管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問27

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

循環器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 僧帽弁は、2枚の弁尖からなる。
  • 3本の冠状動脈が、大動脈から分枝する。
  • 心電図のP波は、心室の興奮を示す。
  • 安静時の心拍出量は、成人で約20L/分である。
  • ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、血管を収縮させる。

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この過去問の解説 (3件)

01

循環器系の構造と機能のポイントを押さえておきましょう。

選択肢1. 僧帽弁は、2枚の弁尖からなる。

正解です。

 

僧房弁は左心房と左心室の間にある弁です。

僧帽弁のみ、弁の膜が2枚です。

他に右心房と右心室の間にある三尖弁、肺動脈へつながる肺動脈弁、

大動脈へつながる大動脈弁があり、3枚の弁尖からなっています。

選択肢2. 3本の冠状動脈が、大動脈から分枝する。

2本の冠状動脈が、大動脈から分枝します。

 

大動脈から分枝するのは右冠状動脈と左冠状動脈です。

選択肢3. 心電図のP波は、心室の興奮を示す。

心電図のP波は、心房の興奮を示します。

 

心室の興奮を示すのはQRS波です。

選択肢4. 安静時の心拍出量は、成人で約20L/分である。

安静時の心拍出量は、成人で約5L/分です。

選択肢5. ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、血管を収縮させる。

ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、血管を拡張させます。

 

ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)とは、

心房で合成・貯蔵され、血液中に分泌されます。

レニン・アルドステロンの分泌抑制を行っており、末梢血管を拡張し血圧降下に作用しています。

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02

心臓の解剖、心電図、血管はセットで覚えておきましょう。

 

選択肢1. 僧帽弁は、2枚の弁尖からなる。

(〇)

 

心臓には右心室の入り口にある三尖弁、右心室の出口にある肺動脈弁、左心室の入り口にある僧帽弁、左心室の出口にある大動脈弁の4つの弁があります。

選択肢2. 3本の冠状動脈が、大動脈から分枝する。

(×) 2本の冠状動脈が、大動脈から分枝します。

 

冠動脈は大動脈より左冠動脈(LCA:left coronary artery)と右冠動脈(RCA:right coronary artery)の2つに分かれます。

選択肢3. 心電図のP波は、心室の興奮を示す。

(×) 心電図のP波は、心房の興奮を示す。

 

心電図のP波は、心房の興奮を示し、QRS群は心室の興奮で生じます。

T派は心室筋が興奮から醒める再分極によって生じます。

選択肢4. 安静時の心拍出量は、成人で約20L/分である。

(×) 安静時の心拍出量は成人で約5L/分です。

 

心拍室量は1分間に心臓から送り出される血液量です。

安静時の1回の拍出量は約70mlで、心拍数は70回/分のため、心拍出量は成人で約5L/分となります。

選択肢5. ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、血管を収縮させる。

(×) ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、血管を拡張させます。

 

心房性ナトリウム利尿ペプチドは、循環血液量が増加して心房壁が伸展されると心房から分泌され、血管を拡張し、血圧を低下させるホルモンです。

参考になった数1

03

心臓の構造と機能を確認しておきましょう。

選択肢1. 僧帽弁は、2枚の弁尖からなる。

適切な文章です。

 

僧帽弁は、心臓の左心房と左心室の間にある弁で、血液の流れをコントロールする役割を担っています。

前尖と後尖という2枚の弁で構成されており、左心室が血液を送り出す際にしっかりと閉じることで、血液が左心房に逆流しないようにしています。

選択肢2. 3本の冠状動脈が、大動脈から分枝する。

不適です。

 

2本の冠状動脈が、大動脈から分岐します。

大動脈から2本の冠状動脈(右冠動脈、左冠動脈)が分岐し、左冠動脈は、さらに左前下行枝と左回旋枝とに分岐します。

選択肢3. 心電図のP波は、心室の興奮を示す。

不適です。

 

心電図のP波は、心房の興奮を示します。

QRS派は寝室の興奮を示します。

選択肢4. 安静時の心拍出量は、成人で約20L/分である。

不適です。

 

安静時の心拍出量は、成人で約5L/分です。

 

心拍出量とは、1分あたりに心臓から送り出される血液量です。

 

心拍出量=1回拍出量(成人安静時50〜80ml)×心拍数

選択肢5. ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、血管を収縮させる。

不適です。

 

ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、血管を拡張させます。

 

心房性ナトリウム利尿ペプチドは、主に心房から分泌されるホルモンで、体液量や血圧調整に重要な役割を持ちます。

心房筋由来のポリペプチドで、心房筋の過剰な伸展に際して分泌される強力な利尿ホルモンです。

まとめ

全身に動脈血を送り出す左心室は、心室・心房の中で最も筋層が発達しており、右心室の3倍程度の厚さがあります。

心臓の動脈は上行大動脈から分岐する左右の冠状動脈(右冠動脈・左冠動脈)で、左冠動脈はさらに左回旋枝、左前下行枝に分かれます。

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