管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問52

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問題

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、「不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。」です。

 

ノロウイルスはヒトの腸管内でのみ増殖するウイルスです。

感染の原因としては、牡蠣を含む二枚貝の摂取やノロウイルスに感染した人の便や吐瀉物に接触することが挙げられます。

選択肢1. エンベロープ型ウイルスである。

エンベロープ型ウイルスとは、エンベロープという脂溶性の外膜をもつウイルスのことです。

脂溶性という特徴から、アルコール消毒液などによる不活化が容易です。

ノロウイルスはエンベロープをもたないウイルスであり、消毒用アルコールの効果も薄いです。

選択肢2. 二枚貝の中腸腺で増殖する。

ノロウイルスは二枚貝の体内では増殖ができません

宿主(ヒト)の生細胞の中でのみ増殖ができます。

選択肢3. 不活化には、75℃で2分間の加熱が有効である。

ノロウイルスの不活化には、85~90℃で90秒間以上加熱することが有効です。

大量調理施設衛生管理マニュアルでも、一般食品は75℃以上1分間以上ですが、二枚貝などノロウイルス汚染のおそれのある食品は85~90℃90秒間以上での加熱が決められています。

選択肢4. 不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。

ノロウイルスの不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。

選択肢5. 食中毒の潜伏期間は、4~7日程度である。

ノロウイルスによる食中毒の潜伏期間は、通常1~2日間です。

腹痛や嘔吐などの症状が1~3日間持続後に回復します。

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02

ノロウイルスだけでなく、食中毒の種類と潜伏期間、症状はそれぞれ結び付けておきましょう。

選択肢1. エンベロープ型ウイルスである。

(×) ノンエンベロープ型のウイルスです。

 

ノロウイルスはエンベロープを持たないノンエンベロープ型のウイルスです。

選択肢2. 二枚貝の中腸腺で増殖する。

(×) 人の腸管で増殖します。

 

ノロウイルスによる食中毒は二枚貝が原因となりますが、増殖はしません。

人の腸管でのみ増殖します。

選択肢3. 不活化には、75℃で2分間の加熱が有効である。

(×) 不活化には、85℃で1分半の加熱が有効です。

 

ノロウイルスの不活化には、加熱処理が有用で、85℃で1分半の加熱が必要です。

選択肢4. 不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。

(〇)

 

ノロウイルスはアルコールや逆性石鹸は無効であり、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効となります。

選択肢5. 食中毒の潜伏期間は、4~7日程度である。

(×) 食中毒の潜伏期間は、1~2日程度です。

 

ノロウイルスの潜伏期間は1~2日程度であり、症状には急激な下痢・嘔吐、腹痛、発熱があげられます。

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03

ノロウイルスは、冬期に発生することの多い食中毒です。

原因は、複合調理食品や感染者の糞便、感染者の嘔吐物への接触や飛沫による二次感染です。

わずか数十個から数百個のウイルス量で感染します。

潜伏期間は24~48時間。

では、問題をみていきましょう。

選択肢1. エンベロープ型ウイルスである。

✖ 間違いです。

 

ノロウイルスは、ノンエンベロープ型ウイルスです。

エンベロープとは脂溶性の膜のことです。

選択肢2. 二枚貝の中腸腺で増殖する。

✖ 間違いです。

 

ノロウイルスは、汚染されていた二枚貝を、生や十分に加熱調理しないで食べた場合に感染します。

ノロウイルスが増殖できるのは、ヒトの小腸上皮細胞内です。

選択肢3. 不活化には、75℃で2分間の加熱が有効である。

✖ 間違いです。

 

不活化には、85~90℃で90秒以上の加熱で死滅します

選択肢4. 不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。

〇 正解です。

 

ノロウイルスは、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。

選択肢5. 食中毒の潜伏期間は、4~7日程度である。

✖ 間違いです。

 

食中毒の潜伏期間は、24~48時間程度です。

まとめ

ノロウイルスは、少ないウイルスで発症するので、施設内感染につながりやすく注意が必要です。

給食業務での基本的な予防方法は、従業員の健康管理、手洗いの励行、調理器具を次亜塩素酸ナトリウムで消毒したり、十分な加熱調理を行うことです。安全な給食を提供するためにもノロウイルスについて理解しておきましょう。

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