管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問32

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

65歳、男性。膜性腎症によるネフローゼ症候群。身長165cm、体重65kg、標準体重60kg。血圧112/64mmHg。空腹時血液検査値は、アルブミン2.0g/dL、HbA1c 5.4%、LDLコレステロール200mg/dL、カリウム3.5mEq/L。尿たんぱく4.0g/日。全身に浮腫があり、利尿薬を使用している。この患者の1日当たりの目標栄養量に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • エネルギーは、20kcal/kg標準体重とする。
  • 脂肪エネルギー比率は、35%Eとする。
  • たんぱく質は、0.8g/kg標準体重とする。
  • 食塩は、3g未満とする。
  • カリウムは、2,000mg未満とする。

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この過去問の解説 (2件)

01

ネフローゼ症候群は高度のたんぱく尿、低たんぱく血症、脂質異常症、浮腫の臨床症状呈する腎疾患の一種です。

食事療法の基準について理解しておきましょう。

選択肢1. エネルギーは、20kcal/kg標準体重とする。

不正解です。

エネルギーは、35kcal/kg標準体重とします。

 

選択肢2. 脂肪エネルギー比率は、35%Eとする。

不正解です。

脂肪エネルギー比率は、20~25%Eとします。

脂質異常症を呈するため、脂質エネルギー比率を増やすことは適していません。

たんぱく質も制限するため、炭水化物でエネルギー調整を行います。

選択肢3. たんぱく質は、0.8g/kg標準体重とする。

正解です。

高度のたんぱく尿、低たんぱく血症があるため、たんぱく質制限をします。

 

選択肢4. 食塩は、3g未満とする。

不正解です。

浮腫があり塩分制限をする必要がありますが、3g未満では少なすぎます。

1日6g未満とするのが望ましいです。

選択肢5. カリウムは、2,000mg未満とする。

不正解です。

血清カリウム値により増減します。

この患者はカリウム3.5mEq/Lであり正常なため、制限する必要はありません。

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02

ネフローゼ症候群は、浮腫が主徴で、乏尿や全身倦怠感、食欲不振などの症状もあります。

 

食事療法としては

①浮腫や高血圧のある場合には食塩を制限し、水出納バランスを維持すること。

②エネルギーは35kcal/kg体重/日程度とすること。

③たんぱく質は腎機能障害の程度に応じて制限すること

などが重要となります。

選択肢1. エネルギーは、20kcal/kg標準体重とする。

不適当です。

 

アルブミンの数値も低く、栄養不良状態なので、過度のエネルギー摂取量制限は適切ではありません。

選択肢2. 脂肪エネルギー比率は、35%Eとする。

不適当です。

 

たんぱく質の摂取量を制限するため、その分、炭水化物の%Eが高くなります。

選択肢3. たんぱく質は、0.8g/kg標準体重とする。

最も適当です。

 

たんぱく質の摂取量は、状態に応じて変更する必要がありますが、今回は浮腫もありますので0.8g程度が適切です。

選択肢4. 食塩は、3g未満とする。

不適当です。

 

食塩の摂取量は、1日あたり6g未満を目標とします。

選択肢5. カリウムは、2,000mg未満とする。

不適当です。

 

カリウムの摂取量は、1日あたり1500mg以下が適切です。

参考になった数3