管理栄養士 過去問
第38回
問114 (午後の部 問17)

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問題

管理栄養士試験 第38回 問114(午後の部 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

経鼻胃管にて、1.0kcal/mLの半消化態栄養剤(常温)を100mL/時で200mL投与したところ、下痢が生じた。その対策に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 1時間で200mLを投与する。
  • 脂肪含有量の多い経腸栄養剤に変更する。
  • 2.0kcal/mLの経腸栄養剤に変更する。
  • 20mL/時で投与する。
  • 4℃にして投与する。

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この過去問の解説 (3件)

01

経鼻胃管を行う際の注意点、副作用について理解しておきましょう。

選択肢1. 1時間で200mLを投与する。

不正解です。

100mL/時で下痢を起こしてしまっているため、投与速度をさらに早めることはさらに下痢症状が悪化してしまう可能性があります。

選択肢2. 脂肪含有量の多い経腸栄養剤に変更する。

不正解です。

脂肪含有量の多い経腸栄養剤は、より下痢を起こしやすくなります。

選択肢3. 2.0kcal/mLの経腸栄養剤に変更する。

不正解です。

1.0kcal/mLの経腸栄養剤で下痢を起こしてしまっているため、さらに濃度を上げてしまうと下痢症状は悪化してしまう可能性があります。

選択肢4. 20mL/時で投与する。

正解です。

20ml~30ml/時から開始し、便の回数や腹部症状を観察しながら徐々に速度を上げていくことが望ましいです。

選択肢5. 4℃にして投与する。

不正解です。

低温では下痢を起こしやすくなります。

室温程度に温めて投与しなければなりません。

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02

経鼻胃管を行うと、副作用や合併症を伴う場合もあります。

誤嚥性肺炎や、嚥下障害、胃腸障害なども生じる可能性があるので、それらの対策に関しても、覚えておくことが重要です。

選択肢1. 1時間で200mLを投与する。

不適当です。

 

投与速度は、200ml/時よりも少ない量から投与するのが適当です。

選択肢2. 脂肪含有量の多い経腸栄養剤に変更する。

不適当です。

 

脂肪含有量が多い経腸栄養剤だと、より下痢を引き起こしやすくなります。

 

選択肢3. 2.0kcal/mLの経腸栄養剤に変更する。

不適当です。

 

濃度をあげてしまうと、より下痢を引き起こしやすくなります。

選択肢4. 20mL/時で投与する。

最も適当です。

 

状況をみて、徐々に速度をあげていくことが大切です。

選択肢5. 4℃にして投与する。

不適当です。

 

低温では、下痢を起こしやすくなってしまいます。

参考になった数2

03

経鼻胃管とは、経口摂取不良の患者に対して行われる栄養投与方法の1つです。鼻腔等から胃までチューブを挿入し、栄養剤を注入します。

経鼻経管栄養ではしばしば副作用(下痢、嘔吐等)を起こすことがあり、状況に合わせた対処が必要です。

選択肢1. 1時間で200mLを投与する。

✕ 不正解です。

経管栄養投与での下痢の要因の1つとして、投与スピードが早すぎることが考えられます。

1時間で100mlの投与を行っていても下痢を起こしており、投与スピードを早めるべきではありません。

選択肢2. 脂肪含有量の多い経腸栄養剤に変更する。

✕ 不正解です。

経管栄養投与での下痢の要因の1つとして、脂肪含有量の割合が高いことによる反応性の下痢が考えられます。

下痢が見られるときは、脂肪含有量の低い栄養剤へ変更するのであり、高いものへの変更はしません。

選択肢3. 2.0kcal/mLの経腸栄養剤に変更する。

✕ 不正解です。

経管栄養投与での下痢の要因の1つとして、浸透圧の高さが考えられます。

下痢を起こしているときは浸透圧の低い栄養剤へと変更を検討します。

選択肢4. 20mL/時で投与する。

○ 正解です。

投与スピードを遅らせることは下痢対策として効果があるかもしれない(※投与スピードだけが原因でない場合もある)ため、現在の100ml/時から20ml/時に変更し経過観察します。

選択肢5. 4℃にして投与する。

✕ 不正解です。

経管栄養投与での下痢の要因の1つとして、冷えた栄養剤を投与することにより下痢を起こしている可能性が考えられます。

設問では常温の栄養剤を投与していますが下痢を起こしているため、冷たい栄養剤への変更は下痢を助長するものと考えられます。

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