管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問38
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
貧血に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 鉄欠乏性貧血では、出血傾向がみられる。
- 悪性貧血では、内因子の作用が増強している。
- 再生不良性貧血では、白血球数が増加する。
- 溶血性貧血では、黄疸がみられる。
- 腎性貧血では、血中エリスロポエチン値が上昇する。
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この過去問の解説 (3件)
01
貧血の原因には、赤血球産生の障害、赤血球破壊の亢進、赤血球の喪失があります。
貧血の種類について理解しておきましょう。
鉄欠乏性貧血では、出血傾向はみられません。
出血傾向がみられるのは骨髄機能低下による貧血である
再生不良性貧血です。
悪性貧血では、内因子の作用が減弱しています。
ビタミンB12と葉酸が不足して起こる貧血です。
ビタミンB12は回腸末端で吸収されますが、
胃酸と胃から分泌される内因子が必要であり、
胃粘膜が委縮している高齢者や胃切除患者、
菜食主義者などに起こることがあります。
再生不良性貧血では、白血球数が減少します。
再生不良貧血では赤血球、白血球、血小板のすべてが減少します。
正解です。
溶血性貧血とは赤血球が破壊され、溶血してしまう貧血です。
壊れた赤血球内のヘモグロビンを肝臓で処理するときに、
間接ビリルビンが生成されこれが黄疸の原因となります。
腎性貧血では、血中エリスロポエチン値が低下します。
エリスロポエチンは造血ホルモンであり、腎不全が進行すると
エリスロポエチンの産生が低下し貧血を認めるようになります。
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02
貧血とは、循環血液中の赤血球量の減少と定義されます。
各種貧血の種類と原因についての知識を深めておきましょう。
不適です。
鉄欠乏性貧血では、通常出血傾向はみられません。
鉄欠乏性貧血は、鉄の欠乏により骨髄におけるヘモグロビン合成が障害される貧血です。
不適です。
悪性貧血は、内因子の分泌不全で生じるビタミンB12の吸収障害が原因の貧血です。
不適です。
再生不良性貧血では、白血球数が減少します。
再生不良性貧血は、骨髄における造血幹細胞の減少が原因で起こる貧血で、赤血球、白血球、血小板も減少(汎血球減少)する難治性の造血障害です。
適切な文章です。
溶血により、ヘモグロビンの代謝産物であるビリルビンが増加し、黄疸がみられます。
不適です。
腎性貧血では、血中エリスロポエチン値が減少します。
腎性貧血は、腎不全などの腎機能低下に伴い、赤血球の産生・成熟を促進するエリスロポエチンの産生が低下することにより起きる貧血です。
⚪︎鉄欠乏性貧血は、鉄の欠乏により骨髄におけるヘモグロビン合成が障害される貧血です。
原因
・胃切除などの吸収障害や摂取不足による供給不足
・妊娠、授乳、小児・思春期の成長のための需要増大
・月経などの慢性的な出血
⚪︎巨赤芽球性貧血は、DNA合成障害の基づく核の成熟障害と無効造血を特徴とする貧血です。
⚪︎悪性貧血は、巨赤芽球性貧血の中で、自己免疫が関与した胃粘膜の萎縮による内因子の分泌不全で生じるビタミンB12の吸収障害が原因の貧血です。
⚪︎再生不良性貧血は、骨髄における造血幹細胞の減少が原因で起こる貧血で、赤血球、白血球、血小板も減少(汎血球減少)する難治性の造血障害です。
⚪︎溶血性貧血では、溶血により、ヘモグロビンの代謝産物であるビリルビンが増加し、黄疸がみられます。
⚪︎腎性貧血は、腎不全などの腎機能低下に伴い、赤血球の産生・成熟を促進するエリスロポエチンの産生が低下することにより起きる貧血です。
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03
貧血の種類と原因を結び付けておきましょう。
(×) 鉄欠乏性貧血では、出血傾向はみられません。
鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの合成に必要な鉄の供給不足や需要増大により生じる貧血であるため、鉄欠乏性貧血が出血傾向を誘発することはありません。
(×) 悪性貧血では、内因子の作用が低下しています。
ビタミンB₁₂の吸収に必要な内因子の分泌が低下して生じたものを悪性貧血といいます。
(×) 再生不良性貧血では、白血球数が減少します。
再生不良性貧血は、造血幹細胞レベルの障害により、骨髄の低形成と赤血球・白血球・血小板の減少がみられます。
(〇)
溶血性貧血では、赤血球が破壊され、ヘモグロビンが逸脱します。
逸脱したヘモグロビンが肝臓で代謝され、間接ビリルビンが血中に増加することで黄疸が生じます。
(×) 腎性貧血では、血中エリスロポエチン値が低下します。
腎臓にはエリスロポエチンを生産・分泌して赤血球を増加させる働きがあります。
腎機能の低下によりエリスロポエチンが低下し生じた貧血を腎性貧血といいます。
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