管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問89

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問89 (訂正依頼・報告はこちら)

新生児の生理的特徴に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 生理的体重減少では、細胞内液の減少が著しい。
  • 外呼吸は、胸式呼吸が中心である。
  • 寒冷環境下では、褐色脂肪細胞による熱産生が起こる。
  • 排尿回数は、成人に比べて少ない。
  • 探索反射は、口に入ってきた物を吸う動きである。

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この過去問の解説 (3件)

01

新生児の生理的特徴に関する記述です。

問題をみていきましょう。

選択肢1. 生理的体重減少では、細胞内液の減少が著しい。

✖ 間違いです。

 

生理的体重減少は、尿や便、呼吸や皮膚など細胞外液からの水分損失を、水分摂取で補えないことで起こります。

選択肢2. 外呼吸は、胸式呼吸が中心である。

✖ 間違いです。

 

外呼吸は、腹式呼吸が中心です。

選択肢3. 寒冷環境下では、褐色脂肪細胞による熱産生が起こる。

〇 正解です。

 

寒冷環境下では、褐色細胞による熱産生が起こります

選択肢4. 排尿回数は、成人に比べて少ない。

✖ 間違いです。

 

生後3か月までの尿濃縮力は、成人の約1/2です。

尿濃縮力が低いので成人に比べて排尿回数は多くなります。

選択肢5. 探索反射は、口に入ってきた物を吸う動きである。

✖ 間違いです。

 

探索反射は、口や唇の端にふれたとき、ふれた方を向いて口を開ける動きのことです

吸啜反射は、口に入ってきた物を吸う動きのことです。

まとめ

生理的体重減少、新生児の呼吸、褐色脂肪細胞による熱産生、排尿回数、探索反射など、新生児の生理的特徴についての問題でした。

 

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02

正解は、「寒冷環境下では、褐色脂肪細胞による熱産生が起こる。」です。

 

新生児では、乳児や成人と違い、褐色脂肪細胞により熱産生を行います。

褐色脂肪細胞は脱共役たんぱく質(UCP)が多く存在するため、エネルギーの大半がATP合成に利用されず熱として放出されます。

成人に比べて新生児の体温がやや高いのは、新生児の法が褐色脂肪細胞が多く分布しているためです。

選択肢1. 生理的体重減少では、細胞内液の減少が著しい。

生理的体重減少とは、生後2,3日は飲む量に比べて体から出ていく水分量が多いため、一時的に体重が減少することを言います。

このとき失われる水分は、便・尿・汗や不感蒸泄として細胞外液から失われます。

選択肢2. 外呼吸は、胸式呼吸が中心である。

新生児は肋骨の角度が水平で呼吸筋が発達していないため、腹式呼吸を中心に外呼吸を行います。

選択肢4. 排尿回数は、成人に比べて少ない。

新生児は成人に比べて排尿の機能が未熟なため排尿回数は多いですが、一回量は少ないです。

選択肢5. 探索反射は、口に入ってきた物を吸う動きである。

探索反射は、唇に何かが触れるとその触れた何かを探すかのように左右上下に首を回す動きのことです。

口に入ってきた物を吸う動きは哺乳反射といい、探索反射もその中に含まれます。

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03

新生児の生理的特徴についてまとめておきましょう。

選択肢1. 生理的体重減少では、細胞内液の減少が著しい。

(×) 生理的体重減少では、細胞外液の減少が著しいです。

 

生理的体重減少では、排泄物や呼気・皮膚からの水分が多く失われます。

よって細胞外液の減少が多くなります。

選択肢2. 外呼吸は、胸式呼吸が中心である。

(×) 外呼吸は、腹式呼吸が中心です。

 

新生児は腹式呼吸が中心であり、成長とともに胸式呼吸へ変化していきます。

選択肢3. 寒冷環境下では、褐色脂肪細胞による熱産生が起こる。

(〇)

 

新生児は褐色脂肪細胞が多く、寒冷環境下では、褐色脂肪細胞による熱産生が起こります。

選択肢4. 排尿回数は、成人に比べて少ない。

(×) 排尿回数は、成人に比べて多いです。

 

新生児は膀胱が小さいため、排尿回数は多くなります。

選択肢5. 探索反射は、口に入ってきた物を吸う動きである。

(×) 探索反射は、唇が乳首や指に触れた際に刺激の方向に向く動きです。

 

口に入ってきた物を吸う動きは吸啜反射です。

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