管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問26

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問題

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この過去問の解説 (2件)

01

上部・下部と分けて消化管疾患を整理しておきましょう。

選択肢1. わが国では、食道がんは、中部食道に比べて下部食道に多い。

(×) わが国では、食道がんは、上部・下部食道に比べて中部食道に多いです。

 

食道がんが60~70代の男性に多く、原因が喫煙と飲酒があげられます。

胸部中部食道にみられる場合が多いです。

選択肢2. 胃食道逆流症では、下部食道括約筋機能の亢進がみられる。

(×) 胃食道逆流症では、下部食道括約筋機能の低下がみられます。

 

胃食道逆流症は胃液や十二指腸液が食道内に逆流し、胸やけや胸痛を引き起こす疾患です。

発症原因は噴門部の下部食道括約筋の機能低下や胃酸分泌過多があげられます。

選択肢3. 早期胃がんでは、ボールマン(Borrmann)分類が用いられる。

(×) 進行胃がんでは、ボールマン分類が用いられます。

 

ボールマン分類は、進行胃がんの肉眼型分類です。

早期胃がんは0型の表在型に分類され、病変の形状から隆起型・表面型・陥凹型に分けられます。

選択肢4. ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、萎縮性胃炎を起こす。

(〇)

 

ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染は慢性萎縮性胃炎や胃がんの発症につながります。 

選択肢5. 早期ダンピング症候群は、インスリンの過剰分泌で起こる。

(×) 後期ダンピング症候群は、インスリンの過剰分泌で起きます。

 

ダンピング症候群は胃切除術後にみられる合併症です。

食後20~30分くらいで起こる早期ダンピング症候群と食後2~3時間くらいで起こる後期ダンピング症候群に分けられます。

 

早期ダンピング症候群は食物が腸に急速に流れ込むことで起こります。

主な症状は、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感などです。腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状がみられる場合もあります。

 

後期(晩期)ダンピング症候群は食物が腸に移動し、短時間で吸収されるため、一時的に高血糖になります。これに反応してインスリンという血糖を下げるホルモンがたくさん分泌され、逆に低血糖になって起こります。
症状としては、頭痛や倦怠感、冷汗、めまい、手指のふるえなどが現れます。

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02

上部消化管疾患のポイントを押さえておきましょう。

選択肢1. わが国では、食道がんは、中部食道に比べて下部食道に多い。

わが国では、食道がんは、下部食道に比べて中部食道に多いです。

 

約半数が中部食道で発生しています。

選択肢2. 胃食道逆流症では、下部食道括約筋機能の亢進がみられる。

胃食道逆流症では、下部食道括約筋機能の低下がみられます。

 

胃食道逆流症とは酸性の胃内容物が食道内に逆流して起こる病態を総称したものです。

下部食道括約筋機能の低下で胃の噴門部が緩み、

胃内容物の逆流が起こります。

選択肢3. 早期胃がんでは、ボールマン(Borrmann)分類が用いられる。

進行胃がんで、ボールマン(Borrmann)分類が用いられます。

 

早期胃がんではTNM分類が用いられます。

 

選択肢4. ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、萎縮性胃炎を起こす。

正解です。

 

萎縮性胃炎とは、胃の粘膜に炎症が生じることで胃が萎縮します。

ヘリコバクター・ピロリ菌感染によるものが多いです。

選択肢5. 早期ダンピング症候群は、インスリンの過剰分泌で起こる。

後期ダンピング症候群、インスリンの過剰分泌で起こります。

 

ダンピング症候群とは、胃の切除によって食物が一気に腸へと流れ込むことで、

起こるものです。

早期ダンピング症候群は、食中や食後30分程度で発症します。

めまい、動悸、顔面紅潮、全身倦怠感などが起こります。

後期ダンピング症候群は食後2〜3時間後に発症します。

食物が腸で急速に吸収され、インスリン過剰分泌となり、低血糖状態となります。

倦怠感、頭痛、冷汗、めまい、手指のふるえなどが起こります。

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