管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問31

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

腎疾患の病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • IgA腎症は、尿細管へのIgAの沈着を特徴とする。
  • 慢性腎不全が進行すると、血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値が上昇する。
  • 糖尿病腎症第4期では、エネルギー摂取量を25~35kcal/kg目標体重/日とする。
  • 血液透析では、リン摂取量を2,000mg/日以上とする。
  • 急性糸球体腎炎では、回復期に水分を制限する。

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この過去問の解説 (2件)

01

腎疾患は、飲水量やたんぱく質摂取量の制限など、栄養管理方法も症状に応じて異なります。

 

国家試験にも良く頻出される問題なので、教科書で何度も復習をしましょう。

選択肢1. IgA腎症は、尿細管へのIgAの沈着を特徴とする。

不適当です。

 

IgA腎症では、血清IgA値が高値となります。

選択肢2. 慢性腎不全が進行すると、血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値が上昇する。

不適当です。

 

血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値は、ビタミンDが肝臓や腎臓で水酸化されて生成するため、慢性腎不全が進行すると水酸化されにくくなり、値は低下します。

選択肢3. 糖尿病腎症第4期では、エネルギー摂取量を25~35kcal/kg目標体重/日とする。

最も適当です。

 

第1期から第3期はエネルギー摂取量が25-30kcalkg標準体重日、

第4期では、エネルギー摂取量が25-35kcal/kg目標体重/日となります。

選択肢4. 血液透析では、リン摂取量を2,000mg/日以上とする。

不適当です。

 

1日のリンの摂取目安量はたんぱく質(g)× 15mg以下です。 

例えば、体重50kgの患者さんの場合、1日800mg以下になります。

選択肢5. 急性糸球体腎炎では、回復期に水分を制限する。

不適当です。

 

急性期には水分制限(前日の尿量+500ml)が必要ですが、回復期は水分制限は必要ありません。

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02

腎疾患の特徴と、栄養管理について理解しておきましょう。

選択肢1. IgA腎症は、尿細管へのIgAの沈着を特徴とする。

不正解です。

IgA腎症は、糸球体へのIgAの沈着を特徴とします。

血尿があり、血液検査でIgA高値を認めることが多く、30~40%が末期腎不全に進行します。

選択肢2. 慢性腎不全が進行すると、血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値が上昇する。

不正解です。

慢性腎不全が進行すると、血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値が低下します。

血中1α,25−ジヒドロキシビタミンDは、ビタミンDが肝臓・腎臓で水酸化されて合成される代謝物です.

慢性腎不全が進行すると水酸化作用が衰えます。

選択肢3. 糖尿病腎症第4期では、エネルギー摂取量を25~35kcal/kg目標体重/日とする。

正解です。

第1期~第3期:25~30kcalkg標準体重日、

第4期:35~35kcal/kg目標体重/日

第5期:透析に対応した食事療法

となっています。

選択肢4. 血液透析では、リン摂取量を2,000mg/日以上とする。

不正解です。

血液透析では、リン摂取量をたんぱく質(g)×15mg/日以下とします。

2,000mg/日以上では多すぎます。

たんぱく質必要量は1.0~1.2g/kg/日です。

透析患者はリンの尿への排泄量が低下するため、リン制限をする必要があります。

選択肢5. 急性糸球体腎炎では、回復期に水分を制限する。

不正解です。

急性糸球体腎炎では、回復期に水分を制限はしません

急性期には制限する必要があり、前日尿量+不感蒸泄量となります。

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