この過去問の解説 (3件)

01

医療計画とは、医療法に基づき、都道府県が策定する医療提供体制の確保を目的とした計画です。

限られた医療資源を効率的に活用し、適正に配置することを目的としています。

医療計画の策定にあたっては、厚生労働大臣が定める基本方針に沿う必要があります。

選択肢1. 地域保健法が根拠法である。

不適です。

 

医療法が根拠法です。

地域保険法は、地域住民の健康の保持・増進を目的として、地域保険対策の推進に関する基本指針や保健所の設置、地域保険センターなどについて規定した法律です。

選択肢2. 治療または予防に係る事業の5疾病の1つに、高血圧症がある。

不適です。

 

5疾病とは、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患の5つの疾病を指します。

厚生労働省は、地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病として2013年度から精神疾患を加えて5大疾病と指定しています。

選択肢3. 医療の確保に必要な5事業の1つに、災害時における医療がある。

正しい文章です。

 

5事業とは、救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む)の5つの事業を指します。

いずれも地域ごとに担当する医療施設が必要とされています。

なお、2024年4月より5事業に「新興感染症等の感染症等の感染拡大時における医療」が加わり、医療の確保が必要な6事業となります。

選択肢4. 国が策定する。

不適です。

 

厚生労働大臣が定める基本方針に沿って、都道府県が策定します。

選択肢5. 一次医療圏を設定する。

不適です。

 

医療圏とは、医療の設備を図るために、都道府県が設定する地域的単位のことで、医療のレベルに応じて一次、二次、三次医療圏に分けられます。一次医療圏は「医療法」に規定はなく、二次医療圏と三次医療圏は「医療法」による医療計画で設定します。

まとめ

医療計画の記載事項

⚪︎5疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)

⚪︎6事業(救急医療、災害医療、新興感染症発生・まん延時における医療、僻地医療、周産期医療、小児医療

他に、在宅医療に関する目標、医療連携体制、情報提供の推進、医療従事者の確保、医療圏の設定など

 

 

 

医療圏(一次医療圏は医療法に規定はなく、二次医療圏と三次医療圏は医療法による医療計画で規定されます。)

 

一次医療圏 

 プライマリ・ケア、通常の傷病の外来診断・治療・健康管理・紹介など

 

二次医療圏

 一般の医療需要(入院医療)、特殊外来医療、病院の病床の設備を図るべき地域的単位としての区域

 都道府県保健所の所管区域は二次医療圏を参酌して定める

 

三次医療圏

 特殊な医療需要、先進的・高度専門的医療、特殊医療機器の配備

 特殊な医療を提供する病院の病床の設備を図るべき地域的単位

 

 

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02

医療計画とは、「都道府県が、国の定める基本方針に即し、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るために策定するもの」です。6年ごと見直しがあり、2024年度からは第8次医療計画の運用されます。

 

基本方針として下記内容が定められています。

5疾病・5事業および在宅医療

・地域医療構想

・外来医療

・医師・医療従事者の確保

 

それぞれの内容を整理して覚えておくといいでしょう。

選択肢1. 地域保健法が根拠法である。

不正解です。

地域保健法ではなく医療法は根拠法です。1985年の第1次医療法改正で導入されました。

選択肢2. 治療または予防に係る事業の5疾病の1つに、高血圧症がある。

不正解です。

5疾病とは、がん・脳卒中・心血管疾患・糖尿病・精神疾患を指します。

 

選択肢3. 医療の確保に必要な5事業の1つに、災害時における医療がある。

正解です。

5事業とは救急医療・災害医療・へき地医療・周産期医療・小児医療を指します。

2024年度からは第8次医療計画の運用され、5疾病・6事業および在宅医療となり、新興感染症発生/まん延時の医療が追加となっています。

選択肢4. 国が策定する。

不正解です。

国ではなく都道府県が策定します。

選択肢5. 一次医療圏を設定する。

不正解です。

二次医療圏、三次医療圏を設定します。

病院の病床及び診療所の病床の整備を図るべき地域的単位として二次医療圏、三次医療圏で区分されます。

1次医療圏とは、よくある疾病の診断・治療、日常的な外来診療の医療ニーズに対応するために設定された地域医療単位です。市町村が1単位とされ、医療法では規定されません。

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03

医療計画とは、医療提供体制の確保に関する基本方針を定めたものです。

 

選択肢1. 地域保健法が根拠法である。

医療法が根拠法です。

選択肢2. 治療または予防に係る事業の5疾病の1つに、高血圧症がある。

治療または予防に係る事業の5疾病の1つに、高血圧症はありません。

 

治療または予防に係る事業の5疾病は、

がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患となっています。

選択肢3. 医療の確保に必要な5事業の1つに、災害時における医療がある。

正解です。

 

医療の確保に必要な5事業は、災害時における医療の他に

救急医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療があります。

 

2024年度からは新興感染症発生・まん延時における医療

が追加され6事業となっています。

選択肢4. 国が策定する。

都道府県が策定します。

選択肢5. 一次医療圏を設定する。

二次医療圏、三次医療圏を設定します。

 

医療圏には一次医療圏、二次医療圏、三次医療圏があります。

一次医療圏は、原則市町村単位であり、

診療所の外来医療など日常的な医療の提供をします。

二次医療圏は、複数の市町村で構成され、

幅広く地域住民の保健医療をカバーし、基本的に救急医療を含む

一般的な医療が完結することを目標として整備されます。

三次医療圏は、原則都道府県単位であり、専門的な医療、

または高度で最先端の医療を提供する医療圏のことです。

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