管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問90

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問90 (訂正依頼・報告はこちら)

K病院に勤務する管理栄養士である。患者は、72歳、男性。独居。
1か月前から労作時の呼吸苦が出現した。1週間前から呼吸苦の増強とともに、食欲不振、下痢、下肢の浮腫が加わり、弁膜症による慢性心不全の急性増悪と診断され緊急入院となった。
身長160cm、体重50kg、BMI 19.5kg/m2。発熱なし。
空腹時の血液検査値は、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)840pg/mL(基準値18.4pg/mL未満)、LDLコレステロール98mg/dL、アルブミン2.8g/dL。eGFR68mL/分/1.73m2、酸素飽和度93%。

入院6日目、心不全症状は改善し、消化器症状も消失した。退院に向けて栄養食事指導を行うことになり、入院前の普段の食事内容を聞き取った(表)。この食事内容を基に改善点を指摘した。その内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
  • 鶏唐揚げを焼き魚にする。
  • 野菜の摂取量を増やす。
  • レトルト粥をご飯に変える。
  • 冷奴を半分に減らす。

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この過去問の解説 (2件)

01

改善はしたものの、慢性心不全であること、独居であることを考慮したアドバイスを考えましょう。

選択肢1. 鶏唐揚げを焼き魚にする。

最も適切とは言えません。

 

魚は肉より摂取したいのですが、鶏の唐揚げを焼き魚に変えてしまうとエネルギー量が下がってしまうので適切とは言えません。

選択肢2. 野菜の摂取量を増やす。

最も適切とは言えません。

 

野菜の摂取量は少ないが、冷奴や枝豆を摂っていて独居であることからなかなか難しいと考えられ最も適切とは言えません。

選択肢3. レトルト粥をご飯に変える。

最も適切と言えます。

 

鶏の唐揚げが食べられることから、エネルギー量が少なく、水分量の多いレトルト粥をご飯に変えてもらうのが最適です。

選択肢4. 冷奴を半分に減らす。

適切ではありません。

 

冷奴を半分に減らす必要はありません。

まとめ

慢性心不全では摂取する水分を減らすことが大切です。

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02

慢性腎不全の食事管理については、水分制限と塩分制限が重要です。

また、患者年齢や生活環境(独居)なども考慮して改善点を検討しましょう。

選択肢1. 鶏唐揚げを焼き魚にする。

適切ではありません。

エネルギー摂取量の観点からも減らすべきではなく、また、この変更によって水分制限や塩分制限が期待できるものではないので最適な指摘とは言えません。

選択肢2. 野菜の摂取量を増やす。

最適ではありません。

野菜の摂取量は少ないですが、独居の男性ということを考慮し、真っ先に取り組むべき項目とは言えません。

選択肢3. レトルト粥をご飯に変える。

正しいです。

おかゆはご飯を多量の水で柔らかく炊いているため、食事量・満腹感に対して摂取エネルギーが少なく、水分摂取量が増加することが分かります。現時点で消化器症状も改善しているため、ご飯を摂取することで摂取水分量を調節でき、エネルギー摂取量の増加も目指すことができます。

選択肢4. 冷奴を半分に減らす。

最適ではありません。

冷奴は大豆製品で、重要な植物性たんぱく質摂取源です。減らす必要はありません。

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