管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問28

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問題

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この過去問の解説 (2件)

01

心臓、血管疾患、治療をそれぞれ整理しておきましょう。

選択肢1. 褐色細胞腫は、本態性高血圧の原因となる。

(×) 褐色細胞腫は、二次性高血圧の原因となります。

 

高血圧は、生活習慣病などの原因は明確でない本態性高血圧と原因が明確である二次性高血圧に分けられます。

二次性高血圧の原因は腎症や腎動脈の狭窄などがあげられます。

褐色細胞腫はカテコールアミン生産腫瘍であり、高血圧や高血糖を引き起こすため、二次性高血圧に分類されます。

選択肢2. 新規発症した狭心症は、安定狭心症である。

(×) 新規発症した狭心症は、安定狭心症とは限りません。

 

狭心症には生活習慣病により冠動脈にプラークが沈着し、徐々に大きくなり狭心症の症状を認める安定狭窄症以外に、冠動脈の攣縮により狭心症の症状を認める冠攣縮性狭心症があります。

選択肢3. 急性心筋梗塞では、血中クレアチンキナーゼ(CK)値が上昇する。

(〇)

 

虚血により心筋が壊死したことを心筋梗塞といいます。心筋の壊死に伴い、心筋細胞からCK、CK-MB、AST、LDHなどの酵素やトロポニンTのようなたんぱく質が逸脱し、血中に放出される。よって、急性心筋梗塞では、血中クレアチンキナーゼ(CK)値が上昇します。

選択肢4. 下肢の閉塞性動脈硬化症は、肺塞栓のリスク因子である。

(×) 下肢の深部静脈血栓症は、肺塞栓のリスク因子です。

 

肺塞栓のリスク因子には、長時間の同じ姿勢の保持により、静脈の血流速度が低下し、深部静脈に血栓が生じる深部静脈血栓症があります。

下肢閉塞性動脈硬化症は生活習慣による下肢の動脈硬化により血流が低下し、足のしびれや疼痛、重症の場合は潰瘍や壊死に陥る疾患です。

選択肢5. 脚気心は、ビタミンB6欠乏で起こる。

(×) 脚気心はビタミンB₁欠乏で起きます。

 

糖質の代謝に必要なビタミンB₁の持続的な欠乏により脚気が生じます。

ビタミンB₁不足により高心拍出性心不全をきたした病態を脚気心といいます。

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02

循環器疾患についてのポイントを押さえておきましょう。

選択肢1. 褐色細胞腫は、本態性高血圧の原因となる。

褐色細胞腫は、二次性高血圧の原因となります。

 

本能性高血圧とは原因がはっきりしていないものです。

高血圧症の90%以上は本能性高血圧となっています。

生活習慣が関わっているものが多いです。

二次性高血圧とは、腎性高血圧、原発性アルドステロン症、

褐色細胞腫など原因が明らかなものをいいます。

選択肢2. 新規発症した狭心症は、安定狭心症である。

新規発症した狭心症は、不安定狭心症です。

 

安定狭心症とは、症状が3週間以上安定している狭心症のことをいいます。

症状が安定しており、冠動脈の器質的狭窄の場合が多いです。

不安定狭心症とは、3週間以内に発作の頻度や程度が増していたり、

安静時にも胸痛を自覚します。

不安定狭心症は心筋梗塞に移行しやすいとされています。

選択肢3. 急性心筋梗塞では、血中クレアチンキナーゼ(CK)値が上昇する。

正解です。

 

クレアチンキナーゼ(CK)とは、筋肉や脳などに多く含まれます。

クレアチンキナーゼは、筋肉が障害を受けた時に血中に多く放出されます。

そのため、心筋梗塞などの筋肉の異常の指標となります。

選択肢4. 下肢の閉塞性動脈硬化症は、肺塞栓のリスク因子である。

下肢の静脈血栓症が、肺塞栓のリスク因子です。

 

肺塞栓はエコノミークラス症候群ともいわれています。

航空機などに長時間座っているために形成された下肢静脈の血栓が剥離し、

肺動脈に詰まり肺塞栓を発症します。

閉塞性動脈硬化症は動脈が閉塞し、手足の動脈で起こり、

症状がひどくなった場合、潰瘍や壊死が起こります。

選択肢5. 脚気心は、ビタミンB6欠乏で起こる。

脚気心は、ビタミンB欠乏で起こります。

 

ビタミンB6欠乏で起こる病気としては、

舌炎、皮膚炎、神経炎などがあります。

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