管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問80
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問80 (訂正依頼・報告はこちら)
低張性脱水に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 血漿ナトリウムイオン濃度が上昇する。
- 血漿浸透圧が上昇する。
- 血圧が低下する。
- 細胞内液量が減少する。
- 尿量が増加する。
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この過去問の解説 (3件)
01
脱水は、ある原因によって細胞外液が減少した状態のことです。
体液から水やナトリウムを失って生じます。
【脱水の分類】
高張性脱水(水分欠乏性脱水)
等張整脱水(混合性脱水)
低張性脱水(ナトリウム欠乏性脱水)
この問題は、低張性脱水に関する記述です。
問題をみていきましょう。
✖ 間違いです。
細胞外液が低張のため、血漿ナトリウムイオン濃度は低下しています。
✖ 間違いです。
血漿ナトリウムイオン濃度の低下にともなって血漿浸透圧も低下します。
〇 正解です。
血漿ナトリウムイオン濃度の低下にともなって血圧も低下します。
✖ 間違いです。
細胞外液の浸透圧が細胞内液より低張のため、細胞外の水分が細胞内に移動します。
その結果、細胞内液量が増加します。 (濃度は低下します)
✖ 間違いです。
水分の再吸収が促進されて、尿量は減少します。
低張性脱水は、細胞外液に含まれるナトリウムが減少する脱水のことです。
血液などの細胞外液のナトリウムが減少すると、ナトリウムの血中濃度を保つために血液の水分が細胞内液に移動して血液量が少なくなり脱水になります。口渇感はありませんが、舌の乾燥がみられます。
体液損失後に水分のみ補うと、このような状態がみられます。
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02
正解は、「血圧が低下する。」です。
低張性脱水はナトリウム欠乏性脱水とも言い、水よりもナトリウムが多く失われる脱水で、血漿浸透圧が低下します。
細胞外液(組織間液と血漿)が細胞内液に移行するため、細胞外液が減少し、細胞内液は増加します。
そのため循環血液量が低下し血圧も低下し、尿量は低下します。細胞外液が減少するため、血漿ナトリウムイオン濃度が上昇することはありません。
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03
脱水の種類をまとめておきましょう。
(×) 血漿ナトリウムイオン濃度は低下します。
低張性脱水は水の損失よりもナトリウムの損失が大きいことで起こります。
よって血漿ナトリウムイオン濃度は低下します。
(×) 血漿浸透圧は低下します。
低調性脱水では、血中のナトリウムが低下するため、血漿浸透圧は低下します。
逆に高張性脱水では血漿浸透圧が上昇します。
(〇)
低調性脱水では、血漿浸透圧は低下し血漿量が減少するため、血圧が低下します。
(×) 細胞内液量が増加します。
細胞外液の浸透圧が低下することで細胞内へと水分が移動するため、細胞内液量は増加します。
(×) 尿量は減少します。
低調性脱水では、血漿浸透圧は低下し循環血漿量が減少するため尿量も減少します。
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