管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問32
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
神経系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 飲水中枢は、視床にある。
- 橋は、中脳と延髄の間にある。
- 錐体路の神経線維の多くは、胸髄で交叉する。
- 顔面神経は、舌の運動を支配する。
- 交感神経の興奮は、瞳孔を縮小させる。
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この過去問の解説 (3件)
01
神経系の構造と機能を関連付けて整理しておきましょう。
(×) 飲水中枢は、視床下部にあります。
視床下部には、体温調節、摂食、満腹、飲水、性行動、情動行動などの中枢が存在します。
(〇)
橋は、中脳と延髄の間にあり、呼吸、聴覚、平衡、咀嚼、唾液分泌、味覚にかかわっています。
(×) 錐体路の神経線維の多くは、延髄の錐体で交叉します。
錐体路は大脳皮質の神経細胞から始まり、内包、大脳脚、橋底部、延髄の錐体、延髄の側索後部を経由して延髄前角の運動神経細胞につながる遠心性経路で延髄下端の錐体で左右入れ替わります。
(×) 舌下神経は、舌の運動を支配します。
舌下神経は舌を動かす運動神経です。
顔面神経は舌の前2/3の味覚や咽頭の感覚を伝え、咽頭筋の嚥下運動を支配します。
(×) 交感神経の興奮は、瞳孔を散大させます。
瞳孔括約筋は、副交感神経に支配され、副交感神経系の興奮が高まると瞳孔括約筋を収縮し、瞳孔を縮小させます。
逆に、交感神経の興奮が高まると瞳孔散大筋に作用し、瞳孔を散大させます。
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02
神経系の各部位の位置関係、機能を整理しましょう。
不適です。
飲水中枢は、視床下部にあります。
視床下部は、摂食や飲水などの本能行動の中枢を担っており、体温や体液などのホメオスタシスを保ちます。
他に、自律神経系、内分泌系の中枢も担っています。
視床は、さまざまな感覚情報を大脳皮質の感覚野に中継したり、運動機能調節の補助をします。
適切な文章です。
脳幹は、中枢神経を構成する重要な部位が集まる器官です。
3つの部位に分けられていて、大脳に近い側から、中脳、橋、延髄となっています。
不適です。
錐体路の神経繊維の多くは、延髄で交叉します。
錐体交叉
大脳皮質から延髄錐体を下降してきた錐体路が、延髄の下端で左右が交叉する現象です。
錐体交叉によって、左右の大脳から来た指令が反対側に交差するため、左大脳は右半身、右大脳は左半身の運動を支配することになります。
この交差は、左右の運動制御を調整するために不可欠です。
不適です。
顔面神経は、表情筋の運動や、舌前2/3の味覚を支配します。
舌の運動を支配するのは、舌下神経です。
不適です。
交感神経の興奮は、瞳孔を散瞳(拡張)させます。
瞳孔を縮小させるのは、副交感神経です。
中枢神経系
大脳:運動性言語中枢、運動野、感覚性言語中枢、聴覚野、体性感覚野、視覚野
間脳
・視床上部:嗅覚系と脳幹をつなぐ。
メラトニンの合成・分泌による概日リズムの調節
・視床:感覚情報を大脳皮質の感覚野に中継。
運動機能調節の補助。
・視床下部:自律神経系、内分泌系、本能行動の中枢を担う。
小脳:四肢の運動調節。筋緊張に関与。
脳幹
・中脳:動眼神経(Ⅲ)・滑車神経(Ⅳ)の神経核がある。
対光反射や調節・輻輳反射を司る中枢がある。
・橋:三叉神経(Ⅴ)〜内耳神経(Ⅷ)の神経核がある。
呼吸中枢の一部、排尿中枢がある。
・延髄:舌咽神経(Ⅸ)〜舌下神経(Ⅻ)の神経核がある。
呼吸中枢の大部分、血管運動中枢、嘔吐中枢、嚥下中枢がある。
脊髄:さまざまな電動路が存在し、脳と末梢神経系をつなぐ。
反射中枢が存在する。
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03
神経系の構造とその役割を理解しておきましょう。
飲水中枢は、視床下部にあります。
視床下部には、飲水調節、体温調節、摂食調節の中枢があります。
視床では視覚、聴覚、体性感覚の情報を大脳皮質に伝達します。
正解です。
間脳→中脳→橋→延髄→脊髄となっています。
錐体路の神経線維の多くは、延髄で交叉します。
錘体路は、運動の指令を随意的に骨格筋に伝えます。
一方、錐体外路は、無意識的な骨格筋の動きの調整に関わっています。
舌下神経は、舌の運動を支配します。
顔面神経は舌の前2/3の味覚を支配します。
交感神経の興奮は、瞳孔を拡張させます。
交感神経は興奮しているときに優位に働きます。
副交感神経は休息時に優位に働きます。
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