管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問76

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問76 (訂正依頼・報告はこちら)

K社健康保険組合の管理栄養士である。
対象者は、50歳、既婚男性、喫煙習慣なし。職場の健診で、特定保健指導の積極的支援を2年連続受けることになった。
前年の積極的支援では、週末の運動によって、6か月後に体重が6kg減少した。しかし、その2か月後に部署異動があり、接待での飲酒機会が週1回以上となった。さらに、家での飲酒も毎日、缶ビール2本(1本200kcal)に増えた。ビール以外の飲酒はない。部署異動から4か月後に健診を受けたところ、昨年の健診時とほぼ同じ体重になっていた。
今年の健診結果は、身長172cm、体重80kg、BMI 27.0kg/m2、運動は実施していない。

初回面談から1か月後、継続支援の面談を行ったところ、対象者は計画どおり取り組めていた。体重は初回面談時から変化していない。この時の支援である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 現在の取組状況の問題点を指摘し、改善策を話し合う。
  • 現在の取組に対して、今後期待される成果を説明する。
  • 現在の取組を称賛した上で、取組を継続するよう励ます。
  • 現在の取組を称賛した上で、行動目標の追加を話し合う。

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この過去問の解説 (2件)

01

現段階では即時的に効果が感じられなくても計画を継続していくことが重要です。行動変容の決意が揺るがないように寄り添ったサポートを実施しましょう。

選択肢1. 現在の取組状況の問題点を指摘し、改善策を話し合う。

不適切です。

現段階で結果は出ていないものの、見当違いな取り組みを実施しているわけではありません。効果が出るまで継続することが重要であるため、この選択肢は不適切です。

選択肢2. 現在の取組に対して、今後期待される成果を説明する。

不適です。

行動変容を開始している時期では今後期待される成果を認識してい場合が多いです。

そのためさらに計画を継続するサポートにはつながりません。

選択肢3. 現在の取組を称賛した上で、取組を継続するよう励ます。

不適切です。

ここまでの行動変容継続するための情動的サポートを行う(褒めること)は重要です。しかし、指導1か月後に体重が変化していないことから、目標を見直す必要があります。

選択肢4. 現在の取組を称賛した上で、行動目標の追加を話し合う。

正しいです。

行動変容を継続するためにも、これまでの取り組みを称賛することが重要です。また、指導1か月後に体重が変化していないことから、目標を検討しなおす必要があります。

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02

実行に移ったステージでは小さな変化をポジティブに認めて称賛するようなサポートが有効です。

『行動を起こしたこと』自体が素晴らしいという振り返りをすることで継続へのモチベーションが高まります。

選択肢1. 現在の取組状況の問題点を指摘し、改善策を話し合う。

不適です。

 

問題点を指摘するのではなく、計画通り取り組めていることを称賛すべきです。

選択肢2. 現在の取組に対して、今後期待される成果を説明する。

不適です。

 

減量の成功体験があり、期待できる成果は理解しているため、説明することは適しているとは言えません。

選択肢3. 現在の取組を称賛した上で、取組を継続するよう励ます。

不適です。

 

取り組みを称賛することは大切ですが、体重の変化はしていないので、追加の行動目標を設定することが必要です。

選択肢4. 現在の取組を称賛した上で、行動目標の追加を話し合う。

適しています。

 

現在の目標を称賛した上で、目標達成のために必要な行動目標の追加を対象者自身が設定できるように話し合うことが大切です。

まとめ

行動変容のステージモデル

 ①無関心期への働きかけ

 ②関心期への働きかけ

 ③準備期への働きかけ

 ④実行期への働きかけ

 ⑤維持期への働きかけ

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