管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問88
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問88 (訂正依頼・報告はこちら)
妊娠期の栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 非妊娠時のBMIが18.5kg/m2未満の場合、妊娠中の体重増加量は7~10kgが推奨されている。
- 月経による鉄損失がなくなるため、鉄欠乏性貧血は起こりにくい。
- 尿たんぱく質の検査は、妊娠初期から行う。
- キンメダイやメカジキは、積極的な摂取が推奨されている。
- ビタミンAの付加量は、妊娠初期の方が妊娠後期より多い。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、「尿たんぱく質の検査は、妊娠初期から行う。」です。
非妊娠時のBMIが18.5kg/m2未満の場合、妊娠全期間を通しての推奨体重増加量は9~12kgです。
BMIが18.5kg/m2以上25.0kg/m2未満の場合、妊娠全期間を通しての推奨体重増加量は7~12kgです。
妊娠中は、胎児の成長や循環血液量の増加に伴う赤血球量の増加などにより鉄需要が大幅に高まるため、鉄欠乏性貧血は起こります。
魚は、食物連鎖によって自然界に存在する水銀が取り込まれていることがあり、妊娠期には食べ過ぎには注意が必要です。
特に注意が必要とされている種類として、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)などの魚が挙げられています。
母胎から胎児へのビタミンAの意向は、妊娠後期にほとんどが行われるため、妊婦では後期にのみ付加量を設定されています。
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02
妊娠期の栄養管理に関する記述です。
問題をみていきましょう。
✖ 間違いです。
厚生労働省が作成した「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」によれば、非妊娠時のBMIが18.5㎏/㎡未満の場合、妊娠中の体重増加量は12~15㎏です。
✖ 間違いです。
月経による鉄損失はなくかりますが、母体の循環血液量の増加や胎児の発育にともなって鉄の需要が増え、鉄欠乏性貧血になるリスクがあります。
〇 正解です。
尿タンパク質の検査は、妊娠初期から定期検査で実施されています。
妊娠中の合併症の早期発見に役に立ちます。
✖ 間違いです。
魚介類は水銀の蓄積があり、摂取量によっては胎児に影響を与えます。
厚生労働省は「妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量(筋肉)の目安」を注意事項として示しています。
✖ 間違いです。
ビタミンAの付加量は、妊娠後期のみ付加量が設定されています。
推定平均必要量
+60㎍RAE/日
推奨量
+80㎍RAE/日
妊娠の時期により栄養管理が異なる為、適切な栄養管理について学習しましょう。
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03
妊娠期の栄養管理について整理しておきましょう。
(×) 非妊娠時のBMIが18.5kg/m2未満の場合、妊娠中の体重増加量は12~15kgが推奨されています。
非妊娠時のBMIが18.5kg/m2未満:体重増加量は12~15kg
非妊娠時のBMIが18.5~25kg/m2未満:体重増加量は10~13kg
非妊娠時のBMIが25~30kg/m2未満:体重増加量は7~10kg
BMI30以上は個別対応としています。
(×) 月経による鉄損失がなくなるが、鉄欠乏性貧血は起こりやすいです。
赤血球の大幅な増加や胎児の成長に伴う鉄の貯蔵によって、鉄の需要は大きくなるため、鉄欠乏性貧血になりやすいです。
(〇)
尿たんぱくの検査は妊娠高血圧症候群の指標であり、早期発見が重要です。そのため妊娠初期から検査を行います。
(×) キンメダイやメカジキは、積極的な摂取が推奨されていません。
キンメダイやメカジキはメチル水銀を含んでいるため、中枢神経に影響を及ぼす可能性があります。
(×) ビタミンAの付加量は、妊娠初期の方が妊娠後期より少ないです。
最初の3か月はビタミンAは胎児への移行し蓄積されます。よって初期・中期は付加量は0です。
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